【インタビュー】＋α／あるふぁきゅん。、人生の分岐点を語る

■妄想しながら歌っています
■ひとりがいいんです

──レコーディングでは「もう一回歌わせてほしい」ということもあるんですか？

＋α／あるふぁきゅん。：「もう一回やってくれる？」ってことはあります。私は「気持ちよかったから、今のテイクでいく」って、みんなも同意なんですけど、すごく気の合うディレクターさんで「今のでいいと思うよ。でも今気持ちいいんでしょ？ってことは、次も気持ちいいかもしれないから、もう一回いこう」みたいな。そうすると、2回目の方が良かったりするんですよね（笑）。

──逆にNGテイクは出ないんですか？

＋α／あるふぁきゅん。：ありますよ。あるんですけど、それが良かったりするんです。

──声色は、どのように使い分けているんですか？

＋α／あるふぁきゅん。：妄想しながら歌っています。頭の中でストーリーを作っちゃって妄想しながら歌うんです。経験したことのない詞であればそうしますし、ちょっとでも経験があったら経験を塗り込んで頭で妄想して歌います。

──エネルギーを使いそうですね。

＋α／あるふぁきゅん。：使います。だからひとりがいいんです。ボーカルブースから人がいるのが見えちゃうと、作り上げてきたストーリーが一気に消えて無くなっちゃうんです。だから、ボーカルブースは完全に遮断された状況じゃないとそれはできないです。

──そういう環境さえできればレコーディング自体は早そうですね。

＋α／あるふぁきゅん。：集中すると早いですね。

──『ALMATIC.』のリリースが楽しみです。

＋α／あるふぁきゅん。：楽しみというか、「どうなるんだろうなあ」っていう興味というか…不思議な感情です。7月からのワンマンツアーも質の高いライブにしたいです。以前に比べるとオリジナル曲が増えたから、それだけやる気になっています。もちろんカバーもたくさん歌います。

──ライブも作品も楽しみにしています。ありがとうございました。

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小学生の時に出会った「ウィー・アー・ザ・ワールド」の衝撃が忘れられず、それから彼女は堰を切ったように洋楽を聴きあさるようになった。例えばどんな音楽を？と聴くと「TOTOとかマーヴィン・ゲイとか…」という予想を軽く飛び越えるアーティスト名が飛び出してくる。「ウィー・アー・ザ・ワールド」の参加アーティストを片っぱしに聞いていったということは、マイケル・ジャクソンやライオネル・リッチーは当然のこと、シンディ・ローパーやダイアナ・ロス、ボブ・ディランからボス、ホール＆オーツ、ヒューイ・ルイス＆ザ・ニュースといったところには触れたこととは思うものの、そこからマーヴィン・ゲイにたどり着くに至るとなれば、おそらく洋楽の大海原を大いに泳ぎまわったことだろう。

洋楽の魅力に没頭し、日本の音楽には全く興味が持てなかったという一人の少女は、ほどなくしてニコニコを本拠とし、アニソンやボカロ文化へ急速接近、＋α／あるふぁきゅん。というアーティストを生み出すこととなる。そんな隠されたストーリーに関しては、またの機会に紐解いてみたいとも思っている。

取材・文：BARKS編集長 烏丸哲也

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