気鋭のポスト・ブラック・メタラー、ゴースト・バス日本上陸

謎に包まれ、気鋭のポスト・ブラック・メタラーとして注目を浴びているゴースト・バスが、3rdアルバム『スターモーナー』で遂に日本デビューを果たす。6月9日に発売される日本盤には、2017年2月に行なわれたライブ映像がボーナスDVDとして同梱される。

◆ゴースト・バス画像

米ノースダコタ州マイノット出身のゴースト・バスがスタートしたのは、2012年のことと言われている。ただ、当初その出自は謎とされ、翌2013年にリリースされたデビューEP『GHOST BATH』のジャケットに、漢字で“鬼浴”とあり、曲目にも漢字が添えられていたことから、中国のバンドではないかとの憶測を呼び、やがてその巷説が実しやかに広まっていった。しかしその実態は、バンドではなくマイノット在住のマルチ・プレイヤー、デニス・ミクラの独りプロジェクトだったことがわかっている。

当時、素性をハッキリさせなかったのは、バンドに神秘性を持たせ先入観なく音楽だけを聴いて欲しいとの思いがあったからだとか。2015年発表のセカンド・アルバム『MOONLOVER』リリースにともない、ツアーの計画が持ち上がったことでバンド編成も揃えられることとなった。



ゴースト・バスのサウンドは、ポスト・ブラック／デプレッシヴ・ブラック／DSBM（Depressive Suicidal Black Metal）／ブラックゲイズと呼ばれている。ブラック・メタルの激しさ／破滅的な悲壮感の一方で、クラシカルかつメランコリック、さらに耽美な傾向も強く、アトモスフェリックにもアバンギャルドにもプログレッシブにも振れる曲想を聴く事ができる。様々に絶叫し喚き、のたうつNAMELESSのボーカルと、ポジティブなギター・メロディや静謐なピアノの調べが聴く者の魂を揺さぶり、心に沁み入るのもまた然り。絶望と希望、哀しみと悦び、天国と地獄が表裏一体として同居する、不可思議な“音楽の旅”なのだ。

Photo by Austin Scherzberg



◆ゴースト・バス『スターモーナー』オフィシャルページ