【インタビュー】ビー・ザ・ウルフ、「トリオになって本来の姿に戻った」

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ビー・ザ・ウルフは、2015年にワールドワイドデビューしたイタリア・トリノ出身のハードロック・バンドだ。2011年結成当初は4人編成であったが、メンバー脱退後はトリオ編成で活動を継続、デビュー間も無くにして日本ではBURRN!誌の人気投票でも最優秀新人賞を獲得している。

◆ビー・ザ・ウルフ画像

フェデリコ・モンデッリ(Vo)による伸びやかな歌声に、哀愁を帯びたメロディとストレートなロックサウンドは、2ndアルバム『Rouge』で更にバラエティに富んだジャンルレスな作品へ成長を果たし、よりタイトで洗練された作品を打ち出している。単独での再来日公演では、新作『Rouge』を中心にタイトなロックンロールな世界を繰り広げてみせた。



荒々しいロック曲のみならず、複雑なメロディラインをもストレートに聞かせるパフォーマンスをみせ、渋谷の会場で「まさにこの場所だよ!」と「Shibuya」を披露されれば盛り上がらないわけがない。ブルーノ・マーズのカバーはアルバム収録曲だが、マイケル・ジャクソンの「Beat It」をサプライズで披露する一幕も飛び出した。これがフェデリコの声質にも合っており、エディ・ヴァン・ヘイレンによる有名なギターソロも見事なタッピングを披露してみせた。ハードロックとR&Bの融合したこの曲はビー・ザ・ウルフにもぴったしだ。「Down to the River」に入る前には「ヨーロッパって知ってるかい?」とヨーロッパ「Carrie」をプレイしオーディエンスもフルコーラスを一緒に歌うなど、会場を包み込み一体感が素晴らしかった。

ライブ前日に彼らをキャッチ、貴重なインタビューが行われた。




──2016年に初来日を果たし、スピード再来日tなりましたが日本はいかがですか?

フェデリコ・モンデッリ(Vo、G):まだ1年経っていないからそんなに変わっていないけど、冬景色もいいね。ホテルも前回とは違うし雰囲気が変わっていいよ。

──新作収録の「Shibuya」のように、日本でインスピレーションを受けました?

フェデリコ:「Shibuya」は、日本滞在後に書いた唯一の曲なんだ。他の曲はすでにでき上がっていて、アルバム収録曲で最後に書いたものだからね。時期も違っているから歌詞の内容的にも違うところがあるよ。

──この曲はシン・リジィ風なものを感じます。

フェデリコ:まさにその通りだよ、フィル・ライノットは大好き。僕たち3人共通してる部分と違う部分があるんだけど、僕は古い音楽が好きでね、シン・リジィやゲイリー・ムーアとか。その影響が出ているのがこの「Shibuya」と「Rise Up Together」だと思う。シン・リジィの「Boys are Back in Town」とか「Emerald」、ゲイリー・ムーアの「Wild Frontier」の影響もあるかもしれない。3人それぞれ音楽の好みが違って、1980年代のハードロック・サウンドは、実はマルコ(B)とポール(Dr)は好きではないんだけど、彼らなりのタッチを加えると妙にハマるんだよね。マルコはマイケル・ジャクソンなどの1980年代ポップスに強い影響を受けているんだけど、それとシン・リジィが合わさると妙に上手くいったりするんだ。

──『Rouge』は、1stアルバムよりバラエティに富んだ楽曲になっていますよね。





フェデリコ:うん、そう思う。ポール(Dr)はハードコアと1970年代ロック/オルタナティブが好きで、マルコはコンテンポラリーでイマドキの音楽が好きだから、ラジオを良く聴いているしメインストリームに強い。僕は古いものが好きだから、バンド内でみんなの多様性があるんだ。1stアルバムの時は、このバンドの個性を確立させたいからあれこれやらずにサウンドを絞り込んだ。今回はそこから解き放たれてもっと個々の個性が出せたと思う。「Down to the River」なんかはゴスペルやスピリチャルなサウンドだし、この調子で行くと次は更に幅広いものになるんじゃないかな。

──マルーン5のような雰囲気もありますよね?

マルコ・ヴェルドネ(B):それは僕のせいだよ(笑)。マルーン5のファンキーなベースが大好きだからそれを採り入れているんだ。

──3人になって楽曲作りも変わりましたか?

フェデリコ:自由にできる部分が変わったよね。『Rouge』ではギターの重要性が減って、ベースの割合が増えている。リズムセクションに重きが置かれて、ギターはサポート的な役割になった。でもこれは、変わったというより本来の姿に戻ったと言った方が正しいかもしれないね。『Imago』の時は、もうひとりギタリストがいたことでバンドが妥協しなければいけないところがあったから、あの時の方が不自然な形だったんだ。

──スリーピースでのライブはいかがですか?

フェデリコ:フィーリングは変わったけど、3人用にアレンジするのはそんなに大変ではなかった。ギターヴォーカルにも慣れたし、新曲の方がギターパートも複雑になっているけど、問題ないよ。

──今後の予定は?

フェデリコ:まずビデオ作りに専念する。「Peeps」は作り始めているし「Shibuya」のミュージックビデオも作ろうと思っていて、日本で街並みとか色々な映像を獲っているよ。ライブは地元のトリノでやろうと思っていてんだ。トリノでは1年以上やっていないから、凄く気合いが入っているよ。5月以降は、まだ未定だけどイタリア以外でも演りたいね。




──ビデオの出来も素晴らしいですよね。

フェデリコ:マルコはカメラマンだから、実際の映像撮影がよくわかっているんだ。僕は専門的な勉強はしていないけど自分たちをどう見せたいかはハッキリしているから、グラフィックデザインやビデオのアイディアを担当する。ポールは衣装に関する知識が豊富で、エンターテイメント業界の人脈にも広いから宣伝的な事やビデオのロケーションを決めるオーガナイザーを担う。メンバーにそれぞれの役割がちゃんとあるんだよ。

──日本のファンへメッセージを。

フェデリコ:日本のファンは僕らの音楽を本当に好きでいてくれて嬉しいよ、これからも宜しく!また次のアルバムも楽しみにしててね。

マルコ:僕たちについて来てくれて愛してくれてサポートしてくれて本当にありがとう。僕たちも愛しています。

ポール・カネッティ(Dr):全ての事にありがとう。

取材・文 Sweeet Rock / Aki
写真・グループショット umihayato
ライブショット Takumi Nakajima

<BE THE WOLF ~THE RED WOLF STRIKES BACK~>

2017.2.24 Shibuya O-West
1.Phenomenons
2.Animals
3.Gold Diggers
4.Blah Blah Blah
5.Dust In Hoffman
6.Peeps
7.Shibuya
8.The Fall
9.The House Of The Dead Snow
10.Rise Up Together
11.Locked Out Of Heaven(Bruno Mars Cover)
12.The Game
13.Beat It(Michael Jackson Cover)
14.Carrie(Europe Cover)
15.Down To The River
16.Freedom
~Encore~
17.Chameleon
18.The Comedian
19.24
20.One Man Wolfpack
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