【インタビュー】J☆Dee'Z、過酷なNY武者修行に多くを学んだ新作「Answer」

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——MVに地下鉄の構内で現地のミュージシャンとセッションしているシーンが出てきますよね。どういういきさつで?

MOMOKA:演奏している人たちの中にコート脱いで普通に入っていったんです。自分たちは踊ることしかできないけど、お互いに目を合わせながら。

ami:演奏している人もビックリしていたみたいですけど、すぐにウェルカム状態で受け入れてくださって。

Nono:そしたら、さらにまわりに人が集まってきて。

MOMOKA:普通に歩いていた女性が踊り出して入ってきたりとか。

Nono:で、3組のセッションになるっていう(笑)。

——辛い体験があっただけに嬉しい瞬間ですよね。

ami:「どうしたら立ち止まってくれるんだろう」って空き時間があったら話し合っていたんですけど、なかなか結果が出なくて……。そんな時に路上パフォーマンスの方たちを見て、気づくことがあったんです。素通りされても全然気にしていないかのように「自分たちが楽しければいい!」って感じでやっている姿を見てカッコいいなって。

Nono:「見てください」というより「俺が今やってるんだぜ。見たかったら見ろよ」って感じなんですよ。だから見たくなるし、そこが私たちに足りなかった部分なんだなと思って。

MOMOKA:素通りされたら悔しいじゃないですか。だけど、イヤだなってネガティブに考えるんじゃなく、中には「良かったよ」って声をかけてくれたり、「一緒に写真、撮ろう!」って言ってくれる人もいて、それが自分たちのパワーになっていたから、「じゃあ、そういう人たちをもっと増やしていこう」ってずっとライヴしてましたね。

——そうなんだ。あと地下鉄の中でもパフォーマンスしてましたよね。あれこそ勇気がいるだろうなって。

MOMOKA:1日目に移動で乗った地下鉄でたまたまパフォーマーの方に出会ったんです。まわりを巻き込みながら「イエーッ!」ってパフォーマンスしている姿を見て衝撃を受けて「こんな人たちがいるんだ」、「負けられない」と思って翌日にやりました。

——すごい! 許可とらずにいきなりやっていいものなんですか?

MOMOKA:わりと当たり前みたいなんですよ。中には他の車両に移動したり、携帯見てる人もいたんですけど、その頃には自分たちもメンタルが強くなっていたので気にしなくなっていたから、むしろ自分たちから絡みに行ったり、電車の端から端まで移動してパフォーマンスしました。

Nono:そんな経験できないですよね。

ami:地下鉄だからガタガタ揺れてましたけどね。電車の中だと360度の視界だから、後ろを向いたら座っている人がいるし、横を向いたらドアのところに立っている人もいたり。どこから見ても楽しめるようにしてました。



——文字通りの武者修行ですね。その結果がたくさんの人が集まったタイムズスクエアでのパフォーマンスに繋がっていって。

ami:どんな結果になろうとも自分たちの答えを探しに行っている旅だから、「タイムズスクエアで自分たちの全力を出し切って終わりたいね」って気合いを入れて円陣組んで臨んだんですよ。多くの人が集まってくれて、そこで感じたのは“言葉の壁や人種の壁ってとてもちっぽけなことなんだな”って。伝える側も受け取る側も人間同士だから、言葉が違っても伝わるものがあるんだってことを感じたんです。パフォーマンスの技術の高さだったり、表情も大事だけど、それ以前に気持ちが大事なんだなって思いました。

Nono:最後のタイムズスクエアはメンバーが一緒に踊っていることが不思議な感じがしました。それまでの路上ライヴは“目を合わせて楽しもう!”って思ってたんですけど、ホントに心から楽しめたというか、あんなに楽しいライヴはなかったなぁって夢みたいですごく不思議でしたね。

MOMOKA:正直、N.Y.に行く前はそんなに人が集まると思ってなかったし、タイムズスクエアでライヴしても立ち止まらないんじゃないかと思ってたんです。でも、やっている内にどんどん人が集まってきて、写真を撮ってる人や“ヒューッ”って声を出してくれる人もいて、想像もしていなかった景色だったから、「武者修行行って良かった!」と思いました。

——そういう体験をすると自信になりますよね。素朴な疑問ですが、ゴハンはどうしていたんですか?

ami:よく聞かれるんですけど、全然、牛肉とか食べてなくて(笑)。

MOMOKA:初日の夜にピザ食べたぐらいですね。

ami:その後はほとんどお弁当。

Nono:N.Y.で観光するというよりもライヴして何を吸収できるかに気持ちが向いていたので、ゴハン欲もあまりなかった(笑)。

ami:最後の夜もコンビニだったもんね(笑)。移動中は食べるよりもミーティング優先だったし。

——3人とも熱血ですね。

全員:よく言われます(笑)。


▲「Answer」初回生産限定盤

■泥くささも含めて、全てが未来に繋がることをあらためて教えられた

——そんな武者修行の旅のキッカケになった大切な曲「Answer」は3人の突き抜けるような爽快感のあるヴォーカルも印象的です。N.Y.で歌い続けた思い入れいっぱいの曲でもありますよね。

ami:「Answer」は等身大の私たちをそのまま表している曲だと思います。これまでの7年間、心から笑えて楽しかったこともあったし、苦しかったことも悔しかったこともあった。いろいろなことが全て自分たちの今に繋がっていると改めて感じさせてくれた1曲でもあり、逆に言うと今の私たちが何をするかが未来の自分になっていくんだなって。N.Y.で絶対に下を向かずに前だけを向いていたJ☆Dee’Zは自分にとって心強い仲間だし、あらためて大事な2人だなぁって。仲間の大切さや夢を持つことの素晴らしさとか……夢ってキレイごとに聞こえるかもしれないけど、その泥くささも含めて、全てが未来に繋がることをあらためて教えられた曲でもありますね。

——旅を通じて、いっそう大きな曲になったんですね。

ami:曲と一緒に自分の気持ちも育っていった気がします。

MOMOKA:最初に聴いた時から好きな曲だったんですけど、N.Y.でずっと歌い続けたからこそ、あの時の記憶が蘇ってきたりもするし、重ね合わせながら歌っているのですごく大切な曲ですね。“君がいたから 知れた光”とか“君と泣いて笑って”とか歌いながらメンバーの顔を思い浮かべたりします。“ひとりでは ちっぽけな光”っていう歌詞も出てきますが、仲間がいるから輝けるってホントにその通りだなって。

Nono:私も2人が言っていたようにN.Y.で感じたことが詰まっている曲だなと思います。それと「Answer」は繰り返される出会いと別れの中で、1つ1つの出会いが今の自分に繋がっているという内容ですけど、私自身、もうすぐ中学を卒業するんですね。大切な友達や先生と別れるのは寂しいけれど、高校生活とJ☆Dee’Zの活動を両立できるのもJ☆Dee’Zと出会って応援してくださる方たちがいることも全部、自分が頑張れる糧となっているので、まわりの人を大事にしたいし、未来は「私、こんなに大きくなったんだよ」って言えるようになりたいなと思います。

——「Answer」は卒業ソングでもありますもんね。

Nono:はい。今の自分がこの歌をうたえることがすごく嬉しいですね。

——それとMVに靴を踏み鳴らすシーンが出てきますが、この曲では現代のタップダンスであるボディーパーカッション・ダンスを取り入れているんですよね。

MOMOKA:はい。ダンスの振り付けを揃えることはやってきましたけど、今回は初めて音を揃えることに挑戦しました。1個ズレるだけで全部が崩れてしまうので最初は難しかったんですけど、練習する内にピタッと揃った時の気持ちよさを感じられるようになって、J☆Dee’Zの新たな一面を見せられたかなと思っています。

ami:MOMOKAが言った音を揃えることもそうなんですけど、N.Y.は寒かったので大変でした。手を叩いていると感覚がなくなったり、冷たさで手が切れてきたりするんです。あの時は痛かったけど、その傷すらも愛おしいものとして思えるような。変な感じですけどね(笑)。最初は音を出すこと自体が難しかったよね。

2人:うん。

ami:“パンッ”ってキレイな音が出るまで時間がかかりました。

Nono:通常はダンスって足音を鳴らさないというか、体の負担になることもあってできるだけ軽やかに踊らなきゃいけないんですけど、ボディーパーカッション・ダンスは逆で手や足で音を鳴らさないとダメなんですよ。歌いながらだし、体力を使うんだけど、その分、カッコよかったり。いいチャレンジになったと思っています。

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