【対談】YUKIYA(Kαin) × Tohru(PROJECT TO EVIL)、「JILSとはまた違う自分の音楽を」

■僕にとっても嬉しいことなんですよ
■こうしてまた一緒に音を出すことができる──YUKIYA

──まさに“今だから”の告白をありがとうございます（笑）。では、Tohruさんにとって久々の表舞台となる3月31日は、どんなステージになりそうでしょう？

Tohru：やっぱりJILSを通して僕を知ってくださってる方もたくさんいらっしゃるでしょうから、“こんなものをやりたくてJILSを抜けたの？”とは言われないように、学んだものを最大限生かしつつも、JILSとはまた違う自分の音楽を表現していきたいです。

YUKIYA：ヴォーカル以外は全員Tohruくんのスタジオの人間で、ギターとパーカッションはずっと弟子だもんね。結構付き合い長いでしょ？

Tohru：そうですね。彼らが中学生くらいから知ってます。

▲PROJECT TO EVIL

──じゃあ、演奏のアンサンブルは心配無用ですね。

YUKIYA：僕にとっても、やっぱり嬉しいことなんですよ。現在はメンバーではなくても、音楽を続けてくれているから、こうしてまた一緒に音を出すことができるわけで、それは今回ゲスト参加してくれる舜くんもそう。あの……僕らのいる日本っていう国は、正直、長く頑張っていることへのリスペクトがあんまりない国だと思うんです。若くて新しいものにだけスポットを当てがちで、もちろん、それはそれでアリですよ。ただ、今も音楽というものに対価を払う価値を見出してくれている年齢層に対して、誠意のあるビジネスをしないと良くないだろうと僕は考えていて。そういう意味では、ちゃんとライヴのチケットを買って、音楽が鳴っている現場に来てくれる人をガッカリさせないようなものをやりたいという気持ちは大きいですね。

──お2人とJILSで一緒に活動されていた舜さんは、具体的にどういう形で参加されるんでしょう？

YUKIYA：シンプルに「当時の曲をやろうよ」っていう話はしてます。一応、他の2人にも声はかけてるんですけどね（笑）。

Tohru：実は今回、PROJECT TO EVILのレコーディングエンジニアをやってくれているのも舜くんなんですよ。彼がセッションでやりたい曲も聞いているから、そろそろ練習しなければいけないんですけど、面白いんです。当時、自分が当たり前のようにパッと叩いていたものなのに、歳を重ねて聴いてみると、意外と「なんでこんなことしてたんだろう？」っていう発見があったりもして。昔よしみの再結成でナァナァにするつもりはないので、今、出せるベストの形でアプローチしていきたいです。

YUKIYA：去年の年末に別口で舜くんとライヴをしたときの手応えも良かったし、久しぶりに一緒に演奏するとプレイヤーとしての変化も見えて楽しいんですよね。機材が変われば音色も変わるし、特にJILSで僕らが一緒にやっていた頃っていうのは、リズムトラックだけはアナログで上物はデジタルで……っていうハイブリッドな制作ができる時期だったので、それが当時の音源を聴くと甦ってくるんですよ。ただね、今のミュージシャンってPC上のプラグインを使って音を加工することが当たり前なんですよ。たとえばアンプシミュレーターとかね。でもやっぱり、実機の音を知っているのと初めからPC上の音しか知らないのでは違う。自分はそう思っているので、そこは僕らなりの音を出したいと考えてます。

──3月31日には、現在制作中のPROJECT TO EVILの1stシングルも先行発売されるんですよね。

Tohru：はい。3曲入りでタイトルは「邂逅」です。その後に一般発売も予定はしてますが、まだ諸々正式には決まっていないので……。

YUKIYA：今後が決まってない先行ですからね。まだ1stライヴと、そこでシングルを出すことしか決まってない（笑）。

──このライヴで新たな展開が発表される予定は？

YUKIYA：「できたほうがいいね」とは言ってますけど、現時点ではホントに何も決まってません。なので、まずは3月31日を見逃さずに楽しみにしていただいて。

Tohru：次がいつあるかは未定なんで、3月31日はぜひとも渋谷マウントレーニアホールに来ていただきたいです！

取材・文◎清水素子
撮影◎野村雄治



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