【インタビュー】10-FEET、「ヒトリセカイ×ヒトリズム」完成「思い続けていることを切にひたすら」
■ガチャガチャとやってるうちに
■20年経ったなという感じ
──もうひとつの表題曲「火とリズム」は、より10-FEETらしいサウンド的な面白さが詰まった曲ですね。
TAKUMA:自分たちのロックの表現の仕方というところに「火とリズム」はまずこだわって。で、10-FEETの曲を書くと決めるとなかなか進まないというか、何ヶ月に1曲できるかどうかだったんですね。だから、めちゃくちゃでも、脱線していてもいいから、とにかく楽曲を1日1曲作ろうって、たくさん作った時期があったんです。これはそのうちの1曲ですね。何も考えずに作った時に出てくる自分の趣味というか、“何も考えずに作るとこういう10-FEETの音楽観みたいなものが出てくんねんな”と思わせてくれた曲ですね。
──やはりサウンド重視で進んだ曲なんですね。
TAKUMA:意識的には、そうですね。
NAOKI:アレンジにしても、3人で合わせたら“10-FEETの音楽観”が自然に出てくるやろうなというのはありました。昔よく、こういう雰囲気の曲をやってた時代もあったんですね。改めてアレンジしたりレコーディングすると、グルーヴ的な部分や技術的なところで、“こうした方がこういう雰囲気になるな”とか気づけた部分があった曲でした。自分の感覚的な部分ですけどね。
──あの3ピースの鉄壁感って感覚的なもので出来ていたんですかね。
NAOKI:そうですね。これまでもレゲエっぽいものとかミクスチャーっぽい感じはやっていたんですけど。当時はこういうことに気づいてなかったなと思いましたから。それはそれで若いノリになっていたから、よかったんですけど(笑)。
KOUICHI:こういう曲調ってアレンジしようと思ったら、いっぱいできると思うんです。それをみんなでやりとりしながら、アレンジ過多になりすぎず、ちょうどいいところに落ち着きましたね。
NAOKI:完成も早かったし。
TAKUMA:「[final day]」も早かったな。“テンション高いミクスチャー・サウンドの曲を”ってレコーディング中に出来た曲だから。
▲KOUICHI (Dr&Cho)/<東日本大作戦番外編>2017.1.14-15@ゼビオアリーナ仙台 |
TAKUMA:ガチャガチャとやってるうちに20年経ったなという感じなんです。
──バンドを長く続けることは、考えていたことだったんですか?
TAKUMA:考えてなかったですね。早くやめるつもりもなかったですけど、そんなに続けられる世界でもないだろうとずっと思っていたので。やりはじめた当時はあまり何も考えず、100%バンドができる環境だったので、やれるうちはやろうという。それくらいの考えでしたね。
──バンドとして、何かギアチェンジする瞬間はあったんですか?
TAKUMA:あまりそういう境目がなかったかな。未だに、やれるうちはやろうというのは変わっていないので。
──10-FEET主催の<京都大作戦>も今年で10周年となります。最初は、バンドが結成10周年を迎えるということで“試み”としてのスタートだったそうですね。そこから、大きなバンド主催フェスとして運営していくことにしっかり軸足を置いたのは、手応えを感じた部分があったから?
TAKUMA:<京都大作戦>に関しては成り行きだったんですよね。1年目が台風で中止になってしまって、でもその時の出演バンドがそこからずっと翌年の予定を開けていてくれて。2年越しで第1回目を開催したんですけど、2年間待っててくれたお客さんが喜んでくれた。出演してくれたみなさんも、「すごく楽しかった」と言ってくれまして。最初は僕らも、結成10周年記念のフェスというので立ち上げて……10周年ということはそんなに言ってなかったし、言ってなかったから、“京都で1回フェスやるんでしょ?”っていうくらいに捉えている人も周りに多くいたんです。それが1回できて、“うまくいったんだから、この調子だと来年もできそうやし、やるよね?”っていう空気やったんですね。僕らも、みんなが望んでくれるならやりたいと思いますし、できるうちはやりましょうという、その延長線上なんです。だからほんまは1回だけの予定だったんです。
──それが今では、バンドマンを目指す人達が“出演したいと思う憧れのフェス”のひとつですよね。
TAKUMA:嬉しい話ですね。
──出演バンドが楽しんでいるのもすごくわかりますし、「<京都大作戦>は特別なんだ」という話もよく聞くんです。それはお客さんも感じているところだと思うんですが、そういったフェスが出来上がっていったのは、何が大きかったんでしょう。
TAKUMA:立ち上げのときから僕らよりも動員があったり支持されている人がたくさん出てくれていますし。<京都大作戦>をはじめた当初なんて僕ら、本当に力がなかったですから。僕らだけであの会場を人で埋められる状況ではなかった。なので、周りが<京都大作戦>を盛り上げてくれたんです。「あそこはすごいところなんだよ」「楽しいところなんだよ」っていうのを、お客さんと出演者の方みんなが言ってくれたからでしかないと思いますね。
──10-FEETの人柄がフェスを成功させていると聞きますが。
TAKUMA:出演してくれたみんなは、そう口々に言ってくれるんですけども、とてもそんなことはなくて。昔になればなるほど、僕らはもっともっと至らなかったですし。そこを、無理にでもいいところを探しながら付き合ってくれた人たちが、そういうふうに周りに公言してくれたから今があるんです。出演してくれて、何より気ままにあそこで楽しんでいる姿をみんなに見せてくれているのが、大きいんじゃないですかね。それがなかったら、<京都大作戦>じゃないと思いますし。ああいう場にはならないと思いますから。本当にいくら、謙虚過ぎとか思われたとしても、正直そう思ってます。
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