【ライブレポート】大野賢治、夢のBIGCATワンマンライブでさえも通過点と感じた、円熟味を増し続ける全力パフォーマンス

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2014年12月の上京以来、上京半年での渋谷duo MUSIC EXCAHNGEでのワンマンライブ、初の全国流通盤『絶対大野』リリースを始め、下北沢GARDENでのワンマンライブと、エンターテイメントを詰め込んだ笑いと泣きの連続によるステージで二年間走り続けた大野賢治が、12月7日に凱旋ライブとも言える大阪・心斎橋BIGCATにて【ありとあらゆるありのまま】TOUR -OSAKA ONE-MAN SHOW-を開催した。

◆大野賢治~画像~

高校在学時に同級生と始めた“歌続(かぞく)”というユニットで出演した以来のBIGCATは10年ぶりのステージとなり、長らく大阪で活動していた大野賢治にとっては、一つの夢のステージでもあった。そのステージでのワンマンライブはタイトル通り大野自身の「ありとあらゆるありのまま」が詰まっていた。

ギターのバッキングとドラムのキックが鳴り響く中ステージ幕が開いた。ステージには今回サポートバンドを務めるアシガルユースの面々。大野の登場に沸く客席。そんな中ギターリフから始まったのは「紙一重の未来」。『絶対大野』収録のこの曲はレコーディングでも参加した曲だ。続いてお酒・音楽・仲間という彼の大事なものを詰め込んだ「なんかいいね」、一転ロック調の「トリカゴLIFE」と続く。ここで落ち着いてのMC。大野にとってBIGCAT目標であったBIGCATのステージでの第一声。勢いよく響き渡る「絶対大野ーーー!!!」とGt花盛の声。

「いやおかしいやろ!ワンマンライブの第一声は俺やろ!」と大野がすかさずツッコミを入れる。そもそも「絶対大野」は前回のワンマンライブのタイトルであり、第一声を奪われた上にタイトルも間違えている。そんな彼らの阿吽の呼吸のやりとりに笑いが起きる。そこから暫く半分スベり気味のコント(?!)が続き、「応援歌」へと続く。青春パンク風の楽曲にストレートに「頑張れ」と歌うこの曲は先述の“歌続(かぞく)”時代の曲。曲終わりでは10年前のエピソードなどにも触れた。


ここからはいつものスタイルの弾き語りで、「この指とまれ」「カラフル」「雲が晴れたら」を披露。大野賢治といえば解りやすく“お祭り男”だったのだが、ここ最近は深みを感じる。上京してから音楽・人生をみつめる眼が変わった。以前から演奏している曲もより力強く、より繊細に響き渡る。続いて歌った「微笑みの爆弾」は、現在47都道府県制覇の旅を続けている中、宮崎県で作曲者の馬渡松子とコラボレートした曲であり、本人公認のカヴァー曲だ。「心に鍵をかけました」「僕じゃない君」と続いたあとは再びサポートバンド・アシガルユースが登場。「言葉ノチカラ」「カーニバル」と定番のアッパーチューンで盛り上げる。この盛り上がりは正に“一人エンターテイナー”大野賢治の真骨頂だ。そして、新曲の「いつかの空」とこの日初公開のワンマンタイトルにもなっている「ありとあらゆるありのまま」の二曲で本編を終えた。

ロックバラード調の「いつかの空」も軽快なテンポで進む「ありとあらゆるありのまま」も、別れと出会い、そして彼自身の前進と願いの詰まった、若すぎず背伸びせず「ありのまま=等身大」な、非常に良い意味で今までの大野賢治とは違った曲となっている。

アンコールには上京して「大好きで大っ嫌いな東京に向けて書きました」という「夢の街」を弾き語りで、そしてバンドで「世界はいつも」と彼にとって上京してからの全て詰まった曲であり“人との繋がり”が詰まっている曲を、大きな声で、オーディエンスをしっかりと見つめ歌い上げた。この愛すべき大阪の土地で。


2017年2月18日には【ありとあらゆるありのまま】TOUR -TOKYO ONE-MAN SHOW-を東京・渋谷CLUBQUATTROで開催する。常に前へ背伸びしながら伸ばした手で掴んだ光を、ステージから笑顔に変える彼の音楽を目一杯感じに来ていただきたい。

TEXT&PHOTO:SHIBA

大野賢治-ありとあらゆるありのまま-SETLIST

1紙一重の未来
2なんかいいね
3トリカゴLIFE
4応援歌
5この指とまれ
6カラフル
7雲が晴れたら
8微笑みの爆弾
9心に鍵をかけました
10僕じゃない君
11言葉ノチカラ
12カーニバル
13いつかの空
14ありとあらゆるありのまま
EN1.夢の街
EN2.世界はいつも

ミニ・アルバム『絶対大野』

2015年12月16日 発売
定価:\1,500- +税
品番:SBYS-0001
世界はいつも
カーニバル
微笑みの爆弾
心に鍵をかけました
紙一重の未来


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