【ライブレポート】カメレオ、「何が飛び出すかわからない」真骨頂が炸裂した150分
11月25日(金)、カメレオが<ワンマンツアー2016 #カメレオ維新>のツアーファイナル公演をEX THEATER ROPPONGIで行なった。
◆カメレオ 画像
バンドという形態でありながら、メンバー5人全員が楽器を置いて歌って踊る「5人ヴォーカル」や、音楽活動のみでなく、身体を張った企画にも全力で挑むなど、「変幻自在」というバンドコンセプトを思うがままに体現しているカメレオ。もちろん、それはライヴも同様で、これまでも何が飛び出すのかわからないステージを繰り広げ、多くの観客を魅了してきた。
全国14カ所15公演に渡って行なわれてきた<#カメレオ維新>のツアーファイナルであるEX THEATER ROPPONGI公演は、ヴォーカルのHIKARU.が「ツアーファイナルは大阪でもう終わっていて、今日はファイナルというよりもスペシャルです!」と、MCで話していた通り、いつも以上に次から次へと様々な演出や演目が登場。もはや「やりすぎ」と言っても過言ではないほどの量になっていて、ゆえに、レポートがかなり長くなってしまって大変申し訳ないのだが……。しかし、それはまさしく「何が飛び出すかわからない」という、彼らの真骨頂が炸裂した約150分間のステージだった。
青いライトがステージを照らす中、和の趣きを感じさせるアレンジが施された登場SEが流れると、真っ黒なローブに身を包み、カメレオンのパネルで顔を隠した5人が登場。そして「<#カメレオ維新>ファイナル、ぶち上がっていこうぜ…………後ろだ、バカヤロー!」とHIKARU.が絶叫すると、なんと客席後方からカメレオメンバーが登場! そのまま5人ヴォーカル曲「↑アゲていこう歌↑」でライヴをスタートさせた。黒いローブを脱いだダンサー達がステージで踊る中、座席数限定SS席、平日お試し半額席、ハートフルファミリー席など、様々なシートプランが用意されていた客席のカメコカメオ(カメコカメオはカメレオファンの愛称)と共に激しく踊りまくるメンバー達は、ステージにあがると「準備運動は終わりだ!」と「運命開華ディスコ」へ。異常なまでに大量かつカラフルなレーザー光線が会場全体に照射される中、客席ではカメコカメオが持った和柄の扇子が乱れ舞うという、ハイブリッドな光景を作り上げていた。
ドラムのTakeshiによる恒例の「ハナゲ」コールも、この日は事前に録音した自作のナレーションを使った凝りようで、「鼻毛刀」(というものの実際は傘)を振ると、客席からハナゲの声が巻き起こる。また、「なぞなぞ」では、歌詞にある<1+1=ぱろぷんて>をなぞった演出として、和テイストなEDMが大音量で流れる中、光るゴム製のヨーヨーをフロアに投げこんでいたカメレオメンバー達だったが、ステージ天井からゆっくりと金だらいが出てきて、ラストにはメンバー全員の頭へ見事に落下! あまりの痛さに転げ回り、「おいスタッフ! CO2出すって言ってたじゃねえか!」と声を荒げるメンバー達だったが、Takeshiがその場から起き上がれず、急遽駆けつけた救急隊からドクターストップの合図が。そのまま舞台袖に担ぎ出されたが、とりあえず続きをやろうと4人で歌っていると、Takeshiが首にコルセットを巻いてカムバック。元気に踊り狂っていた。
曲を終えると、そのままTakeshiのドラムソロコーナーへ。首のダメージもそっちのけで、熱いドラミングを繰り出していた彼だったが、途中、ワイヤーで宙に吊られてドラムが叩けなくなってしまった。そこでスタッフに渡された2本の「鼻毛刀」を使ってエアドラムを披露。しかし、さらに上へ高く吊られてしまうと、「見せてやるよ! 鼻毛乱舞を!」と、手渡された「巨大な鼻」を振り回すと、その「巨大な鼻」の穴からカラフルな鼻毛が飛び出したのだが……おそらく、今この文章を読んでいる方は、何をしているのかまったくもって意味がわからないのではないかと(苦笑)。しかし、以前、「KAMENICATION!」のオフィシャルインタビューで、ライヴ中に当て振りをしているというコメントを見かけて「ちゃんと叩いてるから!」とキレていたTakeshi。もちろん宙づりになっている最中はドラムの音を流していたわけだが、そのことをネタにしつつ、なおかつ熱量の高いドラムプレイを繰り出していたところは、彼のちょっとした意地もあったのかもしれない。
また、<#カメレオ維新>での限定アレンジとして「愛と憎しみは紙一重」を披露。Takashiが奏でるキーボードで幕を開けたこの曲は、アップテンポな原曲の速度をやや落とし、どことなく昭和歌謡の空気が漂う意匠が施されていて、より感傷的なものとして生まれ変わらせていた。そして、そんなセンチメンタルな空気を増幅させるかのように、続けて「大雪警報」へ。ちなみに、ライヴ前日は11月にも関わらず都心で初雪が降ったこともあり、実にタイムリーな選曲だったのだが、アウトロ部分では、照明を駆使してステージを見えないようにし、各自持ち場で演奏していたはずの5人が、瞬く間にステージ前に置かれている5本のマイクスタンドの前に移動しているというパフォーマンスで客席を驚かせていた。
そして、<#カメレオ維新>で行なっているもうひとつのコーナー「セットリスト開華〜YOU決めちゃいなよ!!〜」も実施された。これは、70曲を超えるカメレオの楽曲の中から、メンバー2人が「カメコカメオが聴きたいであろう曲」を1曲ずつチョイス。どちらの曲を演奏するかを、会場にいるカメコカメオの声の大きさを測定して決めるというものなのだが、元々は2択だったものが、ツアーを経ていくうちに4択に増え、なんとこの日はメンバー5人全員が曲をセレクト。「ファミリー席がある=キッズもいる」ということで、ライヴ前日に5時間かけて作ったというダンボール製のミニオンズをかぶったKouichiによる司会進行の元、メンバーがひとりひとり曲を発表していく。Daisukeは「評論家的ダンスナンバー」、Takashiは「美容整形」、Takeshiは「世界史の先生」、HIKARU.は「君となう。」と、どれも客席から大きな歓声があがっていたが、Kouichiが選曲したのは、某国民的アイドルグループの代表曲(年内に解散を発表している方々の、ナンバーワンよりオンリーワンなやつです)。そして、「これは僕がひとりで歌います!」と宣言。盛り上がるカメコカメオ達とKouichiをメンバー4人が制止するも、「ええやんけ! このツアー中、ずっと司会やってたんだから今日ぐらい歌わせろや!」と、ブチギレるミニオンズことKouichi。結局、かなり渋々と「vs 劣等コンプレックス」を選んでいたが、客席からの「全部(聴きたい)!」という声に応えて、「会場の声が130デシベルを超えたら5曲すべてを演奏する」ということに。計測してみたところ、瞬殺で目標数値を突破(笑)。5曲をメドレー形式で披露し,カメコカメオを喜ばせていた(尚、某国民的アイドルグループの曲はイントロだけ流され、Kouichiが歌おうとした瞬間に音が止まるというオチがついていました)。
他にも、熊本公演でDaisukeがネットゲームで知り合った友人(20代男性)に会っていたという暴露話が飛び出すなど、矢継ぎ早に「やりすぎ演出」が飛び出していたが、今回のツアーを経て、彼らが確実に強くなったことがはっきりと伝わってきた。「The wondrous world」は、ダンスのキレが磨き上げられ、よりスタイリッシュなものとなり、5人ヴォーカルバージョンの「♂or♀」は、この日が初披露ながらも、すでに場慣れした感のある堂々としたパフォーマンスで魅了。また、ピエロやゴリラのマスクをかぶったダンサーが登場し、客席に大量の巨大バルーンが投入された「捏造ピエロ」といったキラーチューンはもちろん、原曲では浮遊感の心地よかった「頭の中の理想の風船」も、凄まじい熱量に満ちていて、バンドとしてかなり強くなってきていることを感じさせられる場面が、多々あった。そして、いつにも増して力強かった「幸あれっ!」を届けた後、「カメレオ維新」「バンザイ!」の掛け声で会場が一体となってジャンプをし、ライヴを締め括った……と思いきや、とどめの一発として「万歳\(・∀・)/Music!」を披露。最後の最後まで何が起こるかわからない、全身全霊のパフォーマンスを繰り広げていた。
「どんな状況でも、目の前にいるみんなを必ず笑顔にする、笑顔にできる強いバンドになるために、“変化”しながら、“進化”していく」。そんな想いをツアー初日に宣言していた彼らだったが、あの手この手で攻め立てていくこの日のステージは、まさにその想いを体現するものだったと思う。そしてなによりも、「何が飛び出すかわからないステージ」は、前述の通り彼らの真骨頂であり、カメレオの原点とも言えるはずだ。そんな大切な場所に立ち返った彼らは、このツアーを通して多くのものを感じ、想い、手にすることができたと思う。「これからも俺達がカメレオであるために維新し続けていくので、かっこいいカメレオの未来に期待しかしないでください」とHIKARU.がMCで話していたが、今回のツアーで大切なものを確実に手にした彼らの未来に、それこそ期待以外をするのが難しいライヴだった。
実りあるツアーを締め括ったカメレオは、次のライヴとして12月27日(火)には、日本武道館で開催される<MAVERICK DC GROUP 35th Anniversary JACK IN THE BOX 2016>への出演が決定。そして、来年の2017年1月14日(土)には<カメレオ5周年記念特番「めちゃ×5みなさんのおかげでした」>の開催が決定している。毎年1月にはバンドの結成記念イベントを行なっているカメレオだが、前年度に引き続き、5周年イベントも六本木ニコファーレにて開催。前回同様、ニコニコ生放送を使った企画が予定されている。前年度は、ライヴはもちろんのこと、お宝映像の大放出や身体を張った企画など、様々な演目が用意されていたが、はたして今回はどんなアニバーサリーイベントになるだろうか。現在、同イベントの各種チケットを、モバイルFC「カメレオマニア」と、バンドのオフィシャルサイトにて先行受付中。詳しくは彼らのオフィシャルホームページをご確認いただきたい。また、2月11日(土)はHIKARU.のバースデイライヴの開催も発表。こちらの詳細は後日発表されることになっているので、お見逃しなく。
文◎山口 哲生
撮影◎藤川正典
■MAVERICK DC GROUP 35th Anniversary JACK IN THE BOX 2016
OPEN 13:00 / START 14:00
【出演】シド / MUCC / ムド / シック
ユナイト / カメレオ / CLØWD / VALS
PARTY ZOO Ken with Naughty stars 20th&25th Celebration
PAUL(44MAGNUM) / JIMMY(44MAGNUM) / D'ERLANGER
MDC SUPER ALL STARS and more…
【チケット料金】前売¥7,500(全席指定・税込) / 当日¥8,500(全席指定・税込)※4歳以上有料
<チケット発売中!>
SOGO TOKYO オンラインチケット http://ur0.link/A5yT
チケットぴあ http://ur0.link/A5yZ 0570-02-9999(P:312-082)
ローソンチケット http://l-tike.com/search/?keyword=71459 0570-084-003(L:71459)
イープラス http://ur0.link/A5z8
楽天チケット https://goo.gl/LhUxR3
Yahoo!チケット https://goo.gl/Yhmc6E
[問]SOGO TOKYO 03-3405-9999
■ライヴ情報
2017年1月14日(土)六本木ニコファーレ
[1部] OPEN 15:00 / START 15:30 LIVE
[2部] OPEN 19:00 / START 19:30 トークLIVE
リアルチケット
[1部] ¥4,500(税込・スタンディング) ※4歳以上有料
[2部] ¥3,500(税込・全席指定) ※未就学児童入場不可
特典付きネットチケット
[1部] ※[1部]LIVEのみニコ生で有料放送
視聴+特典A(ラバーバンド) ¥1,000 <100名限定>
視聴+特典B(直筆サイン入りカレンダー) ¥2,500 <150名限定>
視聴+特典C(チェキ5枚セット) ¥5,500 <100名限定>
視聴+特典D(チェキ1枚) ¥1,500 <150名限定>
ネットチケット オフィシャルHP先着先行
受付期間:11/25(金)22:00~12/8(木)23:59
[問]ニコファーレ 03-3478-3750
<HIKARU. BIRTHDAY EVENT>
2017年2月11日(土)
詳細は近日発表!
◆カメレオ オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
この記事の関連情報
ユナイト、7都市9公演の自身主催イベントツアー<ZEAL LiNkun>を5月より開催
Jin-Machine、AllSなどからシンガーが集結、<ボーカル会Vol.3>開催決定
元カメレオDaisuke、ソロとして初のフルAL&ワンマンライブ
元カメレオHIKARU.(Vo)、ソロプロジェクト「L.A.LEMECCA」を発表
元カメレオTakeshiとギガマウスseiyaが新ユニット『GTB』結成
【ライヴレポート】ex.カメレオKouichiとギルド宏一の“Wコウイチ”が2部制イベントを開催
【ライヴレポート】ex.カメレオのKouichiとギルドの宏一、新プロジェクト初ライブ
元カメレオDaisuke、初のソロミュージックビデオを公開
元カメレオHIKARU.(Vo)とDaisuke(G)がアコースティックライブを開催