吉田山田、レア曲続出の＜仙台ミュージックカジノ＞にファン感涙

吉田山田が、＜吉田山田7周年記念7ヶ月7会場マンスリー企画「Over The Rainbowツアー」＞の仙台公演を11月23日（水・祝）に宮城・仙台Rensaで開催した。

◆吉田山田　画像

10月21日にデビュー7周年を迎えたことを記念して開催中の本ツアー。3公演目となるこの日のステージ上には、楽曲名が書かれた大きなルーレットが設置された。＜～仙台ミュージックカジノ～＞というタイトルにちなんで、抽選で選ばれた観客にルーレットを回してもらい、出目に書かれた楽曲を演奏、さらにルーレットを回したファンはステージ目の前に用意されたVIP席でその演奏を堪能できるという演出だ。これまで＜～福岡クレイジーワンダーパレス～＞ではライブペインティング、＜～大阪 Trick or Trick～＞では仮装ありのハロウィンライブと趣向を凝らした演出が披露されてきただけあり、この日の演出にも期待が高まる。

吉田山田とBU-NI（Key）がステージに登場し、歓声の中、山田義孝（Vo）がタンバリンを叩き始めるとすぐさま会場も手拍子で応じる。「ハロー！仙台！＜Over The Rainbowツアー＞！楽しむ準備はOK!?」「一曲目から飛ばしていくからついてきてね！よろしく！」とアップナンバー「押し出せ」からライブがスタート。“押し出せ 押し出せ ネガティブ押し出せ”のフレーズに合わせて会場中が腕を押し上げ、吉田結威（G/Vo）も「頭から押し出せー!!」と会場を煽る。続く「未来」でもその手拍子は止まらず、キーボードのイントロから「夏のペダル」へ。普段はアップテンポなこの楽曲もバラードにアレンジされ、8月20日に行われた＜吉田山田祭り2016＞を彷彿とさせるような演出に会場も固唾を呑む。



「＜「Over The Rainbowツアー」～仙台 ミュージックカジノ～＞へ皆さんようこそ！」という挨拶に続いて、ルーレットの演出の説明とともに、盤上に書かれたシングルのカップリング曲やアルバム曲、未音源化曲も含めたレアな楽曲群に触れながらエピソードが語られる。さらに、出目にある“JACKPOT”を引き当てるとルーレット上にある楽曲だけでなく、彼らの全レパートリーの中から希望の楽曲が披露されるということで会場からも歓声があがる。

まずは試しにと山田がルーレットを回すと矢印が止まったのは「春色バスと初恋ベンチ」。2ndアルバムの収録曲という貴重な楽曲に会場からは歓声があがるも、ステージ上では必死に譜面をめくる3人の姿が。しかし曲が始まってしまえばそんな素振りは一切見せず、歌い終わると少しはにかんだような顔を浮かべながら「2人で缶詰になりながら何日も帰れずに作ったよね」といったエピソードも飛び出した。

「僕らにとっては子供たちみたいなものなのでそれぞれ性格がありながらも全部好きなんです。だからルーレットでよかったなと。自分で選べと言われても選べないので」と曲への想いを語った吉田のルーレットは、デビュー前に吉田山田として最初に作った楽曲で、過去にライブ会場来場者へ特典CDとして配布されたのみの「サンシャイン」に止まる。ゆっくりと歌詞を紡ぐように歌われ、二人の始まりとも言える歌に会場も耳を傾ける。続いてBU-NIの回したルーレットで1stアルバム『と』に収録の「ダイジョーブ」が披露され、いよいよ観客参加型のルーレットコーナーへ。



吉田の呼び込みと共に登場した抽選BOXにはチケットの半券が入れられ、その番号を2人が読み上げる。最初に番号を呼ばれた女性は、6年前に行われたイベントで2人を知ったという根っからの吉田山田ファン。出て欲しい楽曲のリクエストは「ララバイ」という彼女の出目は8thシングル「魔法のような」のカップリング曲「明日がくるよ」で、歌唱後には吉田から特注のピックがプレゼントされるというサプライズも飛び出した。

続いて兵庫県から来たというファンが引き当てたのは、4thシングル「約束のマーチ」のカップリング曲「光」。二人も思わず「最後に歌ったのいつだっけ？」というほどのレアな楽曲のオンパレードに感嘆の声があがる。地元・宮城在住というファンはデビュー曲「ガムシャランナー」をリクエストするが、その出目はひとつ隣の「サンシャイン」に揺れ動き、カジノのようなスリルに会場も一緒に一喜一憂。同じ楽曲のため再挑戦すると、そこには本日初の“JACKPOT”の出目が。会場が興奮に包まれる中「ガムシャランナー」が披露され、観客は総立ちとなり拳を突き上げた。

札幌から来たというファンからはまたしても「ララバイ」がリクエストされるが、ルーレットの出目は「ララバイ」の一つ隣の「希望とキャンディ」へ。この展開に会場からブーイングが飛ぶも「出た曲が可哀想だろー！」という吉田のツッコミに笑いが湧き上がる。それならばと、この日だけの演出として「希望とキャンディ」は即興のバラードバージョンで披露された。最後に呼び込まれたのは仙台在住の女性ファンで、会場の想いも乗せて回した彼女の出目は再び“JACKPOT”へ。満を持しての「ララバイ」がリクエストされ、会場からは大歓声が送られる。「ララバイ」はこれまでライブのみで披露され、まだ音源はリリースされていないながらも人気が高い楽曲だ。ルーレットコーナーの締めくくりに選ばれたこの曲には、思わず涙を流すファンの姿も見られた。



「楽しんでいただけているでしょうか？」「ここからはルーレットじゃなくて届けたい曲をお届けしたいなと思います！」と、「てんてんてんて」からライブは後半戦へ。会場のボルテージは一気に上がり、「そろそろみんなの声を聴かせて欲しいんだけど、一緒に歌ってくれますか!?」と「ツボミ」で大合唱に。「サンキュー仙台！まだまだイケるよね!?」と「イッパツ」へなだれ込み、山田がタオル片手に煽ると、会場もタオルを回しながらそれに応える。声高らかに歌い、タオルを振り上げた会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

このライブの前日には東北地方で地震があり、その後に仙台入りした二人は「昨日仙台に来たんだけど正直不安でした。でも来てみたらいい笑顔を見られてホッとしました」と吐露する。「今年47都道府県をツアーで回ってきて、日本中に行ったことない場所がないんですよ。最近その意味がわかるようになってきて。こんな言い方をするとあれだけど、自分たちの魂を置いてきたことに気付きました。7年目、8年目の架け橋になるツアーですけど、まだまだ足りないところも沢山あって。でもここにいるあなたに最高の背中を見せて歩いていきたいなって思っています」と感謝と決意を述べ、「仙台で歌えることは僕らにとって改めて大事なことだと思います」とファンに訴えかけるように「約束のマーチ」で締めくくった。

会場からのアンコールに応えライブTシャツに着替えた二人が再びステージに登場すると、山田の歌い出しから新曲「RAIN」を披露。本編ではなかなか披露してこなかったレアな楽曲を届け、アンコールでは発売前の新曲を届けるという演出に会場からも喜びの拍手が起こる。続けて彼らの代表曲「日々」を弾き語りで届けると、再びルーレットコーナーへ。神奈川県から来たという女性が回した最後のルーレットでは、仙台も含め、過去に数回だけ披露されたという貴重な楽曲「泣き笑い」が出目に。これとない演出に会場から感嘆の声があがり、会場を巻き込んだ「魔法のような」の大合唱で仙台公演は幕を閉じた。

＜Over The Rainbowツアー＞は2017年3月まで毎月1公演ずつ、全公演異なるセットリスト、演出で行なわれる。次回は12月25日、ラブソングを主軸に届ける＜～渋谷ラブソングシネマ～＞が東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催される。続く2017年1月の愛知・愛知県芸術劇場公演は＜～名古屋ミステリアスマジックサーカス～＞と題したライブで、ZIP-FMでオンエア中のラジオドラマ企画『月9ドラマを作ろう』の主題歌が披露される。





◆吉田山田オフィシャルサイト