【ライブレポート】フラチナリズム「俺たちはもう止まれません」

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フラチナリズムが11月19日、東京・中野サンプラザにて<フラチナリズムワンマンライブ in 中野サンプラザ「満員になったら武道館」>を開催した。本公演はタイトルにあるとおり“満員にすること”が目標のひとつ。埋まるのか、埋まらないのか、その結末を確かめるべく会場に向かった。

◆フラチナリズム ライブ画像

2階に上がると、まず目に付いたのはロビーに設置されたキッズスペース。たくさんの子どもたちが大はしゃぎしていて、その周りでは保護者たちが様子を見守っている。これはクラウドファンディングで集めた資金によって設置されたもので、壁にはメンバーからのメッセージも掲示されていた。子どもを持つ親にとって、こういう気遣いをしてくれるアーティストって貴重なんだろうなあと思いながらホール内へ。

開演5分前になるとモリナオフミ(Vo&エンターテイナー)による影アナが入り、ライブ中の写真撮影OK(※ものまねコーナー以外)というサービス満点のアナウンス。18時4分暗転、真っ青な照明の中スポットライトを浴びたモリが「涙の雨がやむ頃に」をアカペラでしっとりと歌い始め、ライブが幕を開けた。ステージの足元にスモークの絨毯が広がり、まるで雲の上の景色のようでとても美しい。

続く「ひな壇芸人行進曲」のイントロとともにステージ後方の幕が上がり、大量の提灯と紅白幕が姿を見せた。この提灯もクラウドファンディングによって制作されたもので、一つひとつに協力者の名前が入っている。フラチナリズムを支えるたくさんの人々の愛が詰まった舞台セットを見たら、まだ2曲目だというのに思わず涙ぐんでしまった(「O★TO★KO」での下ネタの嵐に感動も吹き飛んだが)。

前半5曲をアップテンポなナンバーで駆け抜け、最初のMCでは「こうやってね、皆さまに支えられて、支援して頂いてこういう大舞台に立てています」とクラウドファンディングの成功やCDを発表することができる喜びについて、モリが感謝を述べる。そして「今日は少し肌寒いですが、ここだけ夏モードに変えていきたいと思います」という曲紹介から「抱きしめてWonderland」へ。「懐かしき友よ」はモリとサポートキーボードによる演奏から入ったが、都築聡二(Dr)のカウントをきっかけにバンド全体でパフォーマンス。ライブのラストかと錯覚してしまうほどの楽曲の壮大さとモリの美声に、会場全体が酔いしれていた。

ここで一旦全員がステージ袖に戻り、降りてきたスクリーンには「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」という文字が。ここからは、モリ率いる「モリちゃん軍団」と音楽アプリ・nanaの、うにー社長率いる「nana軍団」によるものまね対決コーナーだ。これは以前両者が歌の四番勝負を行ない、モリが圧勝、そのリベンジとして今回のライブに組み込まれたもの。モリちゃん軍団のメンバーはタレントのJOYや湊あかね(predia)ら、nana軍団のメンバーはアプリ内で募集したユーザーたちが参戦。五番勝負の結果、4対1でモリちゃん軍団が勝利を収め、うにー社長はフラチナリズムの最新シングル「涙の雨がやむ頃に/ズコ☆バコ」を300枚買い取り、nanaのCMにフラチナリズムを起用するという罰ゲームが課せられることとなった。

約1時間におよぶものまねコーナーを終え、メンバーは普通の衣装からハッピに着替えて登場し、各々の立ち位置へ。タケウチカズヒロ(B)が開口一番「チケット代の返金等は一切受け付けませんのでよろしくお願いします!」と堂々と言い切った姿は痛快すぎて、爆笑がわき起こった。それから、タケウチが「今日の感想を一言」と振ると「ありがとうございます!」(田村優太/G)、「いやーこれといって大きなトラブルもなく…ここからが後半戦なんでね、いくぞー!」(都築)とそれぞれコメントした。

モリがものまね衣装から着替えを終えて戻り、「アイアイアイラブユー」から後半戦がスタート。SPEED「Body&Soul」のカバーに続いて「大江戸ディスコ」ではモリが特大の扇子を、ファンも片手に扇子を持って曲に合わせて踊り、提灯も激しく点滅。和風のサウンドに電子音が重なり会場はきらびやかなディスコ空間にチェンジ。「ズコ☆バコ」では、同曲のミュージックビデオに出演していた中央大学フラッシュモブチームが客席からステージに突如乱入し、学生100人が圧巻のダンスを披露。そして「最後にカンパイしようぜー!!」とモリが叫び、ラストは「KAN&PAI ‐THE WORLD‐」。赤いカラーテープが宙に発射され、会場が一体となって振付をしてお祭り騒ぎに。楽曲の中盤で学生たちに囲まれて姿を消したモリは、(嫌な予感どおり)赤いふんどし一丁で飛び出して全力で歌い踊り、本編が終了した。


アンコールの「幸せのキセキ」では、会場がひとつになって大合唱。「最高の歌を、最高の時間を、最高の空間を、愛をありがとうございましたー!」というモリの締めの言葉でライブは大盛況の中幕を閉じた。と思ったら、スクリーンが降りて映像が流れ出す。そう、この日の集客数の発表だ。「有効座席数・1990人」に対し、会場に集まったのは「1993人」。フラチナリズムは見事目標を達成し、次なる目標として「日本武道館でのワンマンライブ」を掲げることとなった。

ちなみに日本武道館は2019年9月からおよそ1年間、東京オリンピックに向けた改修工事に入るそうで、「2019年 改修工事が先か フラチナリズムのワンマンライブが先か フラチナリズム 日本武道館への道」と題したプロジェクトとなるようだ。詳細は後日明らかとなる。

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俺たちはもう止まれません。
何でかって?
もう俺たちだけの
“フラチナリズム”
じゃないから。

日本武道館公演に向けて、
フラチナリズムメンバースタッフ一同、
身を粉にして躍進してまいります!!
そこに日本武道館がある限り。

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取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
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