【インタビュー】グッド・フィールな1970年代ロック、ソウルズ・オブ・タイド
ルーツ・ロックへ敬意を払い、グルーヴ感あるピュア・ロックを叩き出すバンドがアルバム『ジョイン・ザ・サーカス』で日本上陸を果たす。ノルウェイからのピュア70's ハード・ロック・バンド、ソウルズ・オブ・タイドだ。
「ザ・ドアーズ、初期ディープ・パープルやブラック・サバスがオレたちの教科書さ。ヘラコプターズやヒプノスなんかが好きなファンには聴いて欲しいね」──ヴェガー・ラーセン(ソウルズ・オブ・タイド/Vo)
2014年1月に本格的な活動をスタートさせ、セルフ・タイトルのEPを2014年8月にリリースしたソウルズ・オブ・タイドは、2015年10月からはノルウェイの森の中にあるスタジオへ入り、フル・デビュー・アルバムのレコーディングに突入、わずか一週間でレコーディングを完了させたという。彼らは「1970年代のクラシック・ロック・バンドが現代に存在したとしたら、どのようなサウンドを創り上げるのか?」を自問自答しながら作業に打ち込んでいった。
ソウルズ・オブ・タイドの6人のメンバーは、ロック/ポップ/サイケ/クラシック・ロック/メタル…と各人が異なるバックグラウンドを持ち、様々な要素が絡み合うことで独自の音を進化させてきた。バンドが解き放つ音楽は、キャッチーなコーラスとグルーヴ感あるグッド・フィールなロックが特徴的だ。
──バンド結成の経緯を教えて下さい。
Ole Kristian Ostby(G):2013年のニューイヤー・イヴにヴェガーの家で新しいバンドを結成しようという話になった。最初は3人だったけどすぐに「Faith」ができた。それから俺がギターで加入し、現在の6人が揃った。ソウルズ・オブ・タイドは1970年代のロックをなぞるのではなく、個々が好きな要素、モダンな要素も取り入れて包み込んだ音楽を目指しているんだ。オリジナリティー溢れる楽曲とサウンドと共にね。
──ソウルズ・オブ・タイドというバンド名はどのようにして付けたのですか?
Ole Kristian Ostby:バンド名より先に「Souls Of Tide」という曲ができたんだけど、それがバンド名にピッタリだと思ったから。その響きはミステリアスだし、1970年代のヴァイブを感じさせるだろ?
──アルバムのレコーディングは順調でしたか?
Ole Kristian Ostby:そのプロセスは決してハッピーなものとは言えなかった。でも作業が進むにつれてマジックと思えるような出来事もあった。ドラムの録りが終了した時点でパワフルなサウンドになると確信したよ。日々クリエイティヴになっていく感覚があったし、クラシック・バンドが今この時代でレコーディングしたらどんなサウンドを創り上げるのか?とイメージしながら音を形成したから、完成した音はグッド・フィールなロックで、パワフルなプレイとヴォーカル、そしてハモンドの響きが最高に効いているアルバムに仕上げることができた。全ての作業が完成したときは、地元でライヴとパーティーをやってお祝いしたよ。
──アートワークに描かれている亀とテントと月はどういう意味ですか?
Ole Kristian Ostby:月明かりの下で亀とテントを張るのが好きなのさ(笑)。カラフルで何かパンチのあるアートワークにしたかった。多くのレコードの中から、キミがこのレコードを手に取ってくれるようにね。出来栄えはオレたちらしいよね。
──このアルバムのセールス・ポイントは?
Ole Kristian Ostby:バンドを始めて以来、音楽的なアイディアをたくさん持ち続けてきた。そしてアルバムに収録された9曲はその中からピックアップされ、曲順も考え抜かれたベスト・オブ・ザ・ベストな楽曲なんだ。キャッチーなコーラス、威勢のよいギター・リフ、グルーヴィーなリズム、そして全体を彩るハモンド・オルガンにエッジーなヴォーカル。それら全体を包み込むのがソウルズ・オブ・タイドなんだよ。かっこいいから絶対に聴いて欲しい。耳の肥えたロック・ファンから若い人にもオススメだよ。仕上がりには自信を持っているし、バンドのことを見事に物語っているアルバムなんだ。
──クラシック・ロック、ルーツ・ロックの魅力はどういうところですか?
Ole Kristian Ostby:その時代を映し出す歌の力やダイナミックさだね。印象的でいいメロディと演奏とヴォーカル、その楽曲構成と全てがいい。それらヴァイブとクラシック・ロックはオレを惹きつける要素がいっぱいなんだ。
──あなたはどのような音楽に影響を受けたのですか?
Ole Kristian Ostby:いろいろなタイプの音楽に影響されたよ。アコースティック系やSSW系を聴く時もあればメタルも聴くからね。メタリカのカーク・ハメットのギターが、この道にオレを導いたと言っても過言ではない。メガデスやスラッシュ・メタルには特に影響を受けた。ギターのトーンが大好きなんだ。スティーヴ・ヴァイ、ダグ・アルドリッジ、デイヴィッド・ギルモア、ジェフ・ウォーターズ、アンガス・ヤングも大好き。とにかく自身のスタイルにこだわって、それを見つけることだね。
──バンドのメンバーを紹介してもらえますか?
Ole Kristian Ostby:ギターのAnders Langbergは、レッド・ツェッペリンザ・ドアーズ、ジェスロ・タルなどのクラシック・ロックからエクストリーム・メタルまで聴くギタリストで、ジャンルは関係なく、いかにいい音楽かが重要だと思っている。ボーカルのVegar Larsenはザ・ドアーズからメタルまで好きな存在感あるシンガーだ。彼はWYRUZというスラッシュ・バンドでギター&ヴォーカルとしても活動しているんだ。トゥイステッド・シスター『Stay Hungry』、メガデス『Rust In Peace』、DEATH『Leprosy』、メタリカ『Master of Puppets』が彼の愛聴盤だよベースのOyvind Stronen Johannesenはメタルから大きな影響を受けたベーシストで、アイアン・メイデン、メガデス、エクストリームから特に影響を受けている。元々ギタリストだった彼はロニー・ル・テクロ、スティーヴ・ヴァイ、イングヴェイが大好き。彼の夢はヘイルストームのリジー・ヘイルと結婚すること(笑)。彼女のヴォーカルにKOされたらしいよ。ドラムのTommy Kristiansenは、ブルース、アメリカーナ、ロックに影響されたプレイヤーで、ジョン・ボーナム、ミッチ・ミッチェル、イアン・ペイスが彼のアイドル。ハモンドを弾くKjetil Bankenは、ディープ・パープルのジョン・ロード命のキーボーディスト。レインボーやブラック・サバスとか1970年代のハードロックを愛しているヤツさ。
──では最後に、日本のロック・ファンにメッセージを。
Ole Kristian Ostby:オレたちのデビュー・アルバムを楽しんでくれ。みんなに会うことが待ちきれないよ。絶対日本で焼肉を食べて、日本酒とキリンのビールを飲むんだ。花見と祭りにも行きたい、ゲーム・ショーにも行きたい、AKB48とデートがしたい。もちろん日本でライヴをやることが目標だし、BABY METALとも一緒にステージに上がりたいよ。これからもヨロシクね!ありがとう。
ソウルズ・オブ・タイド『ジョイン・ザ・サーカス』
タイトル : 「Join The Circus」 / 「ジョイン・ザ・サーカス」
2016年9月21日発売
BKMY-1033 2,222円+税
※輸入盤日本仕様
1.She's Dead
2.Join The Circus
3.Once Again
4.Devils
5.Spray-Tan Magic
6.Easy Love
7.Faith
8.Calm Water
9.Prisoners
Produced by Endre Kirkesola
Line-up ;
・Vegar Larsen(vo)
・Anders Langberg(g)
・Ole Kristian Ostby(g)
・Oyvind Stronen Johannesen(b)
・Tommy Kristiansen(ds)
・Kjetil Banken(hammond)