【ライブレポート】SHADOWS、新曲満載でフロアを大沸騰
昨年11月に<ROCK-O-RAMA 2015>で有終の美を飾ったFACT。そのラスト・ライヴはメンバー全員がステージ上で大号泣する幕引きとなり、個人的にも忘れられない一夜となった。その模様はライヴDVD『002』(9月7日リリース)に収録されているので是非観てほしい。
◆<SHADOWS JAPAN TOUR 2016>画像
そして、元FACTのHiro(Vo)、Kazuki(G)、Takahiro(G)の3人が新たに立ち上げたバンドがSHADOWSだ。彼らは今年3月にライヴ・レコーディングEP『Extrance』、8月には2ndEP『Progress』と立て続けに発表。今回はバンド初のツアー<SHADOWS JAPAN TOUR 2016>を決行することになり、全12カ所に及ぶツアー初日が9月2日、恵比寿LIQUIDROOMよりスタートした。
トップは今年結成20周年を迎える山嵐が登場。7月に出たばかりの11thアルバム『RED ROCK』収録曲を連発する超攻撃モードで、ゴリゴリの重低音を放つ。それから今ツアーの全公演に帯同するCRYSTAL LAKEは縦横無尽に切り込むフットワーク抜群のメタルコアで熱く盛り上げ、最後のSHADOWSにバトンを繋ぐ。
下手にKazuki、上手にTakahiroと立ち、ベースとドラムはサポート・メンバーが務める形で、最後にHiroは両手を振り回しながら姿を現す。観客も遂に生SHADOWSのパフォーマンスを体感できるとあって、興奮を抑えられない様子だった。ド頭から切っ先鋭いショート・チューンで畳み掛け、フロアには早くもサークル・モッシュが勃発する騒ぎっぷり。それから強靭なバネのごときギターリフで迫る「Doubt」はサビの突き抜けっぷりも鮮やかで、観客をさらに焚き付けていく。「帰って来たぜ!」とHiroが声高に宣言すると、SHADOW始動を心から喜ぶ温かい声援が飛び交う。ライヴの内容自体はまだ2枚のEPしか発表してないため、持ち曲は圧倒的に少ない状況だ。しかし、2ndEPにも収録されたNIRVANAの「Tourette's」(3rdアルバム『IN UTERO』収録)を含む2曲のカヴァー・ソングや、彼らがもっとも得意とするメロディック・ハードコアの真髄を叩き付ける新曲なども投下され、楽曲を知る知らないに関わらず、汗まみれの熱気を作り上げていた。
また、Hiroはキャッチーなスクリーム/歌メロで魅了すると共に曲に対する思いを切々と語る場面もあり、以前と比べて観客と親身にコミュニケーションを図る様も印象的だった。加えて、スラッシーなリフをザクザク刻むKazuki&Takahiroの野獣コーラスも健在で、パンク/ハードコアの衝動満載で突っ走る。そこにグランジ/オルタナティヴのザラザラした質感も備え、壮大なサウンドで観客をねじ伏せる手腕は圧巻だった。
プリミティヴなロックの爆発力に、これまで培った経験値を全注入したSHADOWSサウンドは、このツアーでより一層研磨されることだろう。今後の成長と進化が楽しみで仕方がない、そう期待せずにはいられないツアー初日だった。
文:荒金良介
New EP『Progress』
<SHADOWS JAPAN TOUR 2016>
2016年09月03日(土)水戸LIGHT HOUSE
2016年09月04日(日)仙台MACANA
2016年09月10日(土)八王子RIPS
2016年09月23日(金)梅田Zeela
2016年09月24日(土)京都MUSE
2016年09月25日(日)神戸music zoo 太陽と虎
2016年10月05日(水)名古屋CLUB QUATTRO
2016年10月07日(金)広島SECOND CRUTCH
2016年10月09日(日)松山W STUDIO RED
2016年10月15日(土)大分T.O.P.S Bitts HALL
2016年10月16日(日)福岡CB
追加公演
2016年11月4日(金)渋谷TSUTAYA O-WEST
¥3,200(スタンディング)
※未就学児入場不可・ドリンク代別途必要
http://eplus.jp/shadows/
◆SHADOWSオフィシャルサイト
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