【インタビュー】リーチザスカイ、7/20アルバム発売。メンバーの個性がぶつかり合う魅惑のジャンルレスサウンド

ポスト

■歌をはじめた頃は下手くそで気持ち悪いとか挙動不審って言われていたんです
■雑音だって馬鹿にされてきていたのでそういうのを思い出して歌いました


――グループの名前が変わっても、三人でやることだけは変わらないんですね。活動も長いですが、1stフルアルバム『いつの日か見た空』に収録されている曲は、どういう基準で選んだり作ったりしたんですか?

Ichi-Naoto:ここに入っている10曲はライヴでよくやっている曲です。

――じゃあ、作った時代もバラバラなのかな。一番古いのは?

Ichi-Naoto:10曲目の「ハジメテ」ですね。このバンドを組む前に作ったんですけど、友達を待ってる時にいきなりこのメロディが流れてきて。録音していたわけじゃなかったのにずっと覚えていたんでねすよ。それがこの三人になってから形になったので、この三人で今やってるのは必然だったんだなって。

――ちなみに最新の曲は?

Ichi-Naoto:3曲目の「行こうよ」ですね。この曲を作った時は、よくわからない状況でしたね。大きな会場でライヴがあったんですけど、「かっこいい曲をやりたいな」って勝手に思っちゃってて、そういう曲を作ろうと思って書き始めたら一気にできて。書かされたというか。


――歌詞もうまいこと英語と日本語の韻を踏んでますよね。メロディも一回聴くとループする。

Shinya:これはいい歌詞ですよね。

Ray:俺もそう思う。

Ichi-Naoto:俺が書いたんじゃなくて、本当に書かされたって感じなんですよ。書き方的には「ホームラン」もそんな感じでした。

――「ホームラン」は、曲も短くて、疾走感のままに終わっていきますね。

Ichi-Naoto:浮かんできたときに、もうこれ以上書かないほうがいいんじゃないかって感じだったので短いままで。

――レコーディングは苦戦しました?

Shinya:僕にとっては苦戦も何も、全部が苦戦だったので。コードを調べたり、アルペジオを練習したり。それができたとしても、今の自分が弾けるようになったから良かったということでもなく、終わりがないなと思いました。これまでも、ライヴハウスで出会ったバンドの中で、自分よりも下手なギタリストに会ったことがないんですよ。そういう状況がずっと続いているので、自分が弾きたいように弾いたり、自分らしい弾き方が見つかるといいなぁと思いながら、模索した感じですね。今も模索中ですが。うまくなくても、「いいギターだね」って言われるものを弾きたいですよね。

Ray:ベースも試行錯誤しました。特に「行こうよ」とか「ホームラン」。自分がやっていたようなことにプラスして、この3人でやるならってことを考えたライン作りをしたつもりなんですけど。あとはバラードが僕は苦手なんですよ。「あの日の約束」や「ラブ~僕んちの犬」辺りは、その試行錯誤っぷりを聴いてもらえたらいいですね。

――ベースはテンポがゆっくりな曲だと、音と音の間が持つかどうかというのは難しいですよね。音と音の間に何を乗せるか。

Ray:そうなんです。溜めないといけないから。ただ、自分の思ったようには弾いたつもりです。

――Ichi-Naotoさん、歌はどうでしたか?

Ichi-Naoto:アルバムがやっと出せるってテンションが上がったのはもちろんですが、歌をはじめた頃はすごく下手くそで、気持ち悪いとか、挙動不審って言われていたんです。雑音だって馬鹿にされてきていたので、そういうのを思い出して歌いました。あと、父のことや、みんなと出会ってからのことも思い出しました。そうしたら、レコーディングがパッと終わっちゃったんですよ。気合いが入ってたからなのか(笑)。そんな感じのレコーディングでした。


――最初にヴォーカルグループだったことを考えると、収録された楽曲にコーラスが結構入っているのも納得しますし、ブログでIchi-Naotoくんが「歌詞が聞き取りやすいように歌っている」と書いていたことにも「なるほど」と思いました。

Ichi-Naoto:いろんな人の意見を取り入れるわけにはいかないと思うんですけど、聴いている側の意見って大事だと思うんです。音楽をやっている人はかっこいいものを追求していると思いますけど、聴いてる人って、そこばかりじゃないと思うんです。それに気づいて。「かっこいいけど、何言ってんのかわかんないよね?」って声をよく耳にしていたんですよ。そういう言葉を聞くたびに、「俺もそう思われてたらどうしよう?」って思うようになって。そこから、歌ったら自分で聴いて、ちゃんと聞こえてるか確かめるようになったんです。かっこ悪くなってもいいから、なるべく聞こえやすいように歌いたいなって思いました。

――ロックバンドだと思っていたら、一緒に歌えるようなミディアム調の楽曲もありますよね。「空」ではブルージーな曲なのかと思いきや、最終的には三人のコーラスが聴きどころになっていたり、音楽性としては一つに絞れないですね。

Ichi-Naoto:「Reach The Skyのジャンルはなんだ?」って聞かれた時に、正直、僕もわかってないところがあるんですよ。いいなと思ったものをそのまま作ったら、それが僕らの音楽になっていて。それを人が聴いてロックだと思ったらロックだし、ポップだと思ったら、ポップスなのかなって。

――説明しがたいから、「とにかく聴いてみてください」という一枚ですよね。これから何をするのかわからないから、ジャンルを決めつけることはできない。

Ichi-Naoto:それはありますね。

Ray:コーラスグループに戻ったりして(笑)。

Shinya:ははは(笑)。

Ichi-Naoto:ただ、今作は、バンドスタイルのアレンジにして良かったなと思っています。これが一番自分たちの理想に近い。この一枚を作ってみて、「これが俺たちなんだな」っていうのがわかりました。

Shinya:Ichi-Naotoさんの言う通り。僕も出来上がってみてそう思いました。客観的に自分たちを見てみようと思えたいいきっかけになった作品です。いろんな人に聴いてほしいと思います。

取材・文●大橋美貴子




『いつの日か見た空/Reach The Sky』

2016年7月20日(水)発売
TH-009 2,500円(税抜)
16Pブックレット仕様歌詞カード
01.一方通行
02.探しに行こう
03.行こうよ
04.ホームラン
05.空
06.あの日の約束
07.本当の笑顔
08.いいんだよ
09.ラブ~僕んちの犬
10.ハジメテ

→Amazon(全曲視聴付き)購入はコチラ
◆http://www.amazon.co.jp/dp/B01FTVOOF6

→タワレコオンライン(全曲視聴付き)購入はコチラ
◆http://tower.jp/item/4282515

ライブ・イベント情報

<LIVE INFORMATION>
7/29(金) 東京・WildSideTokyo
8/07(日) 東京・恵比寿リキッドルーム


◆インタビュー(1)へ戻る

この記事をポスト

この記事の関連情報