【イベントレポート】チキパ、一旦ラストの単独イベント。そして9人は約束の日を目指す

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「真凜」と「真梨耶」のコールが起こるアンコール。「真凜」の“ん”が言い難かったのか、途中から「山本」と「鈴木」にコールチェンジしていったアンコール。そして、流れてくる「faith」のイントロ。「場所は違えど、真凜、真梨耶、そして日本に残る7人も、チキパみんなで成長して帰ってきたいと思います。」と関根優那が挨拶して、永井日菜がありったけの想いを乗せて最初のフレーズを歌い上げる。泣きそうになる誰かに、誰かがアイコンタクトで笑いかける。視線を交差させながら、歌で未来を紡いでいく彼女たち。それは<いつだって君だけの味方 / それはちゃんとここにいる>と語っているかのようでもある。

そして(母親からの手紙とパクチーの強烈な風味を除いて)昂ぶる感情を表に出すことなく、ここまでしっかりと歌を届け続けてきた山本真凜のボーカルが、未来への約束を確かなものとして感じさせるのだった。

「一個目のメンバーの企画は、これが壮行会なんかって思ったくらい、ちょっとひどい仕上がりになってたんですけど、でも、ちょっと面白いチキパらしいところもあったし、サプライズの親からの手紙とか、みなさんで一緒に「HAPPY DAYS」歌ってくれたりとか、言葉で言い表せないくらい大きなパワーをいただいたと思うので、このパワーをもって、ロスでも留学頑張りたいなと思いますので、みなさん、これからも応援してください。お願いします。そしてチキパには、ちょっとの間7人になるけど、任せたから。ふたりが帰ってきた時に「ちょっとなんか、今、日本でチキパヤバい……。」みたいな言ったら、ホンマにシバくから。マジで。ホンマに。頑張ってよ。だからみなさん、ちょっとの間、ふたりもLAで全力で頑張ってきますので、日本の7人、任せましたので、応援してください。よろしくお願いします。」── 山本真凜

「やっぱり、すごい今日やってみて、いっつもやるにつれて、どんどんファンの人のこと好きになりますし、メンバーのことも大好きになっちゃうし、どうしようって感じはあるんですけど、こんないいことされて、私たち、いいことされたのに、何にも変わってなかったら、それこそみんな「あらららら……」ってなるでしょ? だから、絶対成長してきたいと思いますし、メンバーからもらったアルバムも、ファンの方から今までもらったもの(手紙とかアルバム)とかも、大事に、辛い時には見て、LAでは一生懸命頑張って、2年後会う時には、もう目が飛び出ちゃうくらいにね、まりたちが成長してくるので、みなさん楽しみに。だから、みなさんと笑顔で再会したいので、笑顔で再会するためには、この7人をみなさんが支えて、みなさんのことは7人に任せたからね。みなさん、2年後、また再会しましょう。ありがとうございました。」── 鈴木真梨耶

壮行会のラストの曲として選ばれたのは、ファンと一緒に作り上げた、チキパにとっても、ファンにとっても、そして何より鈴木真梨耶にとって一番大切な1曲。ステージ中央、真梨耶と友梨耶が向かい合い、真梨耶の背中越しに、友梨耶が笑う。そして近くにいた永井日菜や溝呂木世蘭らメンバーも、真梨耶の顔を見て笑う。

9人だけで行なうイベントのラストに、誰もが認める“真梨耶の歌”である「Together」。6月25日、チキパにとって現体制国内最後のステージがどのような構成になるかは定かではなく、もしかしたら、これが彼女の好きな“大好きとありがとう(Love&Thank you)の気持ち”を歌でファンに直接届けることができる最後のタイミングになるかもしれない。「まりの大好きな曲、してないの! 最後、めっちゃめちゃ笑っていきましょう!」と、タイトルコールをした真梨耶が、おねーちゃんと向き合った時、一体、どんな顔をしていたか。それは想像に難くない。

時に、この一番小生意気で攻撃的、強がりのくせによく泣くグループ最年少・鈴木真梨耶は、言うまでもなく友梨耶の妹である。しかしそれと同時に、きっとチキパのメンバー、みんなにとっても彼女は妹なのだろう。

そんな真梨耶が、真凜とともに自分たちの元から巣立ち、LAへと旅立つ。それは2年後、チキパのために、今よりもっと力をつけて帰ってくるという約束を果たすため。ファンの人たちを信じ、絆を信じ、何より“お姉ちゃんたち”を信じて、16歳の彼女が必死に考えて、そして自ら下した決断。

だからこそ、国内に残る7人と我々は、是が非でも、何としても、このCheeky Paradeというグループを守り抜かなければならない。

それが、それこそが、未来のために大き過ぎるほどの期待と覚悟を背負い、異国の地で強くなることを決めた“妹”に対する使命であり、責務なのである。

「私たちはもう、前を向いてしっかりと歩んでいきたいと思っていますし、ふたりもLAに行くという大きな決断をして強く前を進んでいる。その姿を見て、私たちも心を動かされる部分も今までたくさんありました。ふたりがLAで成長してくるように、私たちも負けないように、しっかりとチキパを大きくして、ふたりのことを待っていたいなと思っています。そのためにも、みなさんの応援が必ず必要なので、これからも変わらず、Cheeky Paradeを温かく応援していただけたら本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします。」── 関根優那

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予定していたすべての楽曲を歌い終えて、壮行会は終了。いつもの挨拶をいつものように9人で行なうと、イベント中に号泣していたメンバーはもちろん、この日、(泣くと歌が下手になると真梨耶に言われるから)泣かないと決めていた友梨耶からも堰を切ったように涙が溢れてくる。

ステージには、留学組のふたりが残される。スポットライトを浴びた山本真凜と鈴木真梨耶は、あらためて感謝と決意を口にする。そして、LA留学に向け、ファンからの歓声という後押しを受けてステージを後にした。

「みなさん、今日は本当に本当に、ありがとうございました。私たちはLAに行って頑張ってきますので、これからもCheeky Paradeのこと、よろしくお願いします。以上、Cheeky Paradeの山本真凜と鈴木真梨耶でした!」

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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