【インタビュー】ラウドでグルーヴィー、ド迫力のHR女性ボーカル、ナイトロヴィル上陸
ラウド&エキサイティングでグルーヴィーなハードロックを聴かせるナイトロヴィルが、4月20日に2ndアルバム『チーティング・ザ・ハングマン』で日本上陸を果たす。人々を圧倒するド迫力の女性シンガー、トーラがフロントを務めるロンドン在住のロック・バンドだ。
◆ナイトロヴィル画像
2010年夏、トーラとギターのカートがセッションを行い、楽曲制作をスタートさせたことから、ロックでワイルドな音を標榜したNITROVILLE(ナイトロヴィル)が誕生したという。翌年にはデビュー・アルバム『Can't Stop What's Comin'』が発表されたが、低予算で制作されたアルバムながら、Classic RockやFireworks等の音楽誌でそのパワフルなヴォーカルが評価され、2012年にはドイツ、イギリスをツアーで廻りフェスにも出演、その後もライヴを中心とした活動で各地を巡業していった。
ライヴで培った経験をもとに、よりヘヴィで楽曲に重きを置いた作風を目指し、クールなリフ、キャッチーなメロ、グルーヴィなリズムと力強いヴォーカルが満ち溢れた2ndアルバム『チーティング・ザ・ハングマン』が誕生することとなる。トーラの圧倒的なヴォーカルとルーツ・ロックを土台にしたラウドなHRが持ち味だ。ハード・ロック版アン・ウィルソン(HEART)との異名を持つ彼女の歌は、往年のハードロック好きの琴線を激しく揺さぶることだろう。
──ついにニュー・アルバムが完成しましたね。
カート・マイケル・ボエック(G):予想以上に時間がかかった。長かったよ。でもその結果には満足しているし、ハッピーさ。元ソニーのエンジニア、ジェイソン・ウィルソンがいい仕事をしてくれた。オーセンティックなヘヴィ・ロック・サウンドを創り上げたかったから、アナログのディスクでレコーディングとミックスを行い、それをデジタル機器で多少味付けをした。スラッシュやFOO FIGHTERSも同じ手法で素晴しいサウンドをクリエイトしているよね?2012年にシングルをリリースしたときにボブ・マーレットがプロデュースを担当してくれた。彼はブラック・ストーン・チェリー、レーナード・スキナード、ロブ・ゾンビーなんかをプロデュースしてきた人物だけど、彼がトーラの歌の大ファンなんだよ。この時の経験が2ndアルバムのテンプレートとなったからとても役立った。
──楽曲はどのようにして作られるのですか?
カート・マイケル・ボエック:トーラが歌詞を書き、オレが曲を作る。そしてアレンジさ。トーラがほとんどのヴォーカル・メロディを付け、オレがリフとコードを考える。原型が完成するとそれをバンドに渡してから完成型へと仕上げていくんだ。
──ニュー・アルバム『チーティング・ザ・ハングマン』のセールス・ポイントはどこだと思いますか?
カート・マイケル・ボエック:どうだろう…アルバムを聴いた人が感じてもらえればいいと思う。でも言えることは、オレのギターの音を掻き消す声…そう、トーラの信じられないほどの力強い声はポイントだね。今回は楽曲の精度も上がった。より強く、ポエティックでゆったりとしたイメージもある。フリーウェイをドライヴするときはこのアルバムを聴くべきだ(笑)。このアルバムではエフェクターやペダル類に頼っていないギター・サウンド…マーシャル直結さ。だからピュアで抜けのいいサウンドになっていると思う。
──ナイトロヴィルのバンド結成の経緯を教えて下さい。
カート・マイケル・ボエック:2010年7月3日にロンドンで始動したんだ。オレとトーラとでね。まずはトーラが歌詞とメロディを創った2曲をセッションして、楽曲を発展させていった。この時点でケミストリーを感じたんだ。そして1stアルバムをリリースした。正直あまりいいプロダクションとは言えない作品だったけど、各プレスでとてもいい反応を得ることができた。ラジオでもオンエアされたよ。これは予想外だったし励みになった。そして2ndアルバムを発売する運びになったというわけさ。
──バンド名の由来は?
カート・マイケル・ボエック:オレたちの音で爆発するようなイメージを表現したかった。それがNITROだと考えた。ヘヴィ・ロックン・ロール・バンドだし、メタル・ファンとラウドなライヴで繋がるわけだから、人々をそのようないい場所へ連れて行きたいという意味からVILLE(場所、町)を加えたんだ。
──みなさんはどんな音楽に影響を受けてきたのですか?
トーラ・ラモント(Vo):アン・ウィルソン(HEART)、ジャニス・ジョプリン、スティーヴィー・ニックス、スキン(SKUNK ANANSIE)。色々なジャンルを聴いてきたけど、ブラック・サバス、エアロスミス、ガンズアンドローゼス、レッド・ツェッペリンなどのヘヴィ・ロックが好きよ。歌のレッスンを受けたことはないけど、彼らが先生だったわ。一音一音、何度も何度も注意深く聴いていたことがいい勉強になった。本を多く読み、多くの映画を観た事が、歌詞を書く上でいいインスピレーションになったと思うわ。
カート・マイケル・ボエック:リッチー・ブラックモアとビリー・ギボンズが好きなギタリスト。十代の頃はザ・ローリング・ストーンズ、レーナード・スキナード、ステッペン・ウルフ、ブラック・サバス、レッド・ツェッペリン、ジューダス・プリースト、モーターヘッドを聴いてはコピーしていた。ブルーグラスやケルティック・フォークなんかも練習していたな。ベースのスティーヴ・パーソンズ(B)は、彼の兄がアイアン・メイデンのオリジナル・ギタリスト、トニー・パーソンズなんだ。スティーヴは2015年にナイトロヴィルへ加入した。UFO、メガデス、エクストリーム、ザ・ワイナリー・ドッグス、MR.BIGに影響を受けているよ。
クライオ・ズジ(Dr):ブラック・サバスと70年代ハード・ロックさ。
──アルバム・タイトル『チーティング・ザ・ハングマン』はどういう意味ですか?
カート・マイケル・ボエック:この質問は聞かれたことがなかったから感謝するよ。Cheating The Hangmanとは生命を称賛したとてもポジティヴなメッセージなんだ。KillとかDeathとかダークで悪魔を崇拝するようなものとは一線を画している。ロックとは楽しくて、みんなに平等な権限を与えるべきものだと思うからね。人生はあまりに短いから、オレたちはそれを最大限に伝える…これが本当の意味さ。
──日本での活躍も期待しています。
カート・マイケル・ボエック:日本の文化は素晴しいよね。このアルバムには日本のあるものが収録されているんだ。以前東京を訪れたときに、今ではお気に入りの1本となっているグレコの1959/1960年モデルのレス・ポール・タイプを購入した。ギブソンのレス・ポールよりも気に入っている。今回のレコーディングでは東京の大きなギター・ショップで買った日本製グレコを使っているんだよ。どのパートかわかるかな?今度日本に行ったときはグレコのギターと一緒にステージに立てることを楽しみにしているよ。
ナイトロヴィル『チーティング・ザ・ハングマン』
BKMY-1019 2,222円(税抜価格)+ 税
※輸入盤日本仕様
1.Motorocker
2.Louisiana Bone
3.Spitfire
4.Cheating The Hangman
5.Apophis 2029
6.Let It Roll
7.Dead Man's Hand
8.Trophy Hunter(Can't Stop What's Coming)
9.Ransom Game
10.Take A Stand
11.Danger Zone
Produced by Jason Wilson and KM Boeck
Line-up ;
■Tola Lamont(vo)
■Kurt Michael Boeck(g)
■Steve Parsons(b)
■Cyro Zuzi(ds)