福山雅治、NHK『SONGLINE』で国境・民族超えたセッション「ギターやってて良かった」

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NHK総合にてドキュメンタリー番組『福山雅治 SONGLINE ~歌い継ぐ者たち~』が3月25日の22:00から放送される。これに伴った報道向け番組取材会が3月22日に開かれ、福山雅治が会に出席した。

◆福山雅治 画像

この番組は昨年デビュー25周年を迎えた福山が、“音楽の源流”を世界各地に尋ねるドキュメンタリー番組。全編4K撮影の上、複数年にわたる大型企画として放送される。第1回の放送では「人はなぜ歌うのか?」をテーマに、福山が2つの民族を訪問。オーストラリア北部のアーネムランドではアボリジニのヨルング族を、中国南西部・貴州省では少数民族のトン族との交流が実現した。


取材会に登場した福山は、番組収録時のエピソードとしてオーストラリアのヨルング族を訪れた際、宿泊場所近くの海岸で鮮明なクロコダイル・トラック(ワニの足跡)を発見したことを報告。「朝晩ワニがしょっちゅう上がってくる場所だそうで。そんなに近くにいるとは聞いてなかったんですね。すぐ近くの2メートルぐらい土手になっているところにテントを立てて泊まるということで、わりとすぐ帰らせていただきたいなと(笑)。「土手のところには上がってきませんから!」と言われたんですが、ワニって意外と歩けるという映像を(NHKスペシャル・福山出演の)『ホットスポット』という番組で見て知ってしまっているので……」と、音楽以外にも自然の力に触れた様子を語った。

また、中国のトン族を訪れたときには「献杯の歌」という歓迎の民謡とともに、現地の少女たちから次々に強い酒を飲まされたという。これも「嬉しいハプニングでした」と語った福山。独自の言葉を持たず歌で語り継ぐという現地の文化には、「言葉にならない思い、言葉よりもっと伝えたい思いっていうのが歌になって伝わっていくっていうのが何処でもそうなんだなって思って、すごく共感できました」と、アーティストとしての感覚も交えた言葉が出る。

今回の番組制作にあたっては、福山が同じSONGSスペシャルで2014年に携わった『POPSの遺伝子』でアジア各国のポップアーティスト達と交流したこともきっかけとなっている。アジアのPOPSルーツから今回の『SONGLINE』ではさらに世界へアンテナを伸ばし、“POPSになる前の、文化が混ざり合う前の音楽”に迫ることになった。

「いわゆる商業音楽とは違う音楽があるじゃないですか。プロで活動させていただいて昨年25周年を迎えたんですけど、その時に、それは“お金が発生しない音楽”から始まったはずで、世界には“全くビジネスではない音楽”が存在しているのではないかと思ったんです。それで『SONGLINE』(歌い継ぐ文化)という言葉に非常に興味を持ちました。忘れてはいないし大切にしているつもりなんだけど、自分が音楽に対する接し方や初期衝動といったものをもう一度探りたくて、確かめたくてアボリジニに会いに行った、というのが今回の企画の始まりだったと思います」── 福山雅治


今回の旅で自身のルーツは再発見できたか?という記者の質問に、福山は「再発見、できたと思います」とコメント。自宅では歌わないそうだが、飲み会の場などにギターがあれば歌うこともあるという。番組内で2つの民族を訪ねた際にもギターを持参した福山は、それぞれの場所で現地の住人とともにギターで即興セッションを実現させた。「ギターやってて良かったなと思ったんです。自分のことが知られていない場所でも、ギターセッションだと言葉はいらないし、何らかのアプローチができるんだなって。セッションした後は向こうもリラックスして迎えてくれる」と福山。番組での体験を通し、今後のアーティスト活動においても「シンプルだけど皆で一つになれる曲だとか、そういうのを作りたい」と充実した様子を見せた。

本番組は上海メディアグループ、SMG Yunji Mediaとの国際共同制作を通じて、日本だけでなく中国でも放送される。また、番組の第2回は2016年夏に放送予定。リオデジャネイロでのオリンピック、パラリンピックを前にブラジル音楽のルーツに迫る内容を紹介する。

SONGSスペシャル『福山雅治 SONGLINE~歌い継ぐ者たち~』番組概要

第1回 人はなぜ歌うのか?
放送予定:
3月25日(金)夜 10時~ 10時59分
NHK総合
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