【ライブレポート】HOWL BE QUIET、メジャーデビュー前夜。「みんなの大本命になりたいんです」

ピアノロックバンド「HOWL BE QUIET」(読み：ハウルビークワイエット)がメジャーデビュー前夜となった3月8日、＜チャンス到来TOUR～決戦前夜編～＞と称したワンマンライブを渋谷クラブクアトロにて開催した。

◆HOWL BE QUIET 映像

昨年11月にメジャーデビュー決定を発表して以降、期待の新人としてメジャーデビュー曲「MONSTER WORLD」が全国のラジオ44局でパワープレイされるなど注目を集めてきたHOWL BE QUIET。メジャーデビューシングルのリリース前夜となったこの日、会場はキッズのように目を輝かせたファンらと多数の関係者らで満員となった。

メンバーが前日に制作したというカラフルなステージセットに竹縄航太(Vo)らが立ち、一曲目「From Birdcage」から竹縄、黒木健志（G）、橋本佳紀（Ba）らがフロントでオーディエンスと共に跳ね回る。MCで竹縄が「チャンス到来TOURへようこそ！　今日は今までの僕達とこれからの僕達を繋ぐ大事な一夜であります」と宣言し、まずは“今まで”の人気曲を提示するように2013年発売のアルバム『DECEMBER』からエバーグリーンなチューン「クローバー」、そしてピアノならではの繊細な構成で聴かせる「Merry」「バトルナイフ」と3曲が披露された。

この日のライブでは映像収録のためのカメラも入っていたのだが、ここでMCに入った竹縄がドラムの岩野亨に対し、（竹縄が好きな部分と語る）「クローバー」の無言の溜めからの歌いだしで「何をしてましたか？」と確認モードに。実際に４人で該当パートを再現してみたところで、竹縄の歌いだしに岩野の「エーイ！」という景気の良すぎる掛け声が思い切りかぶさり会場が爆笑に包まれる。MCのおいしいところを持っていく岩野に竹縄からも「今ずるかったよね」というツッコミが飛び出しつつ、ライブは後半戦へ。

メジャーデビューのために作られたシングルではPOP色の濃い楽曲が中心になっているものの、彼らの場合はインディーズ時代に発表してきたロックナンバーやピアノ中心のバラードなど、幅広い楽曲表現がその基盤を支える。ランプの光を灯しながら心震わせるように歌い上げられる「A.I.」を経て、「ライブオアライブ」では「行けるなクアトロ！」という竹縄の煽りからオーディエンスの高らかなシンガロングで会場を一つにまとめあげ、メジャーデビューシングル収録の「Daily Darling」ではポップさの中に贅沢さを感じさせるメロディに合わせて竹縄が軽やかにステップをきった。

終盤3曲はメジャーデビューシングルからの出典で固めたセットリスト。「レジスタンス」で再び高らかなシンガロングを響き渡らせ、本編ラストは明日の彼らのメジャーデビューを飾る表題曲「MONSTER WORLD」、サビの歌詞である「チャンス到来　そして、その身は何を待ってんだ」というフレーズが一番輝く夜を締めくくった。

さらに、アンコールでは突如面白いサプライズも。竹縄航太と黒木健志がブルーのラメスーツに身を包み、アイドルユニット「タッケー＆剣士」として登場。アイドルソングを絶賛しながらSMAPの「オレンジ」をカバーして会場からの黄色い声を一身に浴びた。さらにHOWL BE QUIETとして4人で再登場したのちには一人一人がメジャーデビューへの意気込みを表明。「孤独の発明」を披露し、この日のライブを終えた。

■メンバーコメント

「初めて真面目に話すかもしれませんがね、僕は竹縄航太という人が大好きなんですよ。本当に。高校の頃からね。タケちゃんの歌を信じて、僕はずっとこれからも音楽をやっていこうと思いますんで、みんな僕と一緒にタケちゃんについていきましょうよ。よろしくお願いします！」──岩野亨

「デビューの前日は、さっきも言ってたね一日しかないってこと（笑）。いや本当に楽しいです。ありがとうございます。次ライブやった時にはまた一緒に遊びましょう。これからもよろしくお願いします」──橋本佳紀

「（アンコール出演の「タッケー＆剣士」にかけて）この際だから言いますけど、僕らアイドルって言葉を発してるわけじゃないですか。もうみんなに好きなアーティスト、HOWL BE QUIETだけですって言ってほしいんです。それは僕らのエゴなんですけど。僕らは変わり続けることがエンターテインメントだって思っているから、これからも、変わるけど変わらないHOWL BE QUIETをどうぞよろしくお願いします」──黒木健志

「みんなも言ってくれたけど、ほんとにみんなの大本命になりたいんです。あなたの一番になりたくてこういう表現をしてるし、あなたの一番になりたくて今日ここに立っています。でもそのことを全部通過した上でみんなに曲を聴いてもらったりだとかミュージックビデオを見てもらったりだとか、そういうことを経て今ここへ来てくれたみんなが、とてもとても愛しいです。本当にどうもありがとうございます。これからもよろしくね」──竹縄航太

写真撮影：ヤオタケシ