沖縄の自然のサウンドが、リアルなDSD音源に

生々しいアナログのリアアリティをそのまま再現してくれるDSDフォーマットの特性を活かし、音楽ではなく自然音／環境音を最高品質で閉じ込めた音源がリリースされた。DSD専門自主レーベルOnebitious Recordsによるプロジェクト「mora Earth」だ。

「mora Earth」は、心癒される美しい自然音や脈々と受け継がれる伝統音楽などの後世に残すべき「文化的遺産＝音遺産」をDSDフォーマットでラインナップするというプロジェクトで、今回発売されたのは、第1弾となる『Island Illusions vol.1 おきなわ音紀行 慶良間諸島編』だ。

離島の自然音・波音・伝統儀式の貴重な音源をあますところなく閉じ込めたもので、今作では「沖縄県慶良間諸島」の美しい自然音が瑞々しくたっぷりと封印されている。

「ケラマ・ブルー」として世界中のダイバーに愛される美しい海を持つ慶良間諸島は、2014年に慶良間諸島国立公園に指定された沖縄屈指の景観を誇る島々で、沖縄本島生まれの人々すら信じられないと息を呑むほどのサンゴ豊かなマリンブルーの海が広がる場所だ。ウミガメや天然記念物ケラマジカ、冬季にこの海域を訪れるザトウクジラなどに代表される豊かな自然も、慶良間諸島の大きな魅力となっている。そんな慶良間の主な有人島、座間味島、阿嘉島、慶留間島、渡嘉敷島の美しいホワイトサンドビーチでDSD収録した多彩な波の音を中心に、小鳥のさえずりや珍しいケラマジカの声、子どもたちのエイサー練習、さらに古座間味ビーチでライヴ収録した沖縄各地の民謡が生々しく響きわたる。「目をつぶればもうそこは…」と使い古された表現も、この音を聴けばあながち嘘じゃないことがお分かりいただけるのではないか。押しては引く砂浜の波の音は、心のデトックス効果もたっぷりと期待できそうだ。


音源は、ソニーPCM-D100でDSDレコーディングされ、SonomaシステムによるDSDマスタリングという全工程がDSD2.8MHzで実施している。なお、Onebitious Recordsは、従来の圧縮音源では十分に伝えきれなかった楽器や声の生々しさや艶、レコーディングの現場の空気感やライブなどのディテールに触れることで、音楽をより感動的に体感できるハイレゾ音源の普及を後押しするべくレーベルゲートが立ち上げたレーベルである。