【インタビュー】山崎あおい「“変わったいまの方がよかったよね”って言われるくらいどんどん変わっていかなきゃ」
■自分のことを書いた曲って思春期っぽさがあったと思うんです
■今回は大人になっているので大人の悩みになったかなという感じ
――「線香花火」は山崎あおいの王道ですね。
山崎:ですね。この曲は珍しく鍵盤で書いたんです。鍵盤だとベースが下がっていくコードとか作りやすいんです。
――王道なのに、作り方はいつもと違うんですね。
山崎:そうなんです。
――最初から聴いていると恋の曲を集めたのかなぁと思いきや、「PM6:00」(ごごろくじ)からの後半は、自分と向き合っているような楽曲があったり、「ふたりぼっち」では誰かへのエールが歌われていて、少し流れが変わりますね。
山崎:全体的には恋のアルバムっていう感じになっているんですけど、人生はそれだけではないので。どのアルバムでもそうですけど、1曲は必ず、この一年で感じたことを曲にするようにしているんです。今までのこういうタイプの曲っていうか……自分のことを書いた曲って、思春期っぽさがあったと思うんです。それはそれで自分の中では気に入っている部分でもあるんですけど、今回の曲は、どの曲でも大人になっているので。こういう曲を書いても大人の悩みになったかなという感じがします。
――最後、「どうして笑えないんだろうな」って、まだ悩んだまま終わっていますものね。
山崎:そうなんです。6時っていう時間は、“一人”ということを一番感じる時間らしいんですよ。夕飯を作る匂いが漂ってきたりして。夕方、一人で住宅街を歩くとすごく孤独を感じるんです。自分には帰ったら、迎えてくれる実家もありますけど、一人暮らしが長くなってくると、そこにはもう戻れない感がどんどん強くなってくるんです。自分がいつか親として家庭を持っても、子どもとして家庭にいることはないから、もう家で夕食が待っていることはないのか……と思うんです。
――実家を離れて長くなると、帰っても実家なのに他人の家のように感じてしまうものだよね。「ふたりぼっち」にもすごく共感しました。誰にも何も話さず、ひとりで頑張っちゃう人って多いから、そういう人にはぜひ聴いてほしい曲ですね。
山崎:私の友達とか、身の回りの人や自分に当てた曲なんです。私は不器用な人って大好きなんですけど、そういう人って多いと思って。ある人は「私頑張ります!」って言って、いろんな人を巻き込んで何かを成し遂げたりしている。それはそれですごいなと思うんですが、本当に頑張っているのに、みんなの前では「頑張ります!」っていう一言が言えず、深夜の電車で「頑張らなくちゃ」って一人でつぶやいているような人もいるんです。そういう人に対して自分が何をしてあげられるのかなって考えるのもナンセンスだから、自分に対してこういう曲があったらいいなぁという気持ちで描きました。
――それですごくリアルなんですね。リアルと言えば「ナンパボーイ」もリアルですね。
山崎:実体験です。普段、あまりナンパされないんですけど、渋谷でナンパをされて、その後、めちゃくちゃ機嫌が悪くて、ディレクターさんに話したんですよ。「それ曲にしなよ」って言われて「その方法があったか!」と(笑)。
――前半はキュンキュンして、中盤のしんみりゾーンを怒りのエネルギーに変える曲ですよね。その後、キラキラしている「ギフト」へつなぐ、フックでもあって。「ギフト」はクリスマスソングで「さくら、さくら」は卒業ソングで、最後は季節の移り変わりもありますね。
山崎:はい。「さくら、さくら」は最後にどうしても入れたくて。2016年は大学を卒業する年なので。私自身はみんなとは卒業が半年遅れてしまうんですけど、周りの人たちが卒業するので、卒業気分は味わっているんです。そこをちゃんとこのタイミングで残しておきたいと思って。自分の中でも節目の大事な曲ですね。
――札幌から東京に出てきた時の思いも歌詞には入っていますね。
山崎:1行目は完全に札幌目線ですね。もう私の中で、学校を卒業するという経験はないから残しておきたいと思って。
――前半の恋愛ゾーンにしろ、後半の内省的なゾーンにしろ、奥深さが増していますね。進化を感じる。
山崎:本当はもっと早くみなさんに届けたかったんです。いつも5曲くらいを同時進行で書いて、完成するのが3曲っていう感じなんですよ。
――すごい多作ですね。苦しまないの?
山崎:苦しみますよ。
――でも、どちらかというと、自分が作りたい!という気持ちのほうが強いんじゃないですか?追いかけられるよりも追いかけている方というか。
山崎:制作中は追いかけられたこともありましたけど、追いかけるところもありますね。すごく苦しくて、「もう嫌だ!これが終わったらしばらく曲は書かない」っていうこともあるんですけど、完成した音源をスタジオで聴くと「やっぱりいいのできたなぁ」っていう感じで、もう次に何をしようか考えちゃうんです。生まれた赤ちゃんの顔を見たら、もう二人目が欲しくなっているという、出産した人のような感じですね。
――10代の頃からアーティスト活動をしているけど、臆することなく成長して変わっていく姿を作品に投影していますよね。
山崎:10代の時にデビューするのと、25才でデビューするのって全然違うと思うんですよ。10代から20代って、考え方も見た目も声も全部変わるから、「変わったいまの方がよかったよね」って言われるくらい、どんどん変わっていかなきゃなと思っています。
取材・文●大橋美貴子
3rd Album『Rinkle-Rinkle』
■初回限定盤[CD+DVD]\3,400+税 VIZL-933
■通常盤[CD]\2,900+税 VICL-64518
[CD]
1.「Before→After」
2.「スローモーション」
3.「LovelyMart」
4.「サイレン」
5.「Drama」
6.「かぎのうた」
7.「線香花火」
8.「PM6:00」
9.「ふたりぼっち」
10.「ナンパボーイ」
11.「ギフト」
12.「さくら、さくら」
[Bonus Track]
13.「ナインスではじまる恋」
[DVD]
山崎あおい本人ナビゲートによるスペシャル映像を番組仕立てで収録!
タイトル:山崎あおいのDVD特典でやってみたいこと(案)
DVD収録内容(予定)
・山崎あおい バースデイライブ2015 ~Happy LIVE Day with YOU~
(2015.8.28@SHIBUYA CLUB QUATTRO)よりライブ映像ダイジェスト
・「ナインスではじまる恋」ミュージックビデオ (full size)
・即興生うた(新作)
・新曲「さくら、さくら」プロモーションムービー
ライブ・イベント情報
3月13日(日)福岡・イムズホール
[問]BEA 092-712-4221 (月~金/11:00~18:00 第2・第4土/11:00~15:00) http://www.bea-net.com/
3月16日(水)心斎橋・Music Club JANUS
[問]GREENS 06-6882-1224 http://www.greens-corp.co.jp/
3月18日(金)NAGOYA CLUB QUATTRO
[問]JAILHOUSE 052-936-6041 http://www.jailhouse.jp
3月20日(日)赤坂BLITZ
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
3月25日(金)Zepp Sapporo
[問]MUSIC FUN 011-208-7000 (平日11:00~18:00)
<「Rinkle-Rinkle」全国5都市インストアイベント>
■東京会場
日時:2016年2月18日(木)19:00スタート
場所:タワーレコード新宿店 7F イベントスペース
[問]タワーレコード新宿店03-5360-7811
■名古屋会場
日時:2016年2月20日(土)12:30集合 / 13:00スタート
場所:イオン八事4F G.G.MALL
[問]新星堂 イオン八事店052-861-1687
■大阪会場
日時:2016年2月20日(土)17:30 集合 / 18:00スタート
場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
[問]タワーレコード梅田NU茶屋町店06-6373-2951
■福岡会場
日時:2016年2月21日(日)13:30集合 / 14:00スタート
場所:タワーレコード福岡パルコ店
[問]タワーレコード福岡パルコ店092-722-4611
■札幌会場
(1)
日時:2016年2月27日(土)12:30集合 / 13:00スタート
場所:HMV札幌ステラプレイス イベントスペース
[問]HMV札幌ステラプレイス011-219-5005
(2)
日時:2016年2月27日(土)16:00集合 / 16:30スタート
場所:タワーレコード札幌ピヴォ店 イベントスペース
[問]タワーレコード札幌ピヴォ店 011-241-3851
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