コンピュータが作った、日本人の魂のヒット曲とは?

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インパクト冴える強烈な音楽番組がNHKで放送される。12月26日(土)午後9時~9時59分「日本人が“なぜか”気持ち良くなる歌をデータで探るスペシャル」だ。

この番組は、これまでの紅白楽曲データから生み出したという「紅白The平均ソング」を初公開するというもの。過去65回にわたって歌われた約3000曲にのぼるヒットソングを最新の技術で徹底解析/コンピュータで分析、「平均ソング」を創りだしてしまったというのだ。1950~60年代、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代と年代ごとに作品を分け、その時代ならではの雰囲気に仕上げた「平均ソング」が作られており、その時代の懐かしいニュース映像とともに「ミュージックビデオ」も制作されている。

各時代の「平均ソング」のタイトルは以下のとおり。その時代を知る人であれば、ぷぷっと笑えるタイトルが付けられている。

●紅白The平均ソング1950~1960年代
→「恋の夜東京」作詞・作曲:オルフェウス
●紅白The平均ソング1970年代
→「女と愛と夏と」作詞・作曲:オルフェウス
●紅白The平均ソング1980年代
→「愛の夢の涙」作詞・作曲:Orpheus
●紅白The平均ソング1990年代
→「LOVEバージョンYOU」作詞・作曲:Orpheus
●紅白The平均ソング2000年代
→「スペシャルMY」作詞・作曲:Orpheus
●紅白The平均ソング2010年代
→「NEW YEAR」作詞・作曲:Orpheus







実際の作詞作曲はどのようにして作られたのか。解析に使われたのは、販売データやWEBのアクセス解析などにも使われているデータマイニング手法で、楽曲制作に使用されたソフト「KHコーダー」は、よく現れる言葉やグループを自動的にリストアップしてくれるという立命館大学・樋口耕一准教授が開発したソフトウェアだ。約3000曲の歌詞を入力し、時代ごとの頻出ワードを抽出、当時の社会情勢や流行のキーワードのヒントがピックアップされている。

そして作曲は「オルフェウス」が用いられている。入力した歌詞をもとに自動で作曲してくれるという、明治大学教授・東京大学名誉教授の嵯峨山茂樹が開発したソフトウェアで、番組のために亜細亜大学教授の堀玄氏が組んだ特別プログラムを使い“各時代の頻出ワード”を元に自動的に「作詞」、そこからメロディーを生成して「作曲」したというもの。ヒットソングは、その時代によって楽器や演奏テクニックも異なるため、仕上げに当代一流のアレンジャーが入って編曲を施しプロミュージシャンによる演奏が行われた。





例えば、1970年代の出現率上位ワードを調べてみると、1位:恋 2位:人 3位:女 4位:愛 5位:涙となったという。1970年代の平均ソングとして作られた「女と愛と夏と」の歌詞は、以下のとおりだ。

♪恋は忘れるわ あああの人を待ちきれないで
♪待ちますかと二人 そんな男涙
♪あなたのように涙を愛す あなたのような女の愛
♪涙忘れればよ あなたが泣いた恋

なんだか、ありそうでなさそうな、何を言っているのかよく分からない歌詞だが、雰囲気はたっぷりだ。できあがった「恋の夜東京」「女と愛と夏と」「愛の夢の涙」「LOVEバージョンYOU」「スペシャルMY」「NEW YEAR」という奇跡の『紅白The平均ソング』を歌うのは、“ぐっさん”こと山口智充と、ものまねタレントの福田彩乃である。この二人がデュエットも交えて、その時代の空気を歌い上げるというわけだ。


「最初に曲を聞いたときはメロディーが全く入ってきませんでした。いままでずっと聞いてきたなじみのあるメロディーではなく、非常に無理のある、気持ち悪いメロディーだと思いました(笑)。それでも、既存の音楽の殻をやぶりなさいというコンピューターからの挑戦だと受け止めて練習しましたが、歌えてくるとだんだん気持ちよくなってきました(笑)。でもやっぱり人間が作ったメロディーが好きです」──山口智充


「歌詞もどういう意味がさっぱりわからず全然入ってこなかったですが、歌詞の単語ひとつひとつを大事にしようと意識して歌いました。普段ものまねをさせていただいているので、各年代のものまねのレパートリーの幅が広がるかなと思っていましたが、モノマネをするより音程を覚えるのに必死になってしまいました」──福田彩乃


日本人の魂は、どんな歌を歌うのか?番組をお楽しみに。

「日本人が“なぜか”気持ち良くなる歌をデータで探るスペシャル」
【放送】2015年12月26日(土)午後9時~9時59分(総合テレビ)
※紅白直前!日本人が“なぜか”気持ち良くなる歌をデータで探るスペシャル」を見て、聞いて、体験すれば、あなたも懐かしい思い出がプレイバックしてくる。
http://www.nhk.or.jp/d-navi/
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