【冬だ一番MAX祭り! その6】尖り始めたMAX、事務所とは「いっつも戦ってました。」

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デビュー20周年を迎えるMAXが、12月23日に3枚組全45曲入りというボリュームのベスト盤『MAXIMUM PERFECT BEST』をリリースする。ということで、MAXの歴史を本人たちに思う存分語ってもらうこの企画『冬だ一番MAX祭り!』。今回はMAX初のオリジナルソング「Give me a Shake」。

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(6)「Give me a Shake」:1997年4月9日発売

── ここへきてガラッと曲調が変わっています。 「Give me a Shake」はシングルチャートで一位を獲得し、レコード大賞優秀作品賞を受賞、紅白歌合戦にも出場を果たしました。

MINA:初のオリジナルソングでいろいろ盛り沢山だったね。

NANA:これはうれしかったね。曲をもらった時の衝撃、「こっちに行くの?」っていう驚き。カッコ良かった!

LINA:こういうかっこいい曲がずっとやりたかったので、衣装もメイクもガラッと変わって、全てが一変したもんね。

── かっこいいというのはR&B調が好きだったということですか?

NANA:この時代はそうでしたね。周りがそういう空気というか、日本全体がR&Bの人気が出てきた時だったので、私たちもああいうかっこいい大人っぽい曲を歌いたいなって。

LINA:もともとはジャネットとかマイケルとか見て育っているので、そういうR&Bのダンスを踊りたかったですし。


NANA:この時って十代の子が背伸びして大人っぽくしたい時だったので、それにピッタリな曲だった。これだったら大人っぽくメイクもバッチリ決めて、今の自分たちがやりたいことを表現できるねって思えたもんね。

── 曲調がガラッと変わったことに関して周りの反応はどうでしたか?

MINA:初めてお披露目したのがファンの前だったんです。それまでユーロの曲をやってきていたし、衣装も変えて出てきて「Give me~」って始まった時のファンのみんなの反応が、一瞬ぐっと固まったというか、静けさというか、こう来たんだっていう空気感と、でも見てるとかっこいいからだんだん熱くなってくる感じは、今でも思い出すくらい新鮮でしたね。

LINA:一気にこの曲から女の子のファンも増えました。それまでのファンはほとんど男性だったし、なんせ「麗霆゛子 レディース!!MAX」やってるからヤンキーのファンが多いし(笑)。

NANA:「ウッす!」みたいな硬派なヤンキーね(笑)。

── ファンの方のコメントを見たら「俺トラック運転しながら聴いてたよ」って書いてあったんですよ。

MINA:そうそうそう(笑)。

LINA:そういう男性のファンが多くて、70~80パーセントくらい男性でした。ファッションなり、メイクなり、サウンドが変わっていくと、ここからは女の子のファンが急激に増えて。

── 同性のファンが増えることについてどう感じていましたか。

LINA:支持されたり憧れられる存在っていうのは本当に嬉しい。

NANA:この頃は女の人も“かっこいい”と言われるのがステータスというか、“かわいい”っていう言葉を今みたいに使っていなかった時代だったので、こんなにかわいいかわいいって飛び交ってなかったです。かっこいいねっていうほうが多かった。

MINA:今かっこいいものにも「かわいい」って言うしね。褒め言葉が「かわいい」になったよね。

NANA:あの時はかっこいいって言われるのが嬉しかったな。

MINA:NANAさんこの時リーゼント怒られたよね(笑)。

NANA:そう! この時から、自信がついて、これでやっていくっていう自分のやりたいスタイルが固まってきて、“かっこいい”って言われたいがために、ヘアスタイルをリーゼントにしたんです。そしたら事務所から大不評で、テレビ番組に出るたびにメイクルームに来るんですよ、「今日だけはそのヘアスタイルやめてください」って(笑)。

(当時のテレビ録画を見ながら)

MINA:してるしてる!

NANA:19、20歳で若い子たちにかっこいいって言って欲しくてね(笑)。

── 他のメンバーのみなさんはNANAさんのリーゼントについてどう思ってたんですか。

MINA:かっこいいって思ってましたよ。「Give me a Shake」の楽曲のイメージとぴったりだし、なんでNANAさんが怒られてるのかがよくわからなかった。

NANA:とにかく普通の髪型にしろ! って言われてました。

MINA:りっちゃんも髪の毛のサイドをタイトにしたりしてたよね。

NANA:それでずっと戦った思い出がありました。でも最後には負けました(笑)。

LINA:やっぱり男性の人は普通の綺麗な髪型というか、普通が一番なんですよね。でも女性の支持を受けるためには尖った感じというか、ちょっと個性的にいきたかったよね。

NANA:だからいっつも戦ってました。

── この時期から自分が出てきて、事務所の方針とぶつかり合ったりすることが増えてくるわけですね。

MINA:尖り始めて、戦い始めてきてますね~(笑)。

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MAXは、12月23日にはお台場ビーナスフォート、12月24日はタワーレコード渋谷店、12月26日にはレイクタウン越谷にて、MAXベストアルバム『MAXIMUM PERFECT BEST』発売記念イベント(ミニライブ&握手会)を開催する。


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