第58回グラミー賞最多11部門にノミネート、ケンドリック・ラマーとは?
第58回グラミー賞にて最多11部門ノミネーションを受けたケンドリック・ラマーを紹介しよう。
◆ケンドリック・ラマー画像
今年の3月(日本では5月)に発売された2ndアルバム『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』が全米2週連続1位を獲得、全英でも初登場1位となり、わずか2週間ほどで100万枚を売り上げ全世界で大ヒットを記録した。このアルバムの素晴らしさを持って11部門ノミネートも当然だとする人も少なくない。ちなみに11部門ノミネートは、1983年のマイケル・ジャクソンによる最多12部門ノミネートに次ぐ歴史的快挙であり、エミネムでも10部門ノミネートが自身の最多である。
“K-dot”の愛称でも親しまられるケンドリック・ラマーは、現在28歳のアメリカ人ヒップホップMCでありリリシストだ。インディー時代にオンライン配信したミックス・テープがドクター・ドレーやゲームの耳に留まり、瞬く間に西海岸で話題のラッパーとなった。ギャングスタ・ラップの発祥地ロサンゼルスのコンプトン出身でありながら彼の作る音楽の視野は広く世界中で絶賛されている。彼の魅力はまるで物語のような鋭く優れたリリックと、観る者を圧倒するライヴパフォーマンスにある。
ケンドリックが発するメッセージは、白人による黒人差別への批判など政治的なものが多いが、歴史的根拠や実体験に基づくことから強い説得力を放っている。『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』のジャケット写真は“奴隷船”を連想させるものになっているが、歌詞の中では、奴隷制時代からの延長線上にあるアフリカン・アメリカンの閉ざされた現状の中で、自分はあちこちに仕掛けられた罠にハマることなく成功を手にしたものの、自分ひとりが抜け出しても所詮世界は変わらない、という葛藤が描かれている。
ケンドリックは地元カリフォルニアの州議会上院議員のイザドール・ホール3世議員より、“第35代・次世代アイコン賞”の表彰を今年5月11日に受けている。表彰は州議事堂の上院で行われ、ケンドリックが育ったコンプトンも選挙区に抱えているホール議員は次のようにケンドリックを称えたという。
「ラマーさんはプロのアーティストになってから10年足らずでマルチ・プラチナ・ディスクを獲得し、ビルボード・チャート1位も獲得し、グラミー賞にも2度輝くという、27歳(当時)の青年としてはとてつもない偉業を成し遂げています。しかし、ラマーさんはこうした成功と名声に溺れることもありません。コンプトンを訪れてみてわかるのは…同輩議員のみなさんにはぜひコンプトンを訪れてみることをお勧めしますが…ラマーさんは今でも地元ではみんなと顔馴染みの人物なのですよ」──ホール議員
社会的な活動においても支持を集めるケンドリック・ラマーが日本でパフォーマンスを行ったのは、2013年の<FUJI ROCK FESTIVAL>のみとなる。
ケンドリック・ラマー:第58回グラミー賞ノミネート部門
(1)【主要部門】年間最優秀アルバム/Album Of The Year:『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』
(2)【主要部門】年間最優秀楽曲/Song Of The Year:「オールライト」
(3)最優秀ラップ・パフォーマンスBest Rap Performance:「オールライト」
(4)最優秀ラップ/ソング・コラボレーション/Best Rap/Sung Collaboration:「ジーズ・ウォールズ feat.ビラル、アンナ・ワイズ&サンダーキャット」
(5)最優秀ラップ・ソング/Best Rap Song:「オールライト」
(6)最優秀ラップ・ソング/Best Rap Song:「オール・デイ」(カニエ・ウェスト)
(7)最優秀ラップ・アルバム/Best Rap Album:『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』
(8)最優秀ミュージック・ビデオ/Best Music Video:「オールライト」
(9)最優秀ミュージック・ビデオ/Best Music Video:「バッド・ブラッド」(テイラー・スウィフト feat.ケンドリック・ラマー)
(10)最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)/Best Pop Duo/Group Performance:「バッド・ブラッド」(テイラー・スウィフト feat.ケンドリック・ラマー)
(11)最優秀ダンス・レコーディング/Best Dance Recording:「ネヴァー・キャッチ・ミー」(フライング・ロータス feat.ケンドリック・ラマー)
ケンドリック・ラマー『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』
UICS-1287 / ¥2,450(税抜)/ 全曲歌詞・対訳、解説付
1.ウェズリーズ・セオリー feat.ジョージ・クリントン&サンダーキャット/Wesley's Theory ft.George Clinton and Thundercat
2.フォー・フリー?(インターリュード)/For Free?(Interlude)
3.キング・クンタ/King Kunta
4.インスティトゥーショナライズド feat.ビラル、アンナ・ワイズ&スヌープ・ドッグ/Institutionalized ft.Bilal, Anna Wise, and Snoop Dogg
5.ジーズ・ウォールズ feat.ビラル、アンナ・ワイズ&サンダーキャット/These Walls ft.Bilal, Anna Wise, and Thundercat
6.ユー/u
7.オールライト/Alright
8.フォー・セール?(インターリュード)/For Sale?(Interlude)
9.マンマ/Momma
10.フッド・ポリティックス/Hood Politics
11.ハウ・マッチ・ア・ダラー・コスト feat.ジェイムス・フォントルロイ&ロナルド・アイズレー/How Much A Dollar Cost ft.James Fauntleroy and Ronald Isley
12.コンプレクション feat.ラプソディー(ア・ズル・ラヴ)/Complexion ft.Rapsody(A Zulu Love)
13.ザ・ブラッカー・ザ・ベリー/The Blacker the Berry
14.ユー・エイント・ゴッタ・ライ(マンマ・セッド)/You Ain't Gotta Lie(Momma Said)
15.アイ/i
16.モータル・マン/Mortal Man
https://itunes.apple.com/jp/album/to-pimp-a-butterfly/id974112072?at=10l3PY
「生中継!第58回グラミー賞授賞式」※生中継※二ヵ国語(同時通訳)
2016年2月16日(火)午前9:00[WOWOWプライム]
同日夜は、字幕版でリピート放送
「第58回グラミー賞授賞式」※字幕
2016年2月16日(火)よる10:00[WOWOWプライム]
http://www.wowow.co.jp/music/grammy/
◆ケンドリック・ラマー・オフィシャルサイト
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