【ライブレポート】若手V系バンドを応援するイベントシリーズ<千歌繚乱>がスタート
多くの著名アーティストのモバイルサイト運営を手がけるグローバル・プラスが、これからの活躍が期待される新進気鋭の若手バンドにフィーチャーしたヴィジュアル系ライヴイベント<千歌繚乱 vol.1>を2015年11月18日、渋谷REXで開催した。各バンド、熱いステージを見せたオフィシャルのライヴレポートをお届けする。
◆<千歌繚乱>ライヴ画像
まず最初に登場したのは「NEiK」。2015年6月から始動したばかりの彼らは、華やかなヴィジュアルと若手ならではの勢いで、これからの活躍に期待が寄せられているバンドだ。一曲目は「cry for pried」、そして続く「セツナガタリ」。ともにPOPな外見とはいい意味で期待を裏切ってくれる、EDM感のある楽曲だ。三曲目の「JESTER」のメンバーソロ&メンバーコールでフロアが盛り上がったところで、NEiKらしさが全開の「Immediate」の演奏に。モッシュやタオルを振るサビなど、振付もわかりやすく、“楽しいライヴ”を印象付けてステージが終了となった。上手く電子要素を用いた多彩なイメージの演奏を聴かせてくれ、若手バンドでありながらも楽曲へのこだわりを感じさせてくれたNEiK。だんだんとフロアをNEiK色に染めていき、ファンと一緒にライヴ空間を作り上げていく姿が魅力的だった。振付動画も動画サイトにて公開されているので、覚えてライヴに臨めばより一層楽しめそうだ。
次に登場したのが「TRA TRA TRA」。こちらも始動1年未満のバンドだが、メンバー全員過去にバンド経験があり、その実力は折り紙つき。攻撃的な演奏と、クリアなボーカル&ラップで、ヴィジュアル系という枠を飛び越える、ミクスチャーな雰囲気が魅力だ。オミ(G)の華麗なギターソロから、リョウ(Vo)のクリアな高音が冴える一曲目の「B.N.G」へ。二曲目は激しいヘドバン、折りたたみが続く攻撃的な楽曲「猟奇的ボクサーカス」。この2曲だけでも、TRA TRA TRAの曲の多面性が伺える。明るいイメージで、ラップが冴える「Que sera! sera!」でタオルを振りまわして会場を盛り上げたと思えば、「所詮、女宿り」で歌と演奏をしっかり聴かせ、いったんブレイク。そして11/30に発売される新曲「昨日泣いて今日を足掻き、明日に唄えば」へと続く。最後に演奏されたのはTRA TRA TRAらしい、激しさとミクスチャー感が上手く融合された、ライヴでも定番の「UNNEVER END」。観客は、激しいが安定感のあるリズムに拳で乗りつつ、Vo.リョウの歌い上げる綺麗なメロディーに酔いしれていた。TRA TRA TRAはその多彩な楽曲で、センスあるライヴステージを演出してくれた。
三番目に登場するのが「umbrella」。彼らは「心に傘を」というコンセプトを掲げた、実力派歌ものバンド。拠点は関西で、マーヴェリックDCグループ+ソニー・ミュージックが2014年を通して開催した新人バトルイベントJ-ROCK EXPLOSION 2014<BATTLE OF THE BRAVE>関西地方優勝バンドでもある。その実力通り、一曲目の「非『情』階段」からVo.の唯のハイトーンボイスで会場全体がumbrellaの世界観に塗り替えられる。二曲目の「Witch?」で実力派ならではの複雑な演奏をこなし、「軽薄ナヒト」では流れるようなメロディラインで叙情的な歌詞を伝えてくれる。その雰囲気をそのまま引き継ぐかのように始まった「レクイエム」で、会場全体にしっとりと潤いが染み渡るような感覚さえ覚えさせた。ことさらに悲しさが強調されたメロディというわけではないのに、どこか切なさを感じさせてくれるのがumbrellaの楽曲の醍醐味。ここまでの雰囲気を変えるように始まる、少し激しめな楽曲「造花」。そして雨があがったかのような軽快なリズムの「スカイフィッシュ」と続き、最後は来年2月に発売されるシングルの表題曲「アラン」。徐々にフロアを巻き込んでボルテージを上げていくような構成で、7曲を通して1つのドラマを見せられているような感覚になるライヴを魅せてくれた。
トリを務めた「叙情四重奏カノン」も、umbrellaと同じくJ-ROCK EXPLOSION 2014<BATTLE OF THE BRAVE>の優勝バンド。バンド結成からわずか半年で優勝を掴み取っただけあり、彼らの紡ぎだす独特な哀愁感が漂う楽曲は聴きごたえがある。叙情四重奏カノンの定番曲にもなっている「雨の終列車」からライヴがスタート。しっかり叙情四重奏カノンの魅力を聴かせたあとは、「群青」で観客の拳ヘドバンに合わせてメンバーがフロアを煽る。定番曲と、鉄板で盛り上がる曲を冒頭に持ってきた後は、ライヴで演奏されることの少ない「春の灯」を。叙情四重奏カノンを初めてみる人、いつもライヴに来てくれるファン、その両方に嬉しい演出だ。好きなメンバーにハートを飛ばしたりして楽しめる「少女Aの愛情表現」が四曲目。そして最後の曲が激しいヘドバンではじまる「鞭と嫉妬と赤い絲」。この二曲では、折り畳み、回転、モッシュが繰り広げられ、フロアが最高潮に盛り上がった。観客の一体感も抜群で、エモーショナルな楽曲だけれども頭を振ったりバンギャルならではの楽しみ方ができることも叙情四重奏カノンのライヴの魅力。その魅力が存分に発揮されたステージとなった。
ヴィジュアルシーンでも多数のジャンルや傾向があるが、今回出演したバンドはどれも毛色が異なるバンドだった。それが上手く化学反応を起こし、それぞれのバンドがそれぞれの良さを存分に発揮したライヴイベントとなった。今後もこのライヴイベント<千歌繚乱>は活躍が期待されるバンドを続々迎える予定で、次回開催は2016年2月2日(火)渋谷REXにて開催される。
セットリスト
1. cry for pried
2. セツナガタリ
3. JESTER
4. Immediate
TRA TRA TRA
1.B.N.G
2.猟奇的ボクサーカス
3.Que sera! Sera!
4.「所詮、女宿り」
5.「昨日泣いて今日を足掻き、明日に唄えば」
6.UNNEVER END
umbrella
1.非『情』階段
2.Witch?
3.軽薄ナヒト
4.レクイエム
5.造花
6.スカイフィッシュ
7.アラン
叙情四重奏カノン
1. 雨の終列車
2. 群青
3. 春の灯
4. 少女Aの愛情表現
5. 鞭と嫉妬と赤い絲
◆<千歌繚乱>オフィシャルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
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