【ライブレポート】RADWIMPS、“胎盤”ツアーの千秋楽にMr.Children
そして、RADWIMPS。1曲目「DADA」から「胎盤」ツアーで研ぎ澄まれたグルーヴの強度があらわになる。ステージを自由に跳ね回る洋次郎。盤石のプレイを誇示する桑原彰と武田祐介。このツアーのシンボリックな存在となったとも言える刄田綴色と森瑞希のツインドラム。筆者が「胎盤」ツアーを観たのは初日以来だったのだが、ツインドラムの共振の精度は格段に上がっていた。そのことでバンドアンサンブル全体がさらなる自由度と説得力を獲得していたのである。オープンハンドスタイルの刄田とスタンダードスタイルの森が両サイドに位置する左右対称の画もすっかり馴染んでいる。スタイルの異なる2人のドラマーがリズムを共有している姿を見て、やはり「胎盤」ツアーだからこそトライしたツインドラムなのだ、と確信する。この編成もまた「胎盤」ツアーのメッセージとして機能していたのだ。
もちろん、縦軸にストレートなロックサウンドも刺激的なのだが、個人的に白眉だったのが、「ヒキコモリロリン」におけるジャズやファンク、ディスコの要素を天衣無縫に織り交ぜた黒いフィーリング。ロックサイドから全方位的な音楽の快楽を提示するバンドとして、RADWIMPSはいるということ。そのことをあらためて痛感した。だからこそ、RADWIMPSの歌は、そこに込められたこの世界と生命の実像を全身全霊で捉えようとする野田洋次郎というソングライターの意志は、僕らを強く揺さぶる(そう、それは桜井和寿の作家性とも離れがたく重なっている)。
RADWIMPSはこの10年の総括と新たなフェイズを同時に映し出すライブを「胎盤」ツアーで体現してみせた。その最後にMr.Childrenが隣にいたことは、あまりに特別だった。RADWIMPSの2015年最後のライブは、12月23日、幕張メッセ国際展示場。そこでバンドは何を聴かせ、見せ、感じさせてくれるのか。最新のRADWIMPSをしかと捉えたいと思う。
text by 三宅正一(Q2)
photo by RADWIMPS、Mr.Children:植本一子
<10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり>
開場/開演 16:30/18:00
※ワンマンライブ
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