マーキュリー・プライズ、今年も予想外のアーティストが受賞
金曜日(11月20日)、英国最高峰の音楽アワーズの1つ、<2015 Mercury Prize>の受賞者が発表された。
◆Benjamin Clementine画像
知名度やセールス、ジャンルは関係なく、英国/アイルランドのアーティストにより制作されたアルバムの中でその年の最も優れた作品へ贈られる同アワーズは、無名のアーティストが選出されることが少なくない。今年も、ダークホース的な存在だった26歳の男性シンガーBenjamin Clementineのデビュー・アルバム『At Least For Now』がその栄誉に輝いた。
今年は彼のほか、エイフェックス・ツイン『Syro』、ギャズ・クームス『Matador』、C Duncan『Architect』、Eska『Eska』、フローレンス&ザ・マシーン『How Big How Blue How Beautiful』、ゴーストポエット『Shedding Skin』、ジェイミーxx『In Colour』、Roisin Murphy『Hairless Toys』、スレイヴス『Are You Satisfied』、SOAK『Before We Forgot How To Dream』、ウルフ・アリス『My Love Is Cool』が候補に挙がっており、ブックメーカー(公式掛け屋)での1番人気はジェイミーxxだった。
2015年初めにリリースされた『At Least For Now』はUKチャート最高位31位と、セールス的には振るわなかったが、批評家たちからは高い評価を得ていた。20代初め、パリの地下鉄で歌っていたというClementineは、賞を同市で起きた連続銃撃事件の犠牲者へ捧げると語った。
また、バックステージで行われたBBCのインタビューでは「このアワードにはノミネートされたいってずっと思っていたけど、受賞するとは思ってなかった。いつもそのことで冗談を言っていたんだ」と話している。「このアルバムを作ったとき、50人くらいが聴くんだろうなって思っていた。僕の音楽はメインストリームじゃない。でも、この受賞は、作品の中では誠実でいなくてはならない、そうすれば聴いてもらえるんだってことを証明している」
今年は、Simon Frith(作家、音楽ライター、エジンバラ大学教授)、アンナ・カルヴィ(ミュージシャン/ソングライター)、コリーヌ・ベイリー・レイ(ミュージシャン/ソングライター)、Elisa Bray(『The Independent』紙音楽エディター)、Greg Cochrane(NME.comエディター)、John Kennedy(Xfmプレゼンター)、Kat Morris(Great Escape Festivalディレクター)、Kate Mossman(音楽ライター)、Mista Jam(DJ/プロデューサー)、Mike Flynn(『Jazzwise』音楽ライター)、Nick Luscombe(DJ/ブロードキャスター)、Nick Mulvey(ミュージシャン/ソングライター)が審査員を務めた。
Thank you, to the fine people who chose me as the winner for the Album of the Year Mercury Prize award. This accolade...
Posted by Benjamin Clementine on 2015年11月20日
Ako Suzuki
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