【インタビュー】パワープレイ、デビュー・アルバム完成の奇跡
すべてのAOR/ウェスト・コースト・ファンに捧げる至高の1枚が登場する。バンド結成から四半世紀以上を経て今ようやく誕生した、パワープレイのデビュー・アルバム『オール・ゾーズ・イヤーズ』だ。
◆パワープレイ画像
1987年にデンマークのコペンハーゲンにて結成されたパワープレイは、ウェスト・コースト系のバンドに影響を受け、その中でも特にJOURNEY、TOTO、STARSHIP、SUPERTRAMPから強いインスパイアを受けてきたという。ワーナーとのレコード契約を獲得したパワープレイだったが、メンバー脱退等で状況は悪化、アルバムを完成させることなくレコード契約は白紙へと戻ってしまった。そのままバンドは活動停止を余儀なくされた。
それから20年が経過し、彼らはオリジナル・メンバーで再び立ち上がることを決意、新しいマテリアルを揃え、悲願のアルバム・リリースへとようやく辿り着いたのが『オール・ゾーズ・イヤーズ』である。そこには長い時を経て熟成されたメロディックAORサウンドが封じ込められている。
「日本のAORファンにもこのアルバムを届けることができて、とても光栄に思っているよ。アルバムの仕上がりにはとても満足しているから、気に入ってもらえると嬉しい。今でも音楽に対する熱い気持ちは変わっていないことを誇りに思うよ」──エリック・トムセン(Vo)
20年以上もの沈黙を破り活動を再開させたパワープレイ…その奇跡のデビュー作『オール・ゾーズ・イヤーズ』では、AORへ対する熱き血潮を反映させた姿が映し出されている。今もなお変わらぬサウンドへの熱き思いに拍手を送りたい。
──長い時間がかかりましたが、ようやくデビュー・アルバムが完成しました。今はどのようなお気持ちですか?
Peter Gjedde(Key):『All Those Years』をリリースしてからはずっと世界中のロック・ファンから、嬉しいフィードバックが送られてきているよ。そしてその数の多さに圧倒されている(笑)。まさかみんなが関心を持ってくれるとは本当に思っていなかったからビックリさ。好意的なメッセージが多いから勇気付けられるね。
──あなた自身、アルバムの仕上がりはどう感じていますか?
Peter:もちろん大満足さ。今のところ、みんなからも高評価を貰っているからね。バンド全員がこのジャンルの音楽を心底愛しているし、この年齢になっているにもかかわらず未だに燃える気持ちを持ち続けているし、こうやって活動できていることに感謝だね。アルバムの仕上がりに対してはもちろん何も言うことはないくらい満足しているよ。
──このアルバムのセールス・ポイントは何ですか?
Peter:個人的見解として、もしあなたがAORやメロディック・ロックが好きであれば、このアルバムに収録されている歌詞や印象的なフック・ライン、グルーヴ感、ロック・ギターとキーボードを気に入ってもらえると思うよ。キミのために創り上げたアルバムだからね。
──パワープレイの結成の経緯を教えていただけますか?
Peter:カートとオレはコペンハーゲンにある音響と照明の会社で一緒に働いていた。そしてある日、他のバンドの為に書いたオレのデモをカートに聴かせたんだ。すると音楽の話で意気投合したオレたちはバンドを作ろうということになったのさ。カートは以前、エリックとサイモンとでバンド活動を行っていたので、早速4人で会い、そのままバンド結成へと発展した。全員がお互いに一目惚れだったね。ベースは最終的にフィリップに落ち着いた。それからは楽曲を作りながらもコペンハーゲンをメインにギグをスタートさせていった。集客も増えて行ったし、話題にもなった。後、6曲入りのデモを制作し、ロック・コンテスト「Let's Rock」へそのデモを送ったんだ。するとそれが評判となって、あれよあれよという間にコンテストで優勝さ。そうしてワーナーとの契約を獲得することができたのさ。しかし、カートはバンドで生きていく道を選ばずに、仕事でフランス移住の道を選択。そして残念なことにバンドを脱退してしまったのさ。残されたメンバーは新しいギタリストを迎えて活動を続けるも上手く行かず、あのマジック、化学反応が起こることはなかった。次第にバンド活動も停滞し、秋に散る落ち葉のように広く散ってしまった。
──ワーナーとの契約を獲得した当時、アルバムのレコーディングはスタートしていたのですか?
Peter:ノー。レコーディング・スタジオに入ることはなかったよ。当時残したのはあのデモ・テープだけさ。
──1992年以降、あなた達は何をやっていたのですか?
Peter:音楽業界以外でそれぞれがそれぞれのプロとして仕事に従事していた。エリックは銀行業界と販売管理、カートは病院関係、フィリップはHi-Fi機器のエンジニア、オレはアメリカの包装関連会社で北欧地域を担うCEO、サイモンは精神科病棟のマネージャーさ。
──20年以上が経過してなぜバンドを再結成しようと思ったのですか?
Peter:何年にも渡ってそれぞれがキャリアを積んできた。機が熟したとでもいうのかな?Facebookがまたみんなを繋げてくれたのさ(笑)。再会したメンバーはバンドをリユニオンすべきだろうという話になってたよ。時間が問題も解決してくれたし。ここで動かなければ絶対後悔するとみんなが感じていた。そうなるとあとは活動するだけだったね。リハーサルを行うとそこにはあの時のマジックが生きていた。素晴しい音楽とフレンドシップを祝して乾杯するしかなかったね。
──各メンバーの音楽的影響を教えてください。
Peter:カートはギター担当。スティーヴ・ルカサーに影響を受けた。好きなバンドはGIANTとTOTOさ。ベースのフィリップはネイサン・イーストに憧れていた。いろいろなタイプの音楽を聴いているけど、TOTOとWORK OF ARTがお気に入りさ。エリックはボビー・キンボールとスティーヴ・ペリーだね。FOREIGNER、SURVIVOR、TOTOが大好きだ。ドラマーのサイモンはサイモン・フィリップスの大ファンで、JOURNEYとTOTOをよく聴いている。オレは、デイヴィッド・ペイチ、スティーヴ・ポーカロから大きな影響を受けた。好きなバンドはTOTOとGIANTだね。とにかくメンバー全員がTOTOということさ(笑)。
──日本のAOR、メロディック・ファンにメッセージを頂けますか?
Peter:日本のAORファンにも気に入ってもらえると信じているよ。日本のリスナーは世界で一番音楽を聴く耳を持っているからね。デンマークのターゲットと契約した時から、日本はバンドにとってファースト・プライオリティーと伝えてあるんだ。とにかくアルバムをじっくりと聴いて欲しいね。そしてファンタスティックなあなたの国でプレイすることができたら光栄さ。みんなと会えることをとても楽しみにしているよ。今日はどうもありがとう!
パワープレイ
Erik Thomsen(Vo)
Simon Dalberg(dsDr)
Kurt Lundgaard(G)
Peter Gjedde(Key)
Philip Stricker(B)
パワープレイ『オール・ゾーズ・イヤーズ』
2015年11月25日発売
BKMY-1007 2,222円(税抜価格)+税
※輸入盤日本仕様
1.City Of Love
2.Powerplay
3.Why Are You Running Away?
4.Going Home
5.All Those Years
6.Cry Freedom
7.So What(Let Me Be)
8.Climb A Mountain
9.Don't You Walk Away From Me
10.God Knows You're Bad Bone
Produced by Powerplay & Thomas Brekling