【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.20「クルーズでライブを楽しむ」
急に寒くなり南部でも朝晩氷点下の日が多くなったフィンランドです。野外のフェスシーズンは終わりましたが、ライブはクルーズ船でも楽しむことができます。ヘルシンキからはエストニアのタリンとスウェーデンのストックホルムに、トゥルクからはストックホルムにクルーズ船が毎日運航されています。そのクルーズ船で人気アーティスト達のライブが行われることもあります。今回はヘルシンキとエストニアのタリンを結ぶクルーズ船バルティック・クィーンでのラジオ局主催ラジオロッククルーズにいってきました。このクルーズ船はキャビンが927室、乗客2800人乗り。ヘルシンキを18時30分発、タリンでは船上泊で翌日16時にヘルシンキに戻ってきます。10階あるこの船上には2階席からも眺められるライブハウスの他、レストランバー、ショップなどがあります。
今回のラジオロッククルーズの出演バンドは初日がAmorphis、Reckless Love、Battle Beast、Rock 'N Roll Sensation、2日目がDiabloとSanta Cruzでした。
ヘルシンキのターミナルで乗船前の待ち時間に80年代ヒット曲カヴァーバンドRock 'N Roll Sensationの演奏があり気持ちをもりあげてくれました。まだ子供達が小さい頃クルーズには何度もいったことはあるのですが、ライブのないクルーズでは時間がとってもゆっくり過ぎていき、正直時間をもてあましてしまうこともありましたが、今回のこのメタル&ロックファン向けのクルーズはタイムテーブルがぎっしり詰まっていて、ライブの他に音楽クイズ、ビンゴ、出演バンドのサイン会などとにかく盛りだくさん!ゆっくり食事をしている時間がなかったほど(笑)。
このバルティック・クィーンに乗るのは初めて。今回は窓付きの2人用キャビンを予約。自分達のキャビンは8階にありました。小さいですがちゃんとトイレとシャワーもキャビンについてます。TVもあり。船上をぐるーっと見てまわった後、ロックラウンジであった音楽クイズに参加してみるもののこれは難しすぎ(笑)。
▲Reckless Love
サイン会トップバッターのSanta Cruzの前にカフェで軽く食事の後サイン会に!フィンランドのサイン会はサインもらうだけでなく、たいていは写真撮ったり、ハグしてもらったりも可能です。サイン会2番手のReckless LoveとBattle Beastのライブ開始が同じ時間だったので、まずはサイン会に参加した後ライブ会場に。もう前はいっぱいですごい盛り上がってる!しかし159cmとこちらでは背が低い私はステージがほとんど見えない。なので隙間をぬって少しづつ前に出て行ってる途中でクルーズ船が揺れ、よろめいた前の男性に足ふまれた、、、と思ったら、ごめん!と誤ってくれ前へどうぞと通してくれた。なんて優しいメタルファン!端っこだったとはいえ2列目まで前進。しばらくすると最前にいた人が抜けてラッキーにも最前に!Battle Beastのライブは初めてだったのですが、女性ヴォーカルのノーラ・ロウヒモがめちゃかっこいい!今年2月にバンドの設立者でもあるギタリストのアントン・カバネンが脱退させられたニュースが飛び込んできた時は、バンドの将来を心配するファンのコメントを多く見かけましたが、この日観たライブはそんな心配を吹き飛ばすようなすごく楽しいライブでした。
▲Battle Beast
次のライブはReckless Love。待ってる間最前を友達に確保しておいてもらって、Amorphisのサイン会へ。おぉ、サイン会の会場のパブの中は前に進めないぐらいすっごい人で埋まっている。それでも何とか人をかきわけサイン会の写真だけ撮ってライブ会場へ。Reckless Loveは曲がキャッチャーなのに加え、メンバーが笑顔なのがさらに楽しさを倍増!とにかく楽しいライブ。途中でSanta Cruzのアーチィー・クルーズが飛び入りでVan Halenの「Panama」をカヴァー!Reckless Loveのフロントマン、オッリ・ヘルマンはChildren Of Bodomのアレキシ・ライホ、The 69 Eyesのユッシ69、今回飛び入りしたアーチィーと一緒に80年代カヴァーバンドThe Local Bandを組んでいます。ちょうどこのThe Local Bandでさいたまスーパーアリーナで開催された今年のLoud Parkに出演前だったのもあってかやってる本人達もかなりうきうき盛り上がってたように思います。
▲Amorphis
▲Reckless Love
このあとカフェで一休みのあとライブ会場へ戻るとステージ前は埋まりつくしてる。なのでAmorphisは2階席からみることに。その2階席も前の方はもうすでに人でいっぱい。彼らはベテランの力を発揮!船上がうねり声をあげるように盛り上がってました。彼らのライブが終わると時間はすでに午前1時半ぐらい。そのあと出発時ターミナルでカヴァー曲の演奏をやっていたRock 'N Roll Sensationのライブがあったので、ソファに腰掛けてゆっくりみようと思っていたものの、始まってみたらこれが80年代のヒット曲のオンパレード!とても座ってなんかいられない(笑)。横の方ではReckless Loveのドラマーヘッスが観客に混ざってみてました。
▲Amorphis
▲Rock 'N Roll Sensation
この頃になってくるともう観客の皆さん酒がまわってきてるせいか前の方ゆるゆるだったので、途中で最前にまで前進!ところでその昔Finland Festで来日したことのあるNakedってロックバンド覚えてますでしょうか?出発ターミナルで気がついたのですが、この80年代カヴァーバンドにそのNakedのベーシスト、イラリ・ハマライネンがいたんですね。ターミナルではお団子ヘアでウッドベースを弾いてたのが夜のライブではロン毛のロッケンローラーに変身でなかなか決まっておりました。
そのあとはDJが登場!ロックやメタルナンバーに混ざってラップも流れてましたが、ステージ前に集まった観客は疲れもしらず元気に踊りまくってました。その中にステージを降りると以外にもとてもかわいいBattle Beastのノーラの姿も。朝の5時を過ぎさすがに疲れキャビンに戻ったのでその後DJがいつまで続いていたのかはわかりませんが、ライブ後帰りの足を気にすることなくキャビンに戻ればいいのでこれは便利。
2日目の午前中はエストニアのタリンに降りることもできるのですが、とてもそんな元気はありませんでした(笑)。とりあえず13時からのSanta Cruzに間に合うように起き、ライブ前に軽く朝食を済ませ、家へのお土産を買ってキャビンに戻ろうとしていたらSanta Cruzのサウンドチェックが。しかもライブハウスに入れる。急いで荷物をキャビンに置き戻ってみたらあら、、、サウンドチェックは終わってました。とはいえ早めに場所とっておいたのでSanta Cruzは最前で観ることができました。彼らはギュンギュンにギター炸裂のハードロックでとにかくかっこいい!
▲Santa Cruz
時間はすでに午後2時を回っている。クルーズに来て以来パン以外ほとんど何も食べてなく2日目のランチはバイキングで豪華にとランチクーポンを買っておいたのに、バイキングがあったのは初日のディナーのみだったようでがっくり。最後のバンドDiabloのライブがまだあったものの、それを見に行くとほんとにもうランチの時間がなくなりクーポンが無駄になっちゃうので買ってあった27ユーロ(約3700円)のランチクーポンを使って最後はちょっと豪華にランチ!
そんな感じであっという間にヘルシンキに到着。船上ではライブ以外でも出演バンドのメンバーと顔を合わすこともあり、大好きなバンドがでていたらどこかで遭遇のチャンスというドキドキ感も味わえます。ただマイナスポイントは酔っ払いであふれること(笑)。今回ライブ会場のドリンクはプラスティック容器に注がれてましたが、その理由がわかりました。初日Amorphisが終わった後の床にはそのプラスティック容器が大量に踏み潰されたりして転がってました。あれがグラスで、割れた破片の上に倒れこんだりしたら怪我しますもんね。
このラジオロッククルーズは定期的に開催されていて、今回のが17回目でした。次回のラジオロッククルーズは2月6-7日に開催。出演バンドはMichael Monroe、The 69 Eyes、Viikate、Maj Karma、Lapko、Rock N Roll Sensationが予定されています。このクルーズは人気なのでキャビンは発売されたらすぐに予約をお勧めします。他にもジャンルの違ったラジオ局主催のクルーズもあるし、バンド単独のクルーズ船上ライブもあります。たいていはキャビン代金にライブが含まれます。ちなみに今回参加したラジオロッククルーズ、窓付きの2人用キャビン1人あたりのお値段は159ユーロ(約21600円)でした。2段ベットになりますが4人用キャビンもあります。窓なしキャビンはもう少し安いです。機会があればクルーズ船上ライブ参加してみてください。
文:Hiro
写真:Hiromi Usenius
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