【ライブレポート】仙台貨物、トゥアーファイナルで妖怪たちが届けたのは最上級の愛

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千葉さんは、いつも思っていることがあると前置きをして「(天狗の鼻を付けているせいで)ちょっといぎすんのが辛いなーって思うんだげどね、鼻がぶるぶるぶるーって震えてみんなが笑ってくれるど、天狗になってよがったなーって思う。仙台貨物がね、みんなをね、何があっても笑顔にさせるがら」とコメント。そして「大事なメッセージおぐりだいど思います」と「送る言葉2」へ。千葉さんはダンサー4人と手を繋いで踊りながら「みんなで笑えるように/少しだけ時間を忘れ/真っ赤なツナギでバカ騒ぎ/ほら踊って/さあ手を振って/笑って幸せになろう」という歌詞を一言一言大切に紡いで歌い上げた。

「最後にみんなでお願いするよ。お願いのポーズとって!みんながいつも笑ってられるように。幸せでいられるように」そう述べてからラストの曲「神様もう少しだけ」が始まる。途中千葉さんは「心配すなくたっていいんだよ。千葉さんがみんなの苦すみぜーんぶ吸い取ってあげるがらね!!」とフロアに向けて最上級の愛の言葉を放った。この瞬間、赤いテープが発射され宙を舞う。千葉さんは頭・両手・鼻で四点倒立をしてから起き上がって「ありがどー!!」と叫び、スクリーンにツアータイトルが浮かび本編は幕を閉じた。

「アンコール!」の代わりに「ワンモアゲイ!」の呼び込みでメンバーが再びステージへ。「みなさん、ワンモアゲイどうもありがどー!」そして、ニコ生は終わったと宣言をして「こごがらはもうね、千葉さんだぢど、お前だぢのひみづのくうがん!」と嬉しそうに告げる千葉さん。何が起こるのか期待と不安がよぎる。


サティの元に、千葉さんの顔とたくさんの目がペイントされたアコースティックギターが運び込まれ、「キラキラしたやづ持ってる?出さないと妖怪に祟られちゃうよ!」と光るグッズを手に持つように指示をして、「男たちの晩夏」へ。ギターをバックに千葉さんの語りが始まり、その最後に「西日の差し込む縁側で 珍々がー!うんこしたー!!」と絶叫。自分で言ったにも関わらず、震えながら笑っている千葉さんの姿に王珍々が見せる神妙な表情がまた笑えてくる。そしてバンド全体での伴奏に変わり、たくさんの光がフロアで左右に揺れていた。「みんなでうだうよー!」演奏が止み、コーラスのみが響く。とても美しかった。

2015年も、無事に活動ができたという報告とともに「まだ来年帰ってくるがら、そんとぎはまだ、仙台貨物のライブに帰ってくるんだよ!いいがなー?」と問いかけるとフロアからは「はーい!」という大きな返事が。BGMとして波の音と風鈴の音が大きく聞こえ出すと、千葉さんが、夏はBBQと花火をしてテントに泊まりたいという願望を述べ、テントに泊まった時にイケメンが隣に寝ていた場合「千葉さんから“千葉さんの若大将”が出るんだなー」とわけのわからない下ネタを前フリに「若大将」がスタートする。


「今年もね、みんなと一緒にいっぱい笑えでよがった!」「そんではおまえだづ!いげんのがーい!?最後の曲をおぐります!「チバイズム」!」とタイトルコール。飛行船が再び現れ、千葉さんはファンにハイタッチをしながら花道をまわる。「みんなありがどー!!」と感謝を伝えてから王珍々に御札が貼られ、「はいじゃあみなさん、珍々おいで帰るがらね!それじゃあみんなよろすぐね!バイバイ!まだね!」と王珍々以外のメンバーがステージを去った。

「はい、以上をもぢまして、珍々を置き去りにすて公演は終了すますたー!どなたさまもお忘れ物のないよう、ヒゲダンスでお帰りください!」と千葉さんからの影アナが入り、ヒゲダンスのBGMが流れメンバーがもう一度登場。ヒゲダンスの合間には「ウルトラソウル!」というあの曲の一部分だけが差し込まれ、会場全体で何度もジャンプをして盛り上がりトゥアーファイナルは大団円を迎えた。


  ◆  ◆  ◆

ライブ中、「笑顔にしたい」「笑わせたい」という言葉が何度も繰り返されていた。ただ単におもしろいことをしたいだけではく、仙台貨物には“伝えたい想い”があって、それが伝わっているからこそ老若男女に愛されているバンドなんだなと感じた。

本編ラストの「神様もう少しだけ」の時に千葉さんは「みんなの苦しみを吸い取ってあげるから」と言っていて、それを聞いた時に思わず涙ぐんでしまった。「もしかして千葉さんは天使なのかもしれない」そんな言葉が頭に浮かぶ。天狗も天使も羽があるし、ちょっと赤みが強めの天使なのではないだろうかと。

「癒しの宅配便」という二つ名は、伊達ではない。

text:BARKS編集部 HT

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