【ライブレポート】スリーピング・ウィズ・サイレンズ、圧巻のヴァイヴ

アルバム『フィール』でインディー・レーベルからのリリースにも関わらず異例の全米3位を獲得し、最新作『マッドネス』を契機に世界最大のインディー・レーベル、エピタフ・レコーズへの移籍を発表したアメリカのロック・バンド、スリーピング・ウィズ・サイレンズ。

◆スリーピング・ウィズ・サイレンズ画像

2015年4月に日本デビューを果たしている彼らが、2015年9月12日（土）・13日（日）に幕張メッセで行われた＜ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR＞に出演、初来日パフォーマンスを果たした。本公演は、ONE OK ROCKのニューアルバム『35xxxv』リリース・ツアーの追加公演にあたるもので、2日間の参戦となったスリーピング・ウィズ・サイレンズは、12日（土）はアゲインスト・ザ・カレント、13日（日）はイシューズといった海外バンド陣とともに、盟友ONE OK ROCKの記念すべき公演へ華を添えた。今回は、スリーピング・ウィズ・サイレンズの記念すべき初来日公演となった、9月12日（土）のショウの様子をお届けしたい。


アゲインスト・ザ・カレントがショウを終え会場に熱気が充満する中、いよいよフロアが暗転。紺碧の照明がオーディエンスとステージを包み込み、ついにスリーピング・ウィズ・サイレンズのメンバーが姿を表す。会場のボルテージが急上昇すると、アルバム『マッドネス』からの1stシングル「キック・ミー」のイントロが鳴り響いた。今アメリカで最も注目を浴びる稀代のヴォーカリスト、ケリン・クインのハイトーン・ヴォイスと爆発的なエネルギーを擁した鋭利なサウンドが、オーディエンスの心を奪っていく。世界中のロックファンからアツい視線を浴びる彼らだけあって、ステージ上の佇まいや、そのファッション、楽器の見せかたから、動きの一つ一つまで、逐一スタイリッシュな印象だ。圧倒的なカリスマ性でオーディエンスの興奮度をぐんぐん上昇させながら、突き抜けるようなアッパーサウンドが高揚感を与える「ゴー・ゴー・ゴー」、メロディアス＆ハードな音像を力一杯に繰り広げ、会場の隅々にまで凄まじいエネルギーを染み渡らせた「ベター・オフ・デッド」といったナンバーでたたみかけ、圧巻のヴァイヴで埋め尽くしていた。


ここでヴォーカルのケリンが「次の曲は、心の中に夢を持っている人、すべてに捧げるよ。」とメッセージを送ると、フロアには滑らかなアコースティック・サウンドが広がっていく。後半戦の幕開けを飾ったのは、味わい深いメロディーラインと煌びやかなサウンドが折り重なる「ゴールド」だ。タイトル同様、ゴールドの照明で照らされたフロアには、上がり切った熱気を包み込むような、柔らかな空気が流れていた。その雰囲気を保ったまま、ケリン自身も大好きな曲だと語る美麗なポップナンバー「ザ・ストレイズ」を放ち、会場は一気にドリーミーな空間に。パワフルに紡がれていくサウンドとケリンの澄み切ったハイトーン・ヴォーカルのコントラストが、美しい音の形を描き出していた。


終盤にはフロアを一躍ダンサブルなムードに仕立て上げた「フライ」、そして彼らの代表曲とも言うべき大ヒットナンバー「イフ・ユー・キャント・ハング」とグルーヴィー＆アグレッシヴな楽曲を立て続けにプレイし、オーディエンスと共に勢い良く駆け抜ける。彼らの持ち味である胸のすくような疾走感溢れるサウンド、心を揺さぶる熱量、そしてバンドとしての存在感の大きさをありありと映し出した鮮烈なステージングを披露し、この日のライヴを締めくくったのだった。

なおヴォーカルのケリンはこの日、ONE OK ROCKのステージにも姿を表し、ゲストとして参加した「Paper Planes」を共に披露。豪華なコラボレーションで会場を大きく沸かせてくれた。ここ日本でもその人気度が急上昇中のスリーピング・ウィズ・サイレンズだけに、今後の動向にも大きな注目が集まっている。ONE OK ROCKとスリーピング・ウィズ・サイレンズは2015年9月29日（火）から始まるオール・タイム・ロウの全米ツアー、「Back To The Future Hearts Tour」にも揃って参戦予定だ。




◆スリーピング・ウィズ・サイレンズ・オフィシャルサイト（海外）
◆スリーピング・ウィズ・サイレンズ・オフィシャルサイト
◆LINE MUSIC「Sleeping With Sirens」プレイリスト