YEN TOWN BAND、12年ぶりライブ実施。20年ぶりのシングル「アイノネ」初披露

ポスト

YEN TOWN BANDが、<大地の芸術祭2015>で約12年ぶりのライブを行ない、代表曲「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」から約20年ぶりとなるシングル「アイノネ」が初披露された。

◆<大地の芸術祭 2015 YEN TOWN BAND @NO×BUTAI produced by Takeshi Kobayashi>画像

オフィシャルから届いたライブレポートでその模様を紹介しよう。

  ◆  ◆  ◆

YEN TOWN BANDが、約20年ぶりに再始動を果たした。

9月12日に行われた一夜限りのライブは、息を呑むような特別な体験だった。場所は新潟県十日町まつだいの「農舞台」。これまで数ヶ月にわたって「大地の芸術祭」の会場となり、数々のアート作品が展示されてきた場所だ。観客に囲まれる形で設計された特設ステージの向こう側には里山の自然が広がる。

開演時間となり、大きな歓声の中、小林武史とバンドメンバー、そしてCharaが登場。SEからセッションを経て最初に歌ったのは「Gold Rush」だ。ピアノとギターのシンプルな演奏に乗せて歌声が響いた瞬間、その場の空気がガラリと変わる。

コケティッシュな「上海 ベイベ」を歌い終えて笑顔を見せたCharaは「みんな元気ですか? グリコです」と声をかける。映画『スワロウテイル』で彼女が演じた主人公の名前だ。そして「次の曲は、グリコが会ったことのないお母さんに向けて書いた曲です」と、「小さな手のひら」を歌う。純白のドレスを着た彼女は最後まで“グリコ”としてステージに立っていた。

映画の中でも重要な位置付けとなっていたフランク・シナトラのカバー「My way」に続けては「まだタイトルは決まってないけど、僕らの中では“EL”と呼んでいます」と、新曲を披露。思わず引き込まれるような壮大なバラードだ。

終盤には、この場所ならではの“自然の演出”も生まれていた。日が暮れてあたりが暗くなり、まるで紙吹雪のように舞う沢山の羽虫に青や緑のライトがあたり、異世界のような光景が生まれていた。「これが蝶々だったらいいのにね」とCharaが笑う。

そして「沢山の愛、多様な愛がこの世界にあればいいなという願いを込めた曲です」と小林武史が語り、新曲「アイノネ」を披露。シンプルだが力強いビート、そして包容力を持ったメロディが印象的な、新たな時代のアンセムになりそうな一曲だ。最後は全員を魅了した「Swallowtail Butterfly」。感動的な余韻を残して、バンドはステージを降りた。

単なる復活劇ではない。約20年の時を経て、架空のバンドに新たな“命”が宿った。そんな確信を抱くようなライブだった。

新曲のリリース、そしてJFLキャンペーンのZeppツアーも決定している。物語はまだまだ続く。その先行きに大きな期待の高まる一夜だった。

text by Tomonori Shiba
photo by Yoshiharu Ota

  ◆  ◆  ◆

約20年ぶりのシングルとなる「アイノネ」は、ユニバーサル ミュージックより12月2日に発売されることが決定。ジャケットアートワーク(初回盤、通常盤ともに)は岩井俊二が担当し、初回限定盤ボーナスCDには、<大地の芸術祭 2015 YEN TOWN BAND @NO×BUTAI produced by Takeshi Kobayashi>のライブ音源を抜粋収録する(「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」を含む3曲を予定)。

また、シングル「アイノネ」リリースに合わせて、当時初登場1位を獲得したアルバム『MONTAGE』のデジタルリマスター盤もリリース。再発売されるにあたり、初回生産限定盤は三方背BOX仕様となり、DVDには映画『スワロウテイル』が収録される。さらに12月23日には、同アルバムのアナログ盤リリースも決定。本作のリマスタリング&アナログカッティングは、Metropolis Studiosのエンジニア・John Davisが手掛ける。

なお、今回のライブの模様は、11月下旬にスペースシャワーTVにて特別番組として放映される。

この記事をポスト

この記事の関連情報