【ライブレポート】中島卓偉の全国7公演ライブツアー、“過去類を見ないほどの猛烈な”初日迎える

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9月12日よりスタートした中島卓偉のライブツアー。そのありえないほどの盛り上がりが、ファンの間で早くも話題となっている。初日公演の模様を(極力ネタバレを避ける形で)レポートしたい。

◆中島卓偉 <TAKUI NAKAJIMA LIVE TOUR 2015 PUNKY SIXTEEN,GOES TO THE FUTURE>新横浜 NEW SIDE BEACH!! 画像

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<TAKUI NAKAJIMA LIVE TOUR 2015 PUNKY SIXTEEN,GOES TO THE FUTURE>初日を迎えた新横浜 NEW SIDE BEACH!!。開場が始まると、女の子たちはステージ前方へと足早に向かう。一方で、側方や後方になんとなくポジションどりをするのは男性陣。それは、卓偉もしばしば口にする“女の子たちへの配慮”という意味合いもあるだろうし、卓偉のライブにおいて、ステージとの距離がライブを堪能するのに大した問題にはならないことを知っている、ということもあるだろう。いや、最近に限って言えば、他アーティストへの楽曲提供や番組出演などを通して初めて中島卓偉に触れたという人が、ひとりで参加しているケースのほうが多いのかもしれない。現に開演前の客電がついたフロアを見回しても、男性陣の年齢層は実に幅広い。この日に限って言えば、休日出勤帰りであろうか、ワイシャツ姿の年配男性の姿も。

こんな多種多様な人たちが一堂に会するフロアで、彼らをつなげるもの。それが、まもなくこのステージに立つ、中島卓偉という存在なのである。

開演時間直前になり、フロアのざわめきは、やがて卓偉の名を呼ぶコールへ。そして、期待感が最高潮に達した時、いよいよ会場は暗転。悲鳴にも似た歓声が上がり、ステージに向けて急激な圧縮が発生していく。生熊耕治(Gt)、鈴木賢二(Ba)、石井悠也(Dr)によって奏でられたサウンドに混ざるクラップ。そして観客が伸ばした手の先、煌々と照らされたステージに卓偉が姿を現した瞬間、そのボルテージは大歓声へと形を変える。もうそこからは、飛んで跳ねて、誰もが卓偉並にシャウト。フロアは一気に興奮の坩堝と化す。

「行こうぜ横浜!」

卓偉は、拳を掲げて眼光鋭くオーディエンスを煽っていく。ステージから放たれるヒリつくビートのシャワーに幾度も撃ち抜かれた観客は、声を張り上げては拳を突き上げる。“熱狂の渦”なんてものがあるならば、その中心点は間違いなく新横浜 NEW SIDE BEACH!!。オーディエンスからヤバい熱量をこれでもかと見せつけられた卓偉も、思わずニヤリとOKのサインを返す。

「さあさあさあ、やっちまおうぜ!」

タオルと髪を振り回す“どうなってもいい奴ら”の狂乱と、ギラついたサウンドを銃弾の代わりにして、ひとりずつ確実に仕留めていく卓偉。そしてその強靭な歌声に呼応した観客のエモーションが、会場の鼓動かのように轟く。ステージとフロアの一体感は、隣の横浜アリーナすらをも飲み込まんとする勢いで猛烈な熱量を生み出しながら暴発寸前。日常という名のリミッターも完全に振りきれて、今夜の最高の瞬間へと全力で駆け上がっていく。

「俺、いつも心が熱いから。どれだけ熱いかというと……そうね。松岡修造と同じくらい。」

激しい曲の連続の後には、そんなMCで場を和ませてみせる。かと思えば、「次は、知ってても知らなくても、好きでも嫌いでも叫ばないといけないコーナーだから。」と、地鳴りのようなヘヴィなビートが観客の内臓と魂をひたすら揺さぶる。うねりのような興奮の波間で、ステージ上、卓偉を包み込む強烈な光の向こう側を求めんと、オーディエンスは叫び、歌う。でもよく考えたら、コーナーとか関係なく、冒頭からみんな叫んでいるし、歌っている……!

そして最後は、卓偉が今にも喉を掻き切らんとばかりに絶唱。フロアも卓偉からぶつけられた感情に共振するかの如く、力の限り大合唱。それでもなお、卓偉は体を震わせながら、ただひたすらに叫び続ける。

「みんなの声、聞かせてください! もっと!もっと!!」

歓喜と興奮、喧噪と熱狂。すべての楽曲を披露し終えて、再び煌々と照らされたステージ上で、中島卓偉とバンドメンバーが両手を高々と掲げた時、この日この瞬間をともに分かち合えた喜びは、大きな喝采へと変わったのだった。
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