【イベントレポート】PUFFY、中島美嘉からウィル・アイ・アムまでボランティア

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2015年9月5日(土)<RockCorps(ロックコープス)supported by JT 2015>の132回目となる最後のボランティアイベントと、プロジェクトを締めくくるライブイベント“Celebration”(セレブレーション)が、あづま総合体育館(福島県福島市)にて行われた。

◆<RockCorps supported by JT 2015>画像

東日本大震災の被害を受けた福島県旧佐原小学校応急仮設住宅では、敷地内の清掃や備品の修繕、ペンキ塗りなどを行うボランティアイベントが実施された。ボランティアが進む中<RockCorps supported by JT 2015>のセレブレーションに出演するウィル・アイ・アムがサプライズでボランティアに参加、その登場にボランティア参加者達からは驚きと喜びの声がわきあがった。




ウィル・アイ・アムは、ボランティア参加者全員とグータッチを交したあと、仮設住宅内の老朽化したベンチの修繕作業を行った。中でも、棚にペンキを塗る作業で「will ワールドを描いて欲しい!」という、ボランティア参加者からの要望にウィル・アイ・アムは、黄色をメインにしたwilのトレードマークである“ウィルCHAN”を描いてみせた。鮮やかな青と赤で縁取られた男の子と女の子をそれぞれを描き、真ん中には“ウィルCHAN”というサインを書くなど、ボランティア参加者の人々と積極的にコミュニケーションを交わしていた。

作業終了後、集合写真では「ワン・ツー・スリー・ウィルCHAN!」という掛け声で、参加者と一緒にガッツポーズ。ウィル・アイ・アム は「Celebrationの開催を、ボランティアに参加してくれた皆と共に祝い、共に楽しめることが待ちきれないです!」とコメントし、万雷の拍手を受けながら会場を後にし“Celebration”会場に向かっていった。




ウィル・アイ・アム とともに、“ウィルCHAN”を描いたボランティア参加者の高久奈美さん(福島県郡山市在住)は、「まさか憧れのウィル・アイ・アムに会えると思っていませんでした!とてもフレンドリーで、私の地元である福島で一緒にボランティアが出来たなんて、夢みたいです」と興奮した様子だった。

あづま総合体育館(福島県福島市)にて、15時から<RockCorps supported by JT 2015>を締めくくるライブイベント“Celebration(セレブレーション)”が幕を開けた。会場には、本年のボランティア参加者3280名が集結、「RockCorpssupported by JT 2015」の白Tシャツを身にまとい、一緒にボランティアイベントを経験した仲間との再会を喜び合うシーンがあちらこちらで見受けられた。







“Celebration”のトップを飾ったのは、海外でも活躍する日本のポップアイコンPUFFYだ。PUFFYがステージに登場し、オープニングソング「愛のしるし」がスタートすると、会場の熱気も最高潮に。MCトークでは「今回RockCorps に呼んでいただいて、大変うれしく思っています。私たちもボランティアに参加したんです!一緒の人もいるかな?初めて会う方も楽しんでいただけたら良いなと思います。盛り上がっていきましょう!」と盛り上げ、観客の大きな手拍子に包まれながら、大ヒットソングを熱唱。最後の曲「アジアの純真」では、曲の中で亜美と由美が目を合わせて「福島ー!」と、観客に向けて呼びかける姿もあった。






次に登場したのはHOME MADE家族。同グループの代表曲ともいえる「キミガイタカラ」の前奏が流れると、来場者は興奮を抑えられない様子だ。ボーカルのMICROは「ライブ前から一つになっているこんなライブ見たことない!音楽を通して家族の様な1つのものになること。つまりここにいるみんなは家族だと思っていんだよね!」と、観客に向けて、熱いメッセージをおくった。




続いて中島美嘉が登場、様々な世代から人気を集める中島の歌声に観客は大興奮だ。中島は「実は私もボランティアに参加しました!みんなお疲れ!みんなに元気をあげにいったのに、逆に元気をもらっちゃいました」と自身が参加したボランティアのエピソードを語り、会場は盛大な拍手に包まれた。





“Celebration”のラストバッターを務めたのはウィル・アイ・アムだ。世界的アーティストの登場に、会場から大きな注目が向けられると、日本でも大ヒットを記録した「This Is Love」でライブがスタート。途中「日本は僕が地球の中で愛している場所の一つ。日本人は“サイコー!”」と呼びかけ、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。パフォーマンス終盤には「ボランティアに参加した皆さん、本当にグッドジョブ!みんなの力が集まっている、ここ福島は自信をもってほしい、とても勇気をもらいます。この街が大好きです!ありがとうございます!」とコメント、一体感に包まれた会場は、最後まで大盛況のまま幕を閉じた。




≪ウィル・アイ・アム ステージ前インタビュー≫



──ロックコープスに参加したきっかけは?

ウィル・アイ・アム:2013年に仙台、今年はバンダ・アチェでボランティアに参加して、その時オファーをもらいました。それがきっかけで参加しました。

──ロックコープスのイメージは?

ウィル・アイ・アム:とてもこのアイディアを評価しています。コミュニティを作ったり、災害を受けた場所を復興させる手伝いを、エンターテイメントの力を使ってできることがとても素晴らしいと思います。

──今日のボランティアの感想を教えてください。

ウィル・アイ・アム:仮設住宅で本棚作りを行い、(そこに)絵を描きました。もっと絵を描きたかったし、くぎ打ちなどももっとしてみたかったです。昔住んでいたところにも少し似ていて、懐かしさもありました。

──ロックコープスへの意気込みを教えてください。

ウィル・アイ・アム:ボランティアをやった人への感謝を持って臨みます。そして東北の被災された方たちのためにも。アメリカではカトリーナの被害にあった地域もあり、今回の日本で得たインスピレーションをアメリカに持って帰りたいと思います。復興に向けて立ち上がろうとしているその姿に、世界に広めたい。そして世界の復興を必要とする人々は、この姿をみて学んで欲しい。

≪PUFFY ステージ後インタビュー≫



──ロックコープスに参加したきっかけは?
亜美:こういう機会をいただけたというのが一番大きいです。(ボランティアを)自発的にするのって色々考えてしまうんですけど、今回このようなお話をいただいて、みんなと力を合わせて何かをするっていうこのような前向きな活動があるのなら、ぜひ!と思って、参加しました。

──東京で東北のためにボランティアした感想を教えてください。

由美:私たち自身初めての経験だったのでどうなるかと思ったのですが、テーブルごとに班があって、みんなで一つのものに取り組むというチームワークが生まれました。私たちの参加したテーブルは、全員が初対面だったのですが、「みんなで一緒にがんばろうね!」という一体感があり、とても良い場所でしたね。

──具体的に参加者とどんな会話をしたか教えてください。

亜美:役割分担をした中で、ユミちゃんがシールを貼って、私が隣でサポートして、そしてその隣の人が私の作業がしやすいようにテーブルを整えてくれて、そしてその次の人が写真をスキャンして・・・って、「はい次!はい次!」みたいな感じですごく早く作業できました!

──音楽の力がどのように復興に貢献できると思いますか?

由美:まさにロックコープスがそうだと思う。自分1人が何かをやろうってのはとても大変だと思いますが、みんなでこうやって集まってボランティアするきっかけがあること、これも音楽の力だと思うんです。

亜美:みなさんから見て、PUFFY って“楽しい活動をしている”というイメージがあると思います。実際、私たちもPUFFY をやっていてすごく楽しいので、一緒に楽しい気持ちになっていただけるっていう最適な場所がライブだと思っています。なので、非常にいい機会だったんじゃないかなって思います。

──これからの福島について、メッセージをお願いします。

由美:自分たちが思い立ってすぐできることは音楽を通したことが一番大きいと思うので、(こういった活動が)もっともっとたくさん広がればいいなと思います。また機会があれば私達もやりたいなって思います。音楽って人生をすごく変えるってわけではないですが、少し幸せだったり、ハッピーな気持ちになるんじゃないかなって思うので、そういった手伝いを私たちはできるかと思っています。

≪HOME MADE 家族 ステージ後インタビュー≫



──今日ステージに立ってどんな気持ちですか?

ミクロ:参加したみなさんと同じ気持ちだと思います。今回、僕らもみんなと同じようにボランティアに参加しました。「RockCorps」は、1人1人が1 つの目的のもとで活動が行われているます。僕もみんなと同じ気持ちでパフォーマンスに臨めると思い、ステージに出るときからワクワクしていました(笑)

クロ:みんなでボランティアをしたので、今日は一緒に空気を作っている感じで、暖かかったですね。

──震災後に今日の会場のあづま総合体育館に来ましたが、久々の感想はいかがですか?

ミクロ:こうやって皆さんが暖かく迎えてくれて非常に嬉しいです。体育館って、以前はみなさんが生活をされていた家だったと思うんですけど、そこに僕達が「ただいま」という形で帰ってきて、その場所で大きいライブができるっていうことがすごく嬉しかったです。

──来場されている方々にどんな声をかけたいですか。

クロ:何事も、楽しくやっていくことが長く続けていく秘訣だと思っています。今後も呼ばれたら喜んでいきたいですし、「RockCorps」を来年も日本でやるのであれば、今年の参加者が、また参加したいと思ってくれたら嬉しいです。

≪中島美嘉 ステージ後インタビュー≫



──仮設住宅でのボランティアを通じて、今日どんな思いで歌いましたか?

中島美嘉:ボランティアがあったからこそのステージでとてもよかったです。会場のみなさんの心に、少しでも響くように歌いました。

──メッセージ性の強い曲が多いセットリストでしたが、その理由は?


中島美嘉:<RockCorps supported by JT 2015>参加者のみなさんは、ボランティアやライブに来てくれてとてもありがたかったです。いつもは切ないバラードも多いですが、今日はあたたかい気持ちになれる曲を選びました。

──ボランティアに参加した人にどういった言葉をかけたいですか?

中島美嘉:ボランティア会場では、2年連続で「RockCorps」に参加した方と一緒に作業を行いました。今年「RockCorpssupported by JT 2015」に参加してくれた方も、ぜひ積極的に今後もこういった活動に参加してほしいです。私も、様々な形で活動を継続できればと思います。

<RockCorps supported by JT 2015>

【ボランティアイベント】
9月5日(土)
活動場所:福島県福島市土船字新林
ゲスト:ウィル・アイ・アム(ウィル・アイ・アム)
活動内容:仮設住宅におけるコミュニティ創出のためのお手伝い
活動の目的:仮設住宅に住むことを強いられている方々の生活を支えること
受入団体:復興支援センターMIRAI

【ライブイベント“Celebration”】
名称:RockCorps supported by JT 2015“Celebration(セレブレーション)”
日時:2015年9月5日(土) 14時会場/15時開演/19時終了
場所:あづま総合体育館(福島県福島市佐原字神事場1 あづま総合運動公園内)
ゲスト :PUFFY、HOME MADE 家族、中島美嘉、ウィル・アイ・アム
来場者数:3280人

≪<RockCorps supported by JT 2015> ボランティアイベントデータ≫
開催数:132回
総参加者人数:3504人
内容:
・地域産業支援プロジェクト ~農業や牧場支援など、被災地域の産業の復活を一緒にめざす~塩害を受けた土壌の再生を目的に綿花を育てるお手伝い、現地産のワカメを使って飼育される羊の世話、事業者マップの作成など
・環境再生プロジェクト ~野外で体を動かし、被災地の環境美化に取り組む~がれきの撤去、側溝にたまった泥出し、被災した民家の片づけ作業や、庭掃除など
・暮らしサポートプロジェクト ~暮らしの小さな悩みや困りごとを解決する~地域の夏祭りのお手伝いや、津波の被害を受けた写真の洗浄作業や整理、仮設住宅の清掃や草むしりなど

■世界的ボランティアムーブメント「RockCorps(ロックコープス)」とは
「4 時間のボランティア活動をすると、有名アーティストが登場するライブイベントに参加できる」という仕組みで、これまでに10 か国34 都市、16万人が参加、600,000 時間以上のボランティア活動が地域社会に還元された。RockCorps プロジェクトを締めくくるライブイベント“Celebration”(セレブレーション)には、過去、レディー・ガガ、リアーナ、スヌープ・ドッグ、マルーン5、デビッド・ゲッタなど世界的に人気のアーティストが出演し、熱狂的な盛り上がりを見せてきた。日本では、“新しい社会貢献のカタチ”として「RockCorps supported by JT」を2014年に初開催。国内2 回目の開催となる<RockCorps supported by JT 2015>では、東日本大震災の復興支援を目的に、3504 人のボランティアによる、のべ14,016 時間分のボランティア活動を創出。ライブイベント“Celebration(セレブレーション)”を、2015年9月5日(土)に あづま総合体育館(福島県福島市)にて開催。3280 名が来場した。“Celebration”には、PUFFY、HOME MADE 家族、中島美嘉、ウィル・アイ・アムの計4組のアーティストが出演。全出演アーティストが、ボランティアイベントに参加した。
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