【ライブレポート】コレサワ、この愛されキャラもポップな歌も絶対支持。12月に新EPも決定。

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シンガー・ソングライターのコレサワが、昨日9月3日に配信シングル「シュシュ」のリリース記念自主企画<シュシュッとパーティー>を開催した。今回BARKSでは、そのライブレポートをお届けしたい。

◆コレサワ ライブ画像

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この日の会場は渋谷のCHELSEA HOTELであったが、300名というキャパは正直小さかったなぁというのが観終わったあとの感想だ。それは来場者がぎっちり詰まった容量的にもだし、コレサワの超が付くほどのポップな音楽性にもよる。だって、彼女の歌は限られた人にだけ向けられるべきではない!と啖呵を切りたくなったのだ。アンコールを受けて登場したコレサワから、12月にEPをリリースすることが発表されたのだが、その直後、同作に収録される新曲の演奏を初めて聴いているのに普通に曲にノってる自分がいてびっくりしたのである。コレサワ凄いな、と思った。会場にいた他のファンについても、置いてけぼりになってる人はいなかったと思う。

愛されるために次々と生まれてくるのがコレサワの音楽である。このポップミュージック、絶対支持だ。ちなみにコレサワは、アーティスト写真やジャケット写真で自らの顔を公表していないため、今回のライブ写真も顔はわからない。かわいいのに。だがまぁ、現在はその代わりにクマのキャラクター「れ子ちゃん」が表立った顔となっている。



私がこれまで観たことのあった彼女のライブは、弾き語りのソロのものだけだった。裏声がとても繊細に響く発声の仕方や、耳元でささやかれているように圧倒的な感じのする低音の発声は、彼女の持ち味である。その熱っぽい歌声に強烈に惹きつけられる凄く素敵な弾き語りをしてくれる。でも今回のライブは、対バン相手として登場した「アカシック」と「しなまゆ」の派手なバンド演奏に続くかのように、コレサワも、ドラム、ベース、ギター、キーボードを担当するサポートメンバーを連れたステージであった。弾き語りは、女の子の本音を綴る共感性の高い歌に対してお客さんひとり一人の中で静かに盛り上がる感じだが、やはりバンドセットだとサウンドにつられて思い切り楽しんでいる光景が広がる。オープニングを飾った「真っ赤な爪と牛乳」から一気に会場はひとつになって、いつもはコレサワの歌に感じる切なさも、みんなで合唱するとあっけらかんと楽しめて、なんだか純粋に元気が出る気がした。

「ありがとうございます!<シュシュッとパーティー>へようこそ!」と挨拶をしてから「ショートカット好きな人いますか?」とコレサワが呼びかけると、ひとりの男性が「は~い!」と健気に挙手。すると、「ホンマにショートカットが好きなん? ショートカットで可愛い子が好きなんじゃなくて?」という鋭い返しをして、「ショートカットに憧れて」へ続いた。こうしたくだけた独特の雰囲気もコレサワのライブの楽しいところ。とびっきりの愛嬌がコレサワの希有なキャラクターだ。

ライブの演奏そのものも、バンドが一丸となって盛り上げる時とスッとバンドが引いて歌声だけになる瞬間の緩急も、とてもクセになるもので、なんと言うか、またすぐにコレサワのライブが観たい…。

コレサワの歌は、例えるならaikoの歌のようにわかりやすさと共存して何故かドキッとしてしまう瞬間が忍ばせてあると思う。中毒性が高いというのはこういうことだと感じる歌ばかりだ。そして、曲の完成度が異様に高い。本人は「私を初めて観た人も楽しめていますか?」と演奏後に少し心配していた「憂鬱も愛して」の展開なんて、とてもドラマチックだった。心境とシンクロするように不安定な旋律を行くマイナー調のAメロも、切ないサビも、さらに切ないのに不思議と寄り添ってくれてるように思えてくる大サビも、すべてが見せ場になっていた。思わず会場にいる人達はみんな心底グッと来てしまったようで、歌にすごく集中していた。だから、コレサワは、静かになった会場の雰囲気を振り払うように「18歳の時に作ったバカみたいな歌をやります!」と次曲の「わんちゃん」を威勢よく歌い始めたが、ああいう静けさに関して心配しないで欲しい(笑)。

そして今回の主役であるナンバー「シュシュ」で、まさにフワフワと真綿のように心地いいメロディが会場を包んだのち、イントロからハンドクラップが起こった「君のバンド」へ。サビにあたる「あたしの好きなバンドはなぜか」に続く「ちっともちっとも売れない」をお客さんに歌わせると、大きな合唱が起こった。キャッチーなメロディと、わかりやすくて最後は前向きに終わっていく歌詞は、コレサワの親しみやすくて超キュートな歌声が特に際立つもので、問答無用のキラーチューン。大盛り上がりの光景を目の当たりにして、みんなもきっと初めて聴いた時から一瞬で射抜かれてしまったのだろうなと想像できた。



アンコールでは、12月にEP『女子、ジョーキョー。』をリリースすることと、そのリリースツアー<上京女子がゆくバンドツアー>の開催を発表した。新作は、女の子のいろんな“状況”を歌にした5曲が収録されるという。もうこれは、楽しみ以外の何ものでもないです。最後の最後に演奏した新曲「あたしを彼女にしたいなら」は、彼氏の条件を挙げていくというコレサワらしい歌詞がカワイイが、歌メロは気持ちブレイクビーツなギミックも加わったもので、そのアクセントに耳を奪われた。だけど、誰もが初めて聴いてもすぐに好きになれるというこれまた優れたポップソングとして仕上がっており、彼女はいま、疑う余地のない上り調子にいることを教えていた。

2月7日(日)から始まる5大都市ツアー<上京女子がゆくバンドツアー>は、ファイナル公演を2月18日(木)に渋谷WWWで迎える。そしてツアーとしては仙台、福岡は初めての開催だ。乱暴な言い方だけれど、このツアーでみんなさっさとコレサワを知って、好きになって欲しい。満面の笑顔で明るく歌い上げる彼女のキャラクターも、もちろんこのポップな曲も、その存在に出会えばすぐに愛される特別な魅力に溢れているからだ。

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text by RYOKO SAKAI
photo by 小坂茂雄

2015.9.3(thu)@渋谷CHELSEA HOTEL
配信Sg「シュシュ」リリース記念自主企画
<シュシュッとパーティー>
act:しなまゆ/アカシック/コレサワ

[コレサワ セットリスト]
1.真っ赤な爪と牛乳
2.ショートカットに憧れて
3.最終電車
4.憂鬱も愛して
5.わんちゃん
6.シュシュ
7.君のバンド
En.あたしを彼女にしたいなら

コレサワ 2nd E.P.『女子、ジョーキョー。』

2015年12月16日(水)発売
RECO RECORDS
distributed by PCI MUSIC INC.
RECO-003 ¥1,200(+税)

コレサワ<上京女子がゆくバンドツアー>

2月7日(日) 仙台 FLYING SON
2月10日(水) 名古屋 TIGHT ROPE
2月11日(木・祝) 大阪 FAN J TWICE
2月12日(金) 福岡 Queblick
2月18日(木) 東京 渋谷WWW

コレサワ<上京女子がゆくバンドツアー>ファイナル
コレサワ ワンマンショー「コレシアター 02」
OPEN/START 18:30/19:30
チケット料金:前売り ¥3,000 当日¥3,500 (with 1 drink)
※高校生以下学割あり。当日キャッシュバック¥1,000(必ず学生証をご提示ください)
※9月3日~11月25日まで手売りチケット販売 ※以降は手売りチケットは販売しません。
各公演チケット一般発売:12月19日(土)

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