【ライブレポート】夏の興奮と熱狂、そして切なさ。浜崎あゆみのステージで2015年の<a-nation>閉幕

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2015年もこの瞬間がやってくる。この夏もまたいくつもの熱いステージが繰り広げられ、多くの人の胸に様々な思い出の瞬間を描いた<a-nation>の最終日、その最後の1組。TRFのステージ終了直後から、客席からはその名を呼ぶコールも発生して、会場は早くも準備万端。

夏の興奮と熱狂、そして切なさを湛えた浜崎あゆみのステージが、今、幕を開ける──。

カウントダウン映像からスタートしたayuのステージ。眩い照明と吹き上がる炎の中で、TRFのステージまで降り続いていた雨も小康状態となり、味の素スタジアムに浜崎あゆみが堂々降臨。「行くぜ東京!」とシャウトしての1曲目は「Wake me up」。鎖とロープを用いたダンサーズのパフォーマンスで、抑圧された感情を解き放てと訴えかけるようなayuの力強いステージに釘付けにされたかと思えば、次の瞬間、ayu自身が鎖に縛られているというイリュージョンまでも飛び出す。さらに、大きな話題になった宇多田ヒカルのカバー「Movin' on without you」を放てば、会場全体が脈打つ巨大な生物であるかのように、観客ひとりひとりの手元で輝く光がビートに合わせて揺れる。

また2015年のayuのステージには、ゲストとしてAAAの浦田直也と小室哲哉が登場。大歓声の中で、小室が印象的なイントロを奏でて「DEPARTURES」のコラボレーションが始まる。20周年を迎えたglobeを歌うayu。それは、オリジナルとはまた違った輝きを持った浜崎あゆみによる「DEPARTURES」であり、現在も療養中のKEIKOへの大きなリスペクトが伝わってくる歌声でもあった。

さらに小室哲哉が力強く「FACE」「Feel Like dance」を鍵盤で披露すれば、スタジアムからは惜しみない拍手と歓声が送られる。

白いドレス姿で再びステージに登場したayu。「最高の夏の思い出を作って帰ってください!」と、会場をぐるりと見回して、大きく手を振って「SEASONS」へ。微笑みを浮かべながら、言葉のひとつひとつに想いを丁寧に乗せるように歌えば、スタジアムに吹く爽やかな風がayuのドレスを揺らしていく。思えば雨も上がって、浄化された凛とした空気の中で、ayuは光の中で両手を胸の前で組み、歓声をしっかりと抱きしめて「HANABI」を歌い上げる。それはまるで、この瞬間のために用意されたかのような景色を描き出す。

今度は浴衣姿にチェンジしたayuが、フロートに乗り込んで「Sunrise」からのメドレーを披露する。一緒に過ごせた夏の終わりをその最後の最後まで楽しむように、客席はタオルを回してうちわを振っての盛り上がり。「evolution」での<wow yeah>コールで会場を一体にすると、鮮やかな照明で彩られたステージでの「You&Me」と、再び浦田と小室を呼び込んで、H Jungle with tのビッグヒットナンバー「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」で、2015年の夏の熱狂と興奮を思い出にしっかりと刻み込む。

いよいよ2015年の<a-nation>最後の曲となる「July 1st」。熱気と切なさに混ざる、ayuを呼ぶ観客の声援。大合唱の中で、終わっていく夏を惜しむかのような、もしくは最後の完全燃焼とばかりに力づくで畳み掛ける何発もの打ち上げ花火が、今年も味の素スタジアムを彩ったのだった。

text by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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