【ライブレポート】牧野由依「明日からまた頑張っていけます」

8月22日（土）、メジャーデビュー10周年を記念した牧野由依のワンマンライブ＜Yui Makino 10th Anniversary LIVE～So Happy！！～＞が赤坂BLITZで開催された。

◆牧野由依画像

この日を迎えるまで2014年11月より毎月1回マンスリーでカウントダウンイベント＜Yui Makino Monthly Event“CountDown”＞が開催され、毎回、場所・内容を変え趣向を凝らした内容で毎月毎月SOLD OUTを重ねてきていた、2月の香港に始まり、ベトナム、カナダ、シンガポールの遠征と海外での活動も充実し、ひとまわりもふたまわりも大きくなった彼女が満を持しての国内ワンマンライブで、もちろん今回も満員御礼となっていた。


特別な意味を持つ今回のワンマンライブは本人もファンも気合十分だ。開演後に幕が一気に振り落とされ、ステージセンターに立つ牧野に大きな歓声が上がった。オープニングは、デビューアルバム『天球の音楽』に収録されている曲「夏休みの宿題」からスタート、「88秒フライト」「もどかしい世界の上で」を立て続けに披露したところで最初のMC「あっという間に10年が経ってしまいました。今日は私から皆さんにハッピーを届けられたらなと思います」とコメント、続けてこれまでを振り返るかのように「碧の香り」「ウンディーネ」などのシングル曲を中心に続々と披露した。

ステージ中盤では黄色から白のドレスへと衣装をチェンジし、“クラシックをもっと身近に感じてほしい”との思いから始めた恒例のクラシックコーナーに突入した。古くからの友人を迎え2人でピアノの連弾演奏には、プロピアニストばりの演奏に客席は静まり返ったが、巨大スクリーンに映し出されたその真剣すぎる真顔に、会場からくすっと笑いが起こった。「なんか一瞬、笑いが起きたんですけど…｡なんで？」と本人、大きな笑いに包まれた。


クラシックコーナーの次は、ずっと温め続け2015年6月に発売した10周年記念シングル「きみの選ぶみち」をピアノでしっとりと聴かせた。そして「旅をテーマにした4枚目のアルバムを10月7日に発売します！」とのいきなりのアルバムリリース告知の後、新曲「ワールドツアー」を初披露し、ファンを狂喜させた。

その勢いのまま「囁きは“Crescendo”」ではハートが紙飛行機のように会場に舞い、「お願いジュンブライト」ではサビで定番のフリを披露し、「ふわふわ♪」では歌詞がスクリーンに浮かぶように映し出されては消える演出が施された。本編最後は、盛り上がり曲の定番「Cluster」で締めくくった。


アンコールでは今回のワンマンの為に作ったTシャツに着替え、ミュージカル「うたかふぇ」より「わたしのオモチャ箱」、さらにはニューアルバムより新曲「星に願うなら」が披露された。ここでも改めて10年を振り返りながら「デビューする時は、歌ってどうやって歌うんだろう、って迷った事もありました。楽しい事ばかりではなかったけど、ここまで導いてくれた多くのスタッフや楽曲達に感謝しています。ここで終わりではないので、ちょっとずつでもお返しができるように、また多くのファンの皆さんにも“牧野を応援してよかった”って思ってもらえるようにこれからも頑張ります！」と思いを伝えた。その後、デビュー前のオーディションで弾き語りで歌った曲「オムナマグニ」をトイピアノを演奏、最後は大切に歌い続けてきたデビュー曲「アムリタ」で10th Anniversary Liveは幕を下ろした。


大きな声援の中、ステージを降りようとしたところでサプライズが用意されていた。牧野本人には内緒で、高校時代の恩師が花束を持って登場したのだ。ここまで涙を見せず走りきった彼女の目に一気に大粒の涙が溢れた。動揺を隠しきれないまま、デビュー当時の先生とのやりとりを振り返るも、締めに締めきれない。ここで思い出したかのように当日の朝に決定したという「11月23日に恵比寿ガーデンホールにてコンサート決定しました！」の告知がなされた。危うく告知されずに終わるところだったものの、最後はファンへの感謝の言葉が述べられて10周年のワンマンライブは終了した。

「5月くらいから今日の準備を進めてきて、大変でしたが、あっという間に終わっちゃって。オープニングで幕が降りたら多くのお客さんがいて、一瞬一瞬が本当に愛おしくて。楽しかったですが、嬉しい気持ちの方が大きいです。明日からまた頑張っていけます！」──牧野由依





◆牧野由依オフィシャルサイト