【インタビュー】<FREEDOM>フェスが伝える“自由と絆”

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■世代を超えたアーティストの交流が生み出す化学反応

――ラインナップにはどのようなこだわりを持っていますか?さだまさしや安全地帯など、普段は若者向けのフェスには絶対に参加しないようなアーティストの参加にはとても驚きました。

若旦那:大御所と言われるアーティストの方々に参加していただくことにはいくつか理由があるんですけど、そのひとつがフェスによって私たちも成長しなければならないという思いですね。

ワンマンライブばかりをやって他のアーティストとの交流がなくなっていき、特定のファンとの関係を生み出していくような音楽シーンだけではなく、伝統芸能の継承のように先輩アーティストたちが生み出してきたものを受け継いで後輩たちに渡していくために、フェスを通じて世代を超えたアーティスト同士が交わっていくことはとても大事なことなのではないかと考えています。

フェスは同世代のアーティストばかりを集めて絆を強くすればいいというものではありません。上の世代と下の世代を繋げていくこともフェスの重要な役割であると思うし、自分たちのファンの皆さんには、自分たちが影響を受けた先輩アーティストの方々が生み出す“いい音楽”にも触れて、その魅力を感じて欲しい。若い人たちは、さだまさしさんの音楽に触れる機会なんてまずないじゃないですか。でも<FREEDOM>の会場でさださんと若いお客さんという本来出会うはずのない両者が出会えば、予定調和を覆すような刺激を、お客さんたちも、さださん自身も、お互いに受けるのではないかと思うんです。そんなサプライズな化学反応が今の私たちには必要じゃないかと思っています。

――確かに、フェスはお気に入りのアーティストに触れるだけではなく、新しい音楽の魅力と出会ったときの感動も、重要な要素ですよね。

若旦那:自分自身も、“新しい自分”に出会った瞬間が一番うれしいんです。新しい音楽との出会いから感じたことやそこで生まれた色々な気づきから、色々なインスピレーションが生まれると思うし、世代を超えた人と人の理解が生まれると思います。さだまさしさんや安全地帯さんを若い人たちが聴いて、「俺の親父やお袋はこんな音楽に感動してきたんだ」って思って親子の理解が深まったりすれば、そこからまた新しいものが生まれたりするんじゃないかな。

■来場者のホスピタリティはアーティストのブッキングと同じくらい重要

――<FREEDOM>は女性に優しいフェスだと伺っていますが、運営面でのこだわりも教えてください。

若旦那:このイベントの旗振り役がMINMIだということもあって、「パパやママになってもいつだって遊びに来れるフェス」というMINMIの考える運営コンセプトを中心に、小学館さんと共同で企画した託児所を設置したり、授乳室を用意したり、妊婦さん向けのグッズを用意したり、女性向けのパウダールームを用意したりなど、ママでも安心・安全にフェスを楽しめるような様々な工夫をきめ細かにしています。

こうした工夫は、MINMIの女性ならではの視点や気配りによるところが大きいですね。男性では気づかないようなところにも配慮していると思います。出産・妊娠するとこういうフェスに気軽に遊びに来れなくなってしまう女性も多いですが、私たちはこの時だけは自由に音楽を楽しんでほしいという思いがMINMIの中で強いのではないかと思います。

こうした快適な施設の設置やサービス向上のための予算の捻出は大変で、託児所はお子さんを預かるということで責任も伴い、決して簡単なことではありません。こうした設備よりも集客力のあるアーティストのブッキングに予算を使うべきではという点も話し合われてきました。しかし、僕たちは提供するサービスの質を高めることでお客さん一人ひとりの満足度をしっかり高めようという思いで、ママ向けの環境だけでなくトイレ、食事、景観、地元との関わりなどホスピタリティの面も、アーティストのブッキングと同じくらい大切なことだと考え、力を入れています。フェスはキャスティングが全てではありません。お客さんにいかに自由に楽しく遊べるような環境を提供できるかという点に徹底してこだわってますね。

――来場者に特徴はありますか?

若旦那:やっぱり若い人が多いですね。水着や露出の多いファッションで、海沿いの会場で開催するということもあり海外のリゾート地で行われるフェスのような雰囲気を持っています。フラワーアレンジで飾りを作ってきたり、仲間同士でペアルックを着て来たり、思い思いのファッションでフェスを楽しんでいて、自然の中で自分を解き放って自由を感じてもらうというコンセプトは伝わっているのではないかと思います。
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