【インタビュー】下拓、「こいつは一体、何者だ!?」のキャッチコピーとともに現れた関西クラブシーン最前線アーティスト
■キャッチフレーズも「このシモタクって、歌ってんの?何者なん?」って感じ
■「こいつは一体、何者だ!? じゃあ、ネットで調べてみようか」と。
――その遊び心のあとに切ない「ロンリーナイト」が来るわけで。
下拓:この曲で一緒にやってるEINSHTEIN自体、まだ高校二年生か三年生で、非常にナイーヴな子なんですよ。じゃあ、この曲で、ナイーヴさを前面に吐き出せという感じで。「キャラを作り込むよりも、そのまんまのお前を出してみて」ってお願いして。ほな、一発OKでしたね。「ええやん、バッチリやん」みたいな(笑)。
――高校生と聞いてこのリリックに納得。思春期っぽいですもんね。
下拓:うん。ど真ん中ですよね。僕らのイベントに来てくれるのは若い子も多いんですけど、こういう音楽が必要な時期って若い子にはあるじゃないですか。若い時ってこういうピュアな曲が突き刺さったりしますよね。そういう曲をティーンエイジャーであるEINSHTEINが歌うとさらに響きやすいんちゃうかなと思って。大人になると、新曲とかじゃなく、自分の青春時代の曲をもう一回聴き返したりしますよね。過去の名曲とか、“あの当時、これ聴いてたわ、懐かしいなぁ”って。今の若い子たちの間で、「あの時、この曲いっぱい聴いたな」っていう思い出の曲になったらいいなぁと思います。
――この曲のあとにはKIRAさんをフューチャリングした「Be Alright」ですが、繊細な「ロンリーナイト」からの流れにはストーリーも感じますね。
下拓:うん。もともと、この「Be Alright」は「休日」的なテーマでKIRAに投げてたんですけど、テーマが変わってたんですよ。引きこもりの中から「さぁ、飛び出して」っていう感じに。EINSHTEINの曲は引きこもった繊細な気持ちの中で、“さぁ、自分を変えて行かないと!自分に自信を持とう”という感じの曲じゃないですか。だから、「さぁ、飛び出そう」っていう『Be Alright』と並べたら、それはそれでええやんと思って。
――本編の最後の「TSUBASA」ではRIP SLYMEのPESさんや、DAG FORCE、RAM HEADというまた豪華な顔ぶれで。
下拓:この曲、めっちゃ時間がかかったんですよ。アルバムを出すことが決まって、じゃあ、せっかくだったらリード曲にしたいというのもあって、じゃあ、どのタイミングで出そうかって練りながらやっていたんですよ。最初はDAG FORCEとPESくんだけでやっていたんですけど、サビでもう一人欲しいなって思って、“入れるなら誰かな?”って悩んでいたんです。最後の最後でRAM HEADにお願いしようということで出来たんです。
――ボーナストラックには9曲目の「Don't Forget」のリミックスが入ってますけど、さらに豪華になってますよね。
下拓:うん。この曲は配信してから時間も経っているので、アルバムに入れるんだったら、新鮮さも欲しいと思ったんですよ。元のバージョンももちろん入れたいと思ったんですけど、特典みたいな感じでリミックスを入れたらどうかと。はじめはボーナス的なオマケとしてサクッと作ろうって感じだったのに、自分の性格上、やってしまったらとことんこだわりたくなってしまって(笑)。結局、このアルバムの中でも最も聴いてほしいところになってしまった。リード曲にしたいくらい。今まで9曲目の「Don't Forget」をクラブでかけてて、イントロで盛り上がりをもっと作りたいと思っていたので、今までこの曲をプレイした中での「もっとほしいな」っていうところを付け加えたんです。僕が現場で感じたことをそのまま音にしたんです。
――タイトルの『♯シモタクナウ』にはどんな思いがこもってるんですか?
下拓:この作品では、一曲一曲にテーマがあるんですけど、アルバム全体のテーマっていうのは「僕」なんですよ。で、せっかく聴いてくれたんだったら、Twitterとかで「今、下拓聴いてるよ」みたいな感じでつぶやいてほしいなと思ったんですね。「シモタクナウ」みたいに。だったら、そのタイトルでええやんと(笑)。で、スタッフさんと話して、「じゃあ、ハッシュタグもつけましょうよ」ということになったので、ハッシュタグは後付けなんですけどね。
――ジャケットもインパクトありますよね。
下拓:ポスターとか見たときに、「これって何なん?フェス?映画?CDなん?」みたいな感じで考えさせたいなと思って。だから、キャッチフレーズも「このシモタクって、歌ってんの?何者なん?」って感じで、みんなで考えてくださいってことで、「DJ下拓」とかにしてないんです。で、「こいつは一体、何者だ!? じゃあ、ネットで調べてみようか」という風になったりいなと。はじめにオチを見せるのではなく意味深な感じで。実家にポスター持って帰ったら、オカンに、「いったいこいつは誰なんだ?」って二回くらい言われましたわ(笑)。
――ははは(笑)。今後の展開は?
下拓:自分の可能性がどこまであるのか、もっと自分自身で引き出してみたいですね。僕自身が歌うアーティストではないので、歌い手を育てていかなあかんとも思っているんですよ。自分はプロデューサーとしてもこれからだと思っていて、そういう意味でも自分自身で実験的なことをやっていきたいから勉強もしたいです。イベントを作ったり、大きいホールでやったり、いろんなことにチャレンジして、この先にもつなげていきたいですね。
取材・文●大橋美貴子
『#シモタクナウ』
VICL-64375 \2,700+税
01.ロック・ザ・パーティー feat. SWAY, Staxx T (CREAM), APOLLO, 寿君 & KIRA
02.DISOBEY feat. TOC
03.LIFE GOES ON feat. KIRA & CHEHON
04.Forever Be Mine feat. JAY'ED
05.夢のはじまり feat. TAK-Z & KLOOZ
06.HEY!!!! feat. KIRA, KOPERU & APOLLO
07.視界良好 feat. 野武士
08.Change The Way feat. D.A.Z.Z
09.DON'T FORGET!! feat. SHINGO★西成, DABO & BES
10.Kansaiiii 下拓 Remix
11.生 ~NAMA~ feat. かしわ
12.ロンリーナイト feat. EINSHTEIN
13.Be Alright feat. KIRA
14.TSUBASA ~はばたいて~ feat. PES (RIP SLYME), DAG FORCE & RAM HEAD
15.DON'T FORGET!! (Remix) feat. SHINGO★西成, DABO, BES, SIMON, JAGGLA & NG HEAD
ライブ・イベント情報
2015/07/24 (Fri)@ アメ村BIG STEP 大階段
<ONE MIC>
2015/07/26 (Sun)@ 渋谷amate-raxi
<STAR TUNES ~POOL PARTY~>
2015/08/13 (Thu)@ ROOFTOP BAR 00
<LIFE ~この人生もっとHAPPYに~>
2015/09/23 (Wed)
@ 岡山オルガホール
◆インタビュー(1)へ戻る