【サマソニ攻略】フェス初心者も安心、<サマソニ2015>の歩き方

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今年も<サマソニ>の季節がやってくる。サマソニといえば今や日本で随一、いやアジアでも最大級の規模と内容を誇る都市型フェスティバルの代名詞で、とりわけフェス初心者が最も参加しやすいフェスとしても定評がある。なぜか?

まず、関東と関西の2会場同時開催&出演者総入れ替えというスタイルのため、行きたい場所を選びやすい。東京会場は野外スタジアムと屋内ホールを組み合わせているので、どんな天候でも快適に参加できるのがうれしい。大阪会場は野外ステージが多いが、東京と比べてステージ間の距離が近く移動がスムースというメリットがある。どちらもメイン・ステージでは旬の洋楽ビッグネームが顔を揃え、そのほかの小中規模ステージではジャンルを超えた洋邦アーティストが入り乱れ、大注目の新人から一度は見ておきたいベテランまで、アーティストの充実度も文句なし。そして何といっても、東京会場も大阪会場も日帰り余裕のアクセスの良さ。初心者がリピーターになる確率が高いのも納得の<SUMMER SONIC>は、今年で開催16回目、8月15日と16日の2days開催だ。

そんな<サマソニ>の今年のラインナップについて「注目すべきポイントを解説する」のがこの原稿の目的だが、実はこのリクエストに応えるのは難しい。なぜかというと、見たいアーティストが多すぎるから。経験者にはわかってもらえるだろうが、前日までタイムテーブルとにらめっこして見たいアーティストのリストを作っても、当日気分が変わったり、ふと通り過ぎたステージが気になってそのまま居座ったり、時間つぶしのつもりで見たライブが抜群に良かったり。フェスの醍醐味はその場の思いつきにあり、というところだが、やはりお目当ての大本命くらいは決めておきたいという方のために、2日間のラインナップを眺めながら、「今見ておくべきアーティスト」を何組か紹介してみよう。

まずは、メイン会場となる「MARINE STAGE」のラインナップを見ていて、真っ先に目にとまるのがこの名前。そう、アリアナ・グランデ。テイラー・スウィフトが火をつけた、音楽もファッションもハイ・クオリティな洋楽女性アーティストの代表として女子人気抜群、アリアナの日本での本格的なライブ・パフォーマンスは、実は今回が初めて。音楽的にはR&BからEDMまで、様々なエッセンスを取り入れた本格派だが、そんなことを知らずとも、スレンダーなボディとキュートな笑顔で歌い踊る姿を見るだけできっとハッピーになれる、今回の注目度No.1アーティストだ。


▲アリアナ・グランデ

そのアリアナをフィーチャリングした全米4位の大ヒット「Break Free」をはじめ、レディ・ガガとのコラボレーションで大ヒットを飛ばすなど、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)のDJ/プロデューサーとして世界的に大ブレイク真っ最中なのがZEDD。若き25歳、音楽センスのカタマリ、人懐っこいイケメン、華のあるパフォーマンスと、何拍子も揃った天才アーティストのステージは、「EDMって何?」という人にこそぜひ薦めたい、魅力あふれるものであることを約束しよう。


▲ZEDD

ダンス・ミュージックというカテゴリーで言えば、ZEDDよりもさらに若い20歳にして、すでにレディ・ガガのプロデュースを手がけるなど大注目のDJ/プロデューサーのMADEONや、対照的に1990年代からダンス・ミュージック・シーンの先頭を走り続けてきた生きるレジェンド、ザ・ケミカル・ブラザーズも満を持して「MARINE STAGE」に登場。今年の「MARINE STAGE」はダンス・ミュージック祭りになりそうだ…と思った時に、忘れちゃいけないのがファレル・ウィリアムズ。DAFT PUNKと共演した「ゲット・ラッキー」の世界的ヒットに続き、ソロでも「ハッピー」の大ヒットを飛ばしたファレルは、まさに時の人。ヒップホップやソウル・ミュージックのルーツを活かした、ぬくもりのあるモダンなダンス・ミュージックを、野外の大空間で聴けると思うだけでワクワクする。


▲ファレル・ウィリアムズ

ダンス・ミュージックばかり強調してしまったが、ロック好きに薦めたいイマジン・ドラゴンズやザ・スクリプト、ラップ好きにぜひ聴いてほしいマックルモア&ライアン・ルイスと、ここ1~2年のグラミー賞受賞者がずらりと揃う顔ぶれは圧巻のひとこと。そんなツワモノたちの中に飛び込んで、われらが日本代表、きゃりーぱみゅぱみゅとKANA-BOONがどこまで盛り上げられるか。丸1日ここにいてもいいと思うほど、今年の「MARINE STAGE」のラインナップは楽しみがいっぱいだ。


▲きゃりーぱみゅぱみゅ

「MARINE STAGE」がサマソニの「顔」だとすれば、「MOUNTAIN STAGE」と「SONIC STAGE」は「身体」と言おうか「本質」と言おうか。世代を超えて届くロックバンド系が多く、重厚なベテランからイキのいい若手まで、今年も多彩な顔ぶれが揃った。マリリン・マンソンのように独自の劇的なロック美学を貫くバンドも、ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンのようにブルース・ロックの真髄を極めるバンドも、ライブが売り物のアーティストばかりなので、楽しむための予備知識はまったく不要。迷わず見ろよ、見ればわかるさ、だ。そんな中でも、特に1990年代UKロック好きの涙腺をゆるませそうなのが、「SONIC STAGE」に登場するマニック・ストリート・プリーチャーズの名盤『THE HOLY BIBLE』再現ライブだろう。その日の「SONIC STAGE」はほかにコーダライン、パーマ・ヴァイオレッツ、サーカ・ウェーヴスなど新鋭が揃い、ちょっとしたUKロック祭りの様相を呈しているので、UKロック好きはずっとここに居座ってもきっと満足するはずだ。ちなみに別の日の「SONIC STAGE」には、デンマークのMEW、アメリカのPASSION PIT、イギリスのCAST、オーストラリアのシェパードなど、こちらは実にカラフルな多国籍仕様。それぞれのカルチャーを背負いつつ、どれほどカラフルなロックやダンス・ミュージックを聴かせてくれるか、興味は尽きない。


▲マリリン・マンソン


▲ザ・ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン


▲マニック・ストリート・プリーチャーズ

一方で、別の日の「MOUNTAIN STAGE」へと目を転じると、15年ぶりのアルバムをリリースしたばかりのR&B界のスーパースター、ディアンジェロによるなんと20年振りの来日公演という、ブラック・ミュージック好き感涙必至のビッグ・ニュース!


▲ディアンジェロ

そして同日、同じステージに立つのがカナダのスーパー・ポップ・プリンセス、カーリー・レイ・ジェプセンや、日本が誇るオオカミバンド、MAN WITH A MISSIONなのだから、「MOUNTAIN STAGE」の音楽性の幅広さは果てしなく広い。ジャンルを選ばず、熱いパッションをぶつける音楽が聴きたいという方には、ぜひこのステージを薦めてみたい。

ここから先、「RAINBOW STAGE」と「BEACH STAGE」、「GARDEN STAGE」は、ジャンルも国境も世代も完全に超えた個性派アーティストが次々と登場するサマソニの深い森、もしくはびっくり箱のような大変な賑わい振りだ。手短に紹介することなどとてもできないが、たとえば郷ひろみ、水曜日のカンパネラ、SHISHAMO、Fear,and Loathing in Las Vegas、韓国の防弾少年団が同じ「RAINBOW STAGE」に立ったり、加山雄三を擁するTHE King ALL STARS、MONKEY MAJIK、BIGMAMA、スイスの新星SSWのバスティアン・ベイカーが同じ「BEACH STAGE」に登場したりする面白さ、と言えば伝わるだろうか。ほかにも、ファンク/ソウル好きなら絶対に見逃せないZAPPやジ・オリジナル・ジェームス・ブラウン・バンド、あるいは日本のラウドロック好きならば、年内解散が決まったFACTの雄姿をはじめ、9mm Parabellum Bullet、Jなどの熱いステージが観たいところ。「GARDEN STAGE」に登場するスガシカオと菅波栄純(THE BACK HORN)の異色の顔合わせも興味深いし、還暦を迎えたCharの衰えを知らぬパワーも体感したい。「BEACH STAGE」のAK-69、MIGHTY CROWN、MINMIなど日本のレゲエ/ヒップホップ・アクトの熱演にも期待したいところだ。


▲J


▲スガシカオと菅波栄純(THE BACK HORN)

さらに、規模は小さくともハートは大きく熱いメンバーに向け解放された「PARK STAGE」では、TOTALFAT、The BONEZ、WANIMAなど、ゴリゴリのパンク/ラウドロック勢が集い、“ASIAN CALLING”というサブタイトルのついた「ISLAND STAGE」では、中国、韓国、台湾、マレーシア、インドネシア、シンガポールから若いバンドが乗り込み、日本のリスナーにインパクトを与えようと意気込んでいる。その気迫はきっと、「MARINE STAGE」に立つどのアーティストにも負けないはずだ。ステージに大小はあれど上下はなし、隅から隅まで楽しめるのがサマソニの醍醐味であることは言うまでもない。

さて、見たいアーティストは、なんとなく決まっただろうか?

まだわからない?

それならそれで、サマソニの楽しみ方はほかにもまだある。たとえば、フード・エリアの充実(本当にうまいものばかり!)。たとえば、マッサージやリラクゼーションや様々な体験ブースなどの設置。物販コーナーで各アーティストのTシャツを眺めているだけでも面白いし、隣り合った人と好きなアーティストのことで楽しい会話が始まることもある。迷わず行けよ、行けばわかるさ、はさっきも言ったが、都市型フェスであるサマソニの魅力は、その入りやすさとその奥の深さにある。安心して出かけてほしい。それでは、良い音楽の日を!

なお、オーディオテクニカの特設サイト「SUMMER SHOUT特設サイト」では、お薦めアーティストが調べられる便利で役にたつ「LOVES ARTIST & DISCOVERY」が8月5日より公開された。自分の好きなアーティスト、あるいはサマソニで見ようと思っているアーティストを指定すると、あわせて観るべきリコメンドアーティストをリストアップしてくれるというものだ。初めて出会うアーティストに一目惚れしてしまうのもフェスの醍醐味のひとつ。「SUMMER SHOUT特設サイト」を大いに活用してサマソニの夏を謳歌しよう。

※SUMMER SHOUT特設サイトとは?
「サマーソニック2015であなたが注目するアーティストをシャウトしよう!」と題し、好きなアーティストをツイートするだけで抽選でオーディオテクニカヘッドホンがもらえるキャンペーンを開催中。<サマーソニック2015>の楽しみ方やお薦めアーティストなど、音楽好きにとって欠かせない情報も満載の特設サイトだ。

◆SUMMER SHOUT特設サイト
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