【インタビュー】RIZING 2 END「音楽とストリート・カルチャーがライフスタイルになったらいいなと思っているんです」
■RIZING 2 ENDって絶対こうだよねという固定概念を持たれたくない
■「メロディック」とか「ラウド」とかのカテゴリーにいたくないんです
──タイトルの『Hocus-Pocus』というのは、何かの呪文でしたっけ。
HERO-KI:『ドラゴンクエスト』で、日本のドラゴンクエストには「パルプンテ」という呪文があるんですけど、アメリカ版だと「Hocus-Pocus」なんですよ。だから、パルプンテ的なアルバムという意味です(笑)。何が出るかわからないという。ツアーも“皆でパルプンテを唱えようtour”だし。うちのベースがまた、パルプンテみたいな存在なんですよ。
──あはは。どういうことですか(笑)。
Nao:(アーティスト写真を見て)こんな感じです(笑)。この写真の感じ。
──確かに、一人だけ不思議なポーズを取っていますけど(笑)。何なんですかね。
HERO-KI:夢の世界に生きてる男なんで。現実世界にいないんです(笑)。そういう所も含めて『Hocus-Pocus』。。RIZING 2 ENDって絶対こうだよね、という固定概念を持たれたくないんですよ。「メロディックだよね」とか「ラウドだとね」とか、そういうカテゴリーの中にいたくない。もちろんそういうバンドは大好きですけど、自分らの最終目標はそこじゃないので。さっきも言ったミスチルとか、大きい場所でみんなで合唱するようなことがやっていきたいので。そこに向けて、スタートラインに立てたアルバムだと思います。
──歌詞はどれも、つらいことがあっても前を向こうという、ポジティブなものばかりだと思います。何か全体のテーマはあったんですか。
HERO-KI:今回のテーマは人が生きていく上でのこと、たとえば人生、愛、友情、喜び、苦しみとか、ライフスタイルに寄り添うアルバムを作りたかったんですよ。普段の日常で誰もが感じることを。たとえばこの曲を、私は寝る前に聴きたい、私は朝起きて仕事に行く前に聴きたい、学校からの帰り道に聴きたいとか、そう思われる曲を作りたかったんです。それを詰め込む意識はしました。同じ時を共有しているという部分で、「みんな一緒だよ」というメッセージをこめて作りました。
──そういう思考方法は昔から?
HERO-KI:う~ん、いや、ここ2年ぐらいでさらに強くなりました。今の時代は物や情報が氾濫してるし、いいバンドもいっぱいいる。でも結局歌を歌っている以上は、人が聴きたいのは本音の部分で、生きてることとリンクする部分なのかな? と感じ始めたので。今までは売れたい、成功したいという気持ちのほうが強かったんですよ。それがここ2~3年は「伝えたい、届けたい」に変わったんです。その結果の上で成功したということになりたいので、まずは目の前の人に伝えたい。隣に立って一緒に歩んでいる気持ちになれるように、歌詞を書いていきました。スイッチが入ったらすぐに書けたので、苦労した曲はあんまりないですね。
Nao:苦労したのは、メロディのほうが多いよね。
HERO-KI:メロディは苦労しました。リード・トラックの「L-tribe」は三転四転ぐらいしましたね。
Nao:「Break out! Break out!」もかなり変わったしね。
HERO-KI:「命題コントラスト」もそう。最初はまったく違う曲でした。でも今の最終形態が最高だと思えるのが良かったなと思います。歌い方にもこだわって、マニアックなことを言うと、日本語だけど32分(音譜)を意識した、細かいニュアンスは入れました。裏を意識した16分、32分で歌っているつもりです、全部。宇多田ヒカルとか、好きなんですよ。ああいう、日本語だけど英語日本語みたいな歌い方が好きで、歌詞を見るまで何を歌ってるかわからない曲もあると思うので、ぜひ歌詞を見てください。
──相当な研究家じゃないですか。
HERO-KI:いや~、自然にやってるだけです。僕は完全にフィーリング・タイプなんで。何でも聴くし、嫌いなジャンルがないので、自然にそういうものが身に付くんだと思います。
──ちなみに「命題コントラスト」は、TOKYO MXの「高校野球東京都大会中継」テーマ曲に抜擢されてます。
HERO-KI:ありがたいですね。
──逆転ホームランとか空振りデッドボールとか、野球用語がたくさん出てくるのは、先方の依頼があって?
HERO-KI:違うんですよ。たまたま出てきたんですけど、「狙ったと言っとけ」とか言われて(笑)。
Nao:すごいよね。
HERO-KI:たまたまというか、そういうボキャブラリーがあったら面白いかなと思ったので。リズムに乗って歌ってる時に、♪空振りデッドボールって、なんかハマッたんですよ。何でなんでしょうね? 僕、野球部じゃないのに(笑)。フットサルをやってるので、いつかミスチルの桜井(和寿)さんのチームに入るのが夢です。
──いい夢です(笑)。そして、ここがスタートラインと言う言葉がさっき出ましたけど。RIZING 2 ENDはアメ村のストリート・カルチャーをベースにしつつ、洋楽と邦楽、ジャンルの壁も取っ払って、ライフスタイルに寄り添う音楽をやる。そういうふうに考えていいですかね。
HERO-KI:そうですね。今回のジャケットも、グラフィティ界の大御所のCOOKさんという、CMKクルーのボスだった人に描いてもらったんですけど、XLARGE(R)との関係から派生して、今回描いてもらえることになったので。その人の周りにもたくさんすごい人がいるし。たとえばアメリカはストリート・カルチャーに関して寛容というか、お金を投資する人も多いし、見たがる人も多いんですけど、日本では煙たがられることが多いと思うんですよ。注目する時だけして、日常的じゃないというか。ずっと横にいるようなものじゃなくて、特別なものだと思われてるみたいな。
──う~ん。かもしれないです。
HERO-KI:でもLAとかに行くと、それが普通のライフスタイルとしてそこにあって。僕の中では、アメ村で遊んでた頃は、それがライフスタイルだったので。仲間と遊んだり、酒飲んだり、スケートしたり、音を楽しみにCLUBに行ったり。。そういうふうに、音楽とカルチャーがライフスタイルになったらいいなと思っているんです。一過性のものではなく。しかも僕らが今やってるような、日本語で、歌謡の入ったスタイルでやってるバンドは、なかなかいないと思うんですよ。でもそれが僕らにとってのリアルなので、ジャンルがどうとかではなく、共有してもらえたらうれしいです。
Nao:世間的にはまだまだ狭いシーンなので。一気に広がるのは難しいと思いますけど、徐々に浸透していけば。
HERO-KI:先頭を切るのは音楽だと思うので、音楽の力である程度のところまでシーンを押し上げて、そこからかなと思います。僕はストリートから入って音楽を知ったけど、入口を逆にして、もっと音楽を知ってもらってから、そういう考え方を伝えていきたいと思います。
──楽しみです。これから、シーンがどんどん広がっていくのが。
Nao:スケートランプも使わなアカンしね。僕の部屋とベースの部屋に、ランプが置きっぱなしなんで(笑)。
──部屋にランプ!? めちゃくちゃ邪魔じゃないですか(笑)。
Nao:けっこう邪魔です(笑)。ミニランプを分解して置いてあって、イベントがある日は車で運んで、ネジで組み立てて。
──早く常設できる場所を作らないと(笑)。メンバーの生活のためにも。
HERO-KI:そうですね(笑)。でもあれは、アメ村で遊んでた頃の仲間に作ってもらった、魂のランプなんですよ。ずっと大事にしたいです。
取材・文●宮本英夫
リリース情報
品番:SRBM-1011
価格:2100+税
【TRACK LIST】
01.introduction~Hocus-Pocus~
02.1.2.3
03.The Possible
04.L-tribe
05.ただ誰かを愛していたいだけ
06.Break out!Break out!
07.No More Chance Tonight
08.命題コントラスト
09.Blow Away
10.Bad Social Reality
11.Life Is Beau;ful
ライブ・イベント情報
7月13日(月)@アメリカ村CLAPPER
-ACT-
RIZING 2 END(ONEMAN SHOW!!!!)
※TOWER RECORDS限定オリジナルパスステッカーを 提示でイベントに無料で参加できます。 (ドリンク代は¥500必要になります。)
<RIZING 2 END「1st FULL ALBUM ”Hocus-Pocus”~皆でパルプンテを唱えようtour~」>
2015年7月19日(日)@高知 X-pt <ANGRY FROG REBIRTH>
2015年7月20日(月)@大分T.O.P.S Bitts HALL<AGAIN:ST 2015>
2015年7月22日(水)@広島@CAVE-BE<誰が為に鳴る#7>
2015年7月25日(土)@今池3star<CLUB 3STAR IMAIKE 4周年 Anniversary 10Days!!! 83 Present's「BIG BANG FES!!!」>
2015年7月26日(日)@心斎橋MUSIC Club JANUS<BUZZ BLASTER presents BUZZ BLASTER 『FOR REAL/be seeing you』RELEASE TOUR 2015 TOUR FINAL 『SHICHIFUKUJIN FESTA.』Vol.1>
2015年7月31日(金)@梅田Zeela<THE GAME SHOP presents 《GAME ROCK BOMB》>
2015年8月22日(sat)@渋谷Milkyway<ORBit presents ”TERIYAKI ROCK FEST”>
2015年8月28日(金)@アメリカ村CLAPPER&Pangea
2015年9月19日(土)@東京・渋谷Milkyway
2015年9月21日(月)@名古屋・今池3star
2015年9月23日(水)@心斎橋VARON
*続々日程追加!
~ツアーファイナル近日発表!!~
◆インタビュー(1)へ戻る