【ライブレポート】新曲連発、最後まで全力、アンジュルムの日本武道館公演

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最初のMCでは福田の卒業については触れず……かと思いきや、ほかのメンバーが衣装チェンジのために暗転していくステージからいなくなる中で、スポットライトが福田の姿を浮かび上がらせる。気づけば、会場を埋めた観客ひとりひとりのペンライトが日本武道館を彼女のメンバーカラーであるピンク色で包み込んでいく。「先週の『ハロ!ステ』で発表されてご存じの方もいらっしゃると思いますが、私、福田花音はこの秋をもちましてアンジュルム、そしてハロー!プロジェクトを卒業することに決めました。」と、挨拶を始めた福田だったが、「はい。えー、ピンク……。私の色、ありがとうございます。」と、その光景を目の当たりにして、彼女もまた感極まりそうになる。しかし「9人で過ごせる時間を大切に、そしてこうして応援してくださるファンの皆さんに感謝の気持ちを毎日伝えていけるように一日一日を無駄にせず、精一杯最後まで貫き……貫く?……突っ走りたいと思いたいますので、みなさん最後まで応援よろしくお願いいたします!」と、自身の決意をしっかりと口にして、頭を下げたのだった。

そしてここから自然な流れで福田花音のなんともマロテスクな一人ショートコントが始まっていく。「それではあやちょ、曲紹介、お願いします!……ええっ! いなーい!」と、ちょっとマスオさんの真似をしようと試みたものの、即座に諦めた人のような口ぶりで驚いてみせる福田。そして、衣装チェンジができる「魔法が使えたらいいのになー」と言い出したところで、ステージ上にほうきが登場。「なんでほうき? ……あ、魔法? いやいやいや、そんなことないでしょ。ほうき、魔法。もしかしてこれ、またがってみると……かは、ないですよねー。いやいや、(残念そうな声を上げる観客に)反応おかしいし。私、20歳ですよ? ほうきにまたがって魔法が使えるとか思ってないし!」

この20歳、もう完全にほうきにまたがる気マンマンである。

小芝居の後、ステージ上のスクリーンには、画面に積極的にフレームインしてしまう扇風機からの風を受けて颯爽と武道館の上空を飛ぶ福田花音の映像が流される。そして初披露されたのは「魔法使いサリー」。ご存知、“マハリクマハリタ”のあの曲だ。「なぜこの日本武道館公演でわざわざカバー曲を?」という疑問が浮かんだファンもいたかもしれないが、それは終盤に明らかになる。そしてアンジュルムによる「魔法使いサリー」は、曲が持つファンタジックなイメージを大切にしながら、より壮大に、よりドラマティックに。色とりどりの(メンバーカラーの)衣装でアンジュルムらしさを全面に出したパフォーマンスとなっていた。

そのまま「天真爛漫」「ねぇ 先輩」といったアルバム曲に、懐かしい「ショートカット」。そして今のグループ構成の基盤ともいえる、6人体制のスマイレージが初めてリリースした「チョトマテクダサイ!」へ。言うまでもなく、アンジュルムとしてリリースされた作品は、まだ「大器晩成/乙女の逆襲」のシングル1枚しかないため、ライブもスマイレージ時代の楽曲が並ぶのは当然。しかしながら、過去を引き継ぎつつも、未来を見据えての9人でのステージに、オーディエンスは歓喜する。
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