【ライブレポート】<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>2日目に「この喜びは3日後にくる」

ポスト

2015年5月11日および12日の2日間、広島文化学園HBGホールにて<ユニコーン 奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>が開催された。

◆<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>画像

このイベントは、ユニコーン恒例の“メンバーの50歳を祝う”というもので、5月12日に50歳を迎える奥田民生を祝福すべく、地元である広島で開催された。ユニコーンのメンバーとしては3人目に50歳を迎える民生(1人目=<川西幸一 50歳記念 チョットオンチー栄光の50年>2009年10月6日&7日@日本武道館 / 2人目=<手島いさむ50祭 ワシモ半世紀」2013年8月27日&28日@日本武道館)の“50祭”は、2日間で4000枚のチケットが瞬く間にソールドアウトするプレミアイベントとなった。2日目となる5月12日のラインナップは、“サンフジンズ”と“奥田民生~弾き語り~”、そして“ユニコーン”だ。

2日間のラインナップを見てお気づきの通り、民生が参加/加入しているバンド/ユニットが集結し、ほぼ民生は出ずっぱり。またチケットにはダウンロード音源として新曲2曲、タイトルは奥田民生作詞作曲の新たな決意をシニカル、かつゆるーくブルージーに歌うアニバーサリーソング「私はオジさんになった」と、メンバーからOTに捧げた民生のハイトーンヴォーカルも必聴のHM/HRソング「ロック! クロック! オクロック!」が付属しており、こちらもライブで演奏された。さらにこの模様は全国20ヶ所の映画館・ライブ会場にてライブビューイング放映され、全国各地のファンがリアルタイムで体感した。

誕生日当日の5月12日、<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>は、前日以上に祝福ムードが漂う中で幕を開けた。場内が暗転すると温かな拍手が沸き起こり、主役である奥田を歓迎した。普段通りふらりと登場した彼は、ギシギシと鳴る事務椅子に座り「はい。よろしくお願いします」とひょうひょうと挨拶。そして50歳初のライブを、「ひとりカンタビレのテーマ」から淡々とスタートさせた。曲が終わると奥田はペコリと頭を下げ、「奥田民生です。50歳おめでとうございます」と自らを祝福する。「正直、昨日で体力を使い果たしてしまいまして。2回目の最初が弾き語りでよかったです。弾き語りしか手を抜くことができません」といつもの調子でぼやき、ファンを爆笑させる。

しかし演奏が始まれば、瞬時に引き締まった表情に。哀切を帯びたギターが叙情的な歌声と溶け合った「荒野を行く」、のんびりとした空気が味わい深い「かいあって」、メトロノームにあわせて軽快に歌い上げられた「マシマロ」でオーディエンスを魅了していく。さらに盟友・斉藤和義のヒット曲「ずっと好きだった」「やさしくなりたい」のイントロを軽く爪弾き会場を沸かせるなど、サービス精神旺盛な一面も見せた。

またMCでは突然、「私、独立することになりまして。レコード会社を作ることになりました」と「RCMR(ラーメンカレーミュージックレコード)」の設立をアナウンスしてファンを驚かせる場面も。最後は名曲「イージュー☆ライダー」を観客とともに大合唱して50歳初ステージを終えた。

2番手を務めるのは、カイ ギョーイこと奥田民生、ジューイ ラモーンこと岸田繁(Vo, G)、ケン シューイこと伊藤大地(Dr)によるサンフジンズだ。ユニフォームである白衣を着用してステージに現れた3人は、1曲目としてゴキゲンなロックチューン「富士夫人」を投下。間奏ではカイ ギョーイとジューイ ラモーンがギターをかき鳴らし会場の熱気をぐいぐいと高めた。ジューイ ラモーンはMCで「OTおめでとーう」と50歳を迎えたカイ ギョーイを祝い、そのままメンバー紹介へとつなげる。

▲サンフジンズ(画像3点)

そして「俺ら医者なんですよね。医者といえば注射じゃないですか」と言うと、グルーヴィなギターリフの上にユニークな歌詞が乗る「ハリがないと」を熱演。さらに3人の豪快なセッションが展開される「サーフジーンズ」、ジューイ ラモーンのまったりした歌声が魅力のミディアムナンバー「パン屋さん」が披露された。その後もカイ ギョーイとジューイ ラモーンによるツインボーカルを生かした多彩な楽曲を通してバンドの振り幅の広さをアピールしたサンフジンズ。カイ ギョーイは「サンフジンズ、レコーディングしてまして。アルバム出ます」「サンフジンズこれからもよろしくお願いします! フェスとか呼んでね」とアピールし、最後は「ありがとーう!」と朗らかに叫んで舞台袖へと消えていった。

トリのユニコーンは、初日同様にメタルバンドのライブをイメージさせる重厚なセットの中でパフォーマンスを敢行。そろいの黒いつなぎに身を包んだ5人は、火炎や花火が上がる中で新曲「ロック!クロック!オクロック!」をプレイすると、往年の名曲「大迷惑」、近年のライブの定番曲「WAO!」を続けて披露した。民生はマイクを手に普段以上にステージを動き回り、ファンをおおいに盛り上げるも、MCになった途端に「もう大変っすね。コレ、祝ってもらってるんですかね? できれば部屋にいたい」とぼやく。すると手島が「ダメです」とピシャリと返し会場を爆笑させた。

なお初日は中盤に「ロック幸せ」が披露されたが、この日は「I'M A LOSER」が演奏されオーディエンスを驚かせた。スピーカーから「届かない 身動きも出来ない」という冒頭のフレーズが流れ出すと場内は騒然。民生は両手でマイクを包みながら、シャウト混じりの歌声で懐かしの1曲を歌い上げてみせた。一転してテンポがゆったりめの最新曲「私はオジさんになった」で自分のペースを取り戻した民生は、「これからは全部こういう曲にしようぜ。ラクだもん」「この2日間は疲れたよ……」と本音を吐露。しかし「広島で50歳を迎えられてよかったです」とはにかみ、「横浜もお越しください。EBIすごいことになるから」と10月に神奈川・パシフィコ横浜で行われるEBIの50歳記念ライブイベントを力強くアピールした。

▲ユニコーン(画像15点)

アンコールが始まると、手島とABEDONがDeep Purpleの「Smoke On The Water」のセッションで民生を迎える。アンパンマンのお面を被って現れた民生は、金の扇子を手にしながらステージを練り歩き「人生は上々だ」を朗々と歌い上げた。なお曲の途中では、ボイスチェンジャー付きマイクを使いながら会場を盛り上げたり、メンバーと茶番を繰り広げたりと自由奔放なステージングを展開する。民生は「今日はどうもありがとう」と何度も繰り返したのち、ライブを再開させようとするもメンバーはなぜか非協力的。いぶかしがる民生からマイクを奪ったABEDONが歌い出すと、いつしか「Happy Birthday to You」の演奏が始まり、後輩のPUFFYがワゴンに乗ったバースデーケーキを押しながら姿を見せた。サプライズに恐縮する民生だが、メンバーに促されてうれしそうにロウソクの火に息を吹きかける。5本のロウソクの火が消えると、会場中から「おめでとう!」の声が響く。そして民生は「ありがとーう!」と感謝の思いをシャウトすると、「人生は上々だ」を最後まで歌い切った。

「この喜びは3日後にくる。ありがとうございました! 次回は<海老乃大漁祭>です。EBIが海老を獲ってきて配るそうです」と勝手に公約したあと、民生がメンバーとともに届けたのは「すばらしい日々」。しみじみとした余韻が残る中で「ありがとう! 広島ー!」という民生のシャウトがホールいっぱいに響き、「奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”」は大団円を迎えた。

撮影◎山本倫子



■<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>DAY2
2015年5月12日@広島文化学園HBGホールSET LIST

【奥田民生~弾き語り~】
01.ひとりカンタビレのテーマ
02.The STANDARD
03.荒野を行く
04.かいあって
05.マシマロ
06.イージュー☆ライダー
【サンフジンズ】
01.富士夫人
02.さっさっサンフジンズ
03.ハリがないと
04.サーフジーンズ
05.パン屋さん
06.じょじょ
07.ふりまいて
08.サンフジンズのテーマ
【ユニコーン】
01.ロック!クロック!オクロック!
02.大迷惑
03.WAO!
04.I'm a loser
05.ペケペケ
06.ユトリDEATH
07.私はオジさんになった
08.はいYES!
09.SAMURAI 5
10.Feel So Moon
encore
11.人生は上々だ
12.すばらしい日々

■<ユニコーン EBI50祭 "海老乃大漁祭">

2015年10月2日(金)・3日(土) パシフィコ横浜
開場 / 開演 10/2 18:00 / 19:00
開場 / 開演 10/3 16:00 / 17:00
特等席10,800円(税込/お土産・ダウンロード音源付)
一等席 8,640円(税込/ダウンロード音源付) ※3才以上チケット必要
一般発売日:8月22日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888 (Weekday 12:00→19:00)
出演者:ユニコーン and more…
※今回の公演チケットも、EBI50祭用に新たに録りおろされる新曲のダウンロード音源付き!  
<SMA☆アーティスト先行>
受付期間:5/11(月)22:00~5/19(火)18:00
受付URL http://smam.jp/unicorn/ (携帯・スマホのみ)
※デザインチケット特典(当日会場にて引き換えとなります)

◆<ユニコーン EBI50祭“海老乃大漁祭”>特設サイト
◆<ユニコーン 奥田民生50祭 "もみじまんごじゅう">特設サイト
◆ユニコーン オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報