【ライブレポート】<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>初日に「次はEBIの50祭を」
2015年5月11日および12日の2日間、広島文化学園HBGホールにて<ユニコーン 奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>が開催された。
◆<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>画像
奥田民生50歳前夜ということで、開演前からお祝いムードの広島文化学園HBGホール。お祭りの最初のアクトは“奥田民生~バンドMTR&Y~”だ。お馴染みのバンドメンバーである小原礼(B)、湊雅史(Dr)、斎藤有太(Key)と奥田本人がステージに揃い「最強のこれから」よりライブがスタート。本人から「ありがとう~、誕生日ありがとう~」というコメントが飛び出すと会場は和やかなムードに。
「(今日は)先が長いんでセーブしたいと思います、ペース配分が分からないし、明日もあるからね(笑)」という流れからしっとりと始まった「スカイウォーカー」で、会場がすっかり“民生ワールド”に変貌していく。ヴォーカリストとしても唯一無二の個性を持つ民生の歌声でホールが満たされた。
「なんでもっと」を歌い終わると、「思えば、川にっつぁん(川西幸一)が50になったときに、あんなことをやったばっかりにやらないと行けない流れになって……。来年はABEDON(阿部義晴)が50になってそんなことをしているうちに、川にっつぁんが今度は60になっちゃう(笑)。それにこのタイミングでカープが凄いとこになっていますが、引続き応援のほどよろしくお願いします」と地元愛たっぷりのいかにも民生らしいコメント。ラスト2曲の「イージュー★ライダー」「風は西から」といった新旧のヒット曲はオーディエンスも大合唱でMTR&Yのステージを終えた。
続いて登場したのは地球三兄弟。地球三兄弟は、THE EARTH(桜井秀俊)とスパ de SKY(YO-KING)といった真心ブラザーズの二人と、Oしゃん(奥田民生)からなるユニット。そしてこの日はサポートとして、奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)と伊藤大地(SAKEROCK)の二人も出演した。
ステージ上にスパ de SKY、Oしゃん、奥野真哉、伊藤大地の4人が揃い、最後に真っ赤なラメのジャンプスーツに身を包んだTHE EARTHが登場。それを会場は大爆笑で迎える。そのまま西城秀樹の「傷だらけのローラ」の“ローラ”の歌詞部分を“Oしゃん”に変えて歌い出すと、会場はさらに盛り上がりをみせる。「Oしゃん、おめでとう」という言葉に続けてTHE EARTHは、「ローリーに借りていたピンクの衣装から、今日のために新調したスーツです!」と真っ赤な衣装が新作であることをアピール。会場大爆笑のまま「呼びにきたよ」「アースより愛を込めて」を演奏した。
Oしゃんが「この二人が良かったころの曲を…」と次の曲を紹介すると、すかさず「終わったみたいに言わないでよ(笑)」と返すTHE EARTH。真心ブラザーズの名曲「サマーヌード」が演奏され、最初にヴォーカルを取ったのはなんとOしゃんだったという、贅沢なコラボレーションが展開された。そして、スパ de SKYがドラムに移動すると、口笛担当の伊藤大地とパートチェンジ。THE EARTHはヴァイオリンを持って「アースの休日」が披露された。彼ららしいエンタテイメントが会場を朗らかなムードにしていく。
ここで伊藤大地が舞台を降り、Oしゃんがドラム&ヴォーカル、スパ de SKYがベースを担当して「うかんでいる」を披露。奥野真哉も袖にはけるとラストナンバー「すっごい汗」へ。地球三兄弟のメンバーだけが残ったステージもまた豪華なもの。「僕もふたりと同じスーツ作ってもらったんですけど、着る機会が無いんですよ」とTHE EARTHが語りつつ、ピースな空間を作り上げて地球三兄弟のステージが終了した。
そして、ユニコーンの登場はセットチェンジの後。天井からは鎖がかかり、鉄むき出しのステージセットが古いガレージを彷彿とさせる。その中央にはユニコーンのメタルロゴがセッティングされ、幾重に積み重ねられたマーシャルアンプが、AC/DCばりのド迫力。いよいよ会場に「Loudness」が鳴り響くと、ハードロック&ヘビーメタル・テイストの黒いつなぎに身をまとい、長髪のウィッグにサングラスをかけたメンバーが登場した。これには会場が割れんばかりの歓声に包まれる。
オープニングナンバーは新曲「ロック!クロック!オクロック!」だ。ヘヴィサウンドと火柱の演出で会場のムードが一気にハイテンションに。そしてスクリーンにはそんなハードなサウンドとは裏腹に、いかにもユニコーンらしい洒落っ気たっぷりのシュールな歌詞が映し出されて場内爆笑。ウイッグを取ると大ヒットナンバー「大迷惑」へ。OTによる「広島ー!」の掛け声のもと、先ほどがマックスかと思われた会場のテンションがもう一段高くなる熱狂ぶりだ。それに応えるようにOTもステージ上手下手へ移動してオーディエンスを煽った。続けて再結成後最初のヒット曲「WAO!」へ。ヴォーカルを取るABEDONはサビの歌詞“WAO!”を“50!”に変えて祝福ムードを盛り上げ、「奥田くん50歳おめでとう!」と本日数度目となるお祝いコメントにメンバー全員が笑顔をみせた。
「ロック幸せ」「ペケペケ」と往年の名曲披露に、プレミアチケットを手に入れて会場でユニコーンと一体になれるファンの歓喜が伝わってくる。最新アルバム『イーガジェケジョロ』から演奏されたこのセットにぴったりな「ユトリDEATH」は、OTのヴォーカルの太さ、伸び、存在感が堪能できる。さらに、新曲「私はオジさんになった」では現代批評とも取れるシニカルな歌詞が染みわたり、奥田民生の真骨頂とも言えるナンバーに改めてミュージシャンとしての懐の大きさを実感できた。
「「私はオジさんになった」に比べると「ロック!クロック!オクロック!」はカロリーの消費量が80倍くらい違う(笑)」
と笑わせるとオーディエンスにも手拍子を促しつつ「はいYES!」へ。そしてABEDONが定位置から降りてきて「SAMURAI5」を演奏すればこの日、何度目かのピークが会場を包んでいた。本編のラストはお馴染み「Feel So Moon」だ。「ありがとうございました!」という奥田民生の言葉が会場に響いて本編が幕を閉じた。
少しのインターバルを置いてアンコールへ。まずは手島とABEDONが「Smoke On TheWater」のリフをセッションして盛り上げる。ABEDONのギターには電飾が仕掛けられており、それが光りに歓声が上がる。そんな中、もみ上げを付けてひとりプレスリー風のOTが登場。前回の<イーガジャケジョロツアー>のアンコールツアーの際に名物コーナーとなっていたABEDONのボイスチェンジャー付きMCマイクをABEDONがOTへパス。「今日はどうもありがとう。アンコール、どうもありがとう」とハイトーンボイスになったMCに会場がまたもや大爆笑。アンコールのラストは「すばらしい日々」だ。ユニコーンらしい爽快感を残しながら、3部制で行われた<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>もこれにて終了。
「それでは次はEBIの50祭をお楽しみに!」というOTからのメッセージに会場中のファンが、また楽しみを一つ増やしたに違いない。まさに<奥田民生>づくしの5月11日が閉幕した。
撮影◎山本倫子
■■<奥田民生50祭“もみじまんごじゅう”>DAY1
2015年5月11日@広島文化学園HBGホールSET LIST
01.最強のこれから
02.御免ライダー
03.イナビカリ
04.スカイウォーカー
05.なんでもっと
06.快楽ギター
07.イージュー★ライダー
08.風は西から
【地球三兄弟】
01.傷だらけのローラ
02.呼びにきたよ
03.アースより愛をこめて
04.サマーヌード
05.絵
06.アースの休日
07.うかんでくる
08.すっごい汗
【ユニコーン】
01.ロック!クロック!オクロック!
02.大迷惑
03.WAO!
04.ロック幸せ
05.ペケペケ
06.ユトリDEATH
07.私はオジさんになった
08.はいYES!
09.SAMURAI 5
10.Feel So Moon
encore
11.人生は上々だ
12.すばらしい日々
■<ユニコーン EBI50祭 "海老乃大漁祭">
開場 / 開演 10/2 18:00 / 19:00
開場 / 開演 10/3 16:00 / 17:00
特等席10,800円(税込/お土産・ダウンロード音源付)
一等席 8,640円(税込/ダウンロード音源付) ※3才以上チケット必要
一般発売日:8月22日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888 (Weekday 12:00→19:00)
出演者:ユニコーン and more…
※今回の公演チケットも、EBI50祭用に新たに録りおろされる新曲のダウンロード音源付き!
<SMA☆アーティスト先行>
受付期間:5/11(月)22:00~5/19(火)18:00
受付URL http://smam.jp/unicorn/ (携帯・スマホのみ)
※デザインチケット特典(当日会場にて引き換えとなります)
◆<ユニコーン EBI50祭“海老乃大漁祭”>特設サイト
◆<ユニコーン 奥田民生50祭 "もみじまんごじゅう">特設サイト
◆ユニコーン オフィシャルサイト
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