ブッチャーズが爆音で響く染谷将太主演映画『ソレダケ / that’s it』、予告編から激しい。
5月27日(水)より、シネマート新宿ほかにて公開となる石井岳龍監督最新作『ソレダケ / that’s it』の予告編が完成した。
◆映画『ソレダケ / that’s it』予告編映像
『生きてるものはいないのか』(2012年)『シャニダールの花』(2013年)などの不条理なオルタナ世界の探求から一転、バンドbloodthirsty butchersのリーダー吉村秀樹からの熱烈なラブコールのもと石井岳龍監督が完成させた、叛逆の青春物語が本作『ソレダケ / that’s it』である。
この作品は、全篇にブッチャーズの楽曲を配置し、主演に若き日本映画界の扇動者染谷将太、本格女優としての確実な一歩を踏み出した元E-girlsの水野絵梨奈、映画とロックのアウトサイダー渋川清彦、インディペンデント映画の番人村上淳、そして様々な役柄で世を魅了する綾野剛という屈指の個性派俳優たちを迎え、濃くて、危なくて、激しい、情熱とアクションが交差する青春ドラマが完成した。四半世紀以上の活動歴とともに常に未来の創造に向けて日本のロックの殻を破って来たブッチャーズと、久々の本格的“ROCK映画”への挑戦を果たした石井岳龍監督。ちなみに、 映画のタイトル『ソレダケ』は、99年発表のブッチャーズ6thアルバム『未完成』の2曲目に収録されている「ソレダケ」より引用されている。
なお、今回公開された予告編を手掛けたのは、長年ブッチャーズのライブを撮り続け、2011年にはブッチャーズのドキュメンタリー映画『kocorono』を発表した川口潤監督だ(山口監督は、『77BOADRUM』(2008年7月7日公開)や『山口冨士夫/皆殺しのバラード』(2014年8月9日公開)なども手がける)。この予告編制作に際し、「その姿をくらませてもなお、人を動かす吉村秀樹の影響力(パワー)、恐るべし」とのコメントを寄せている。
映像は、映画本編の疾走感と激しさを凝縮し、映画への期待感を高める、最高のイントロダクションとなっている。アンダーグラウンドでもがきながらも這い上がろうとする染谷将太演じる大黒と、水野絵梨奈演じる阿弥の台詞を軸に、ブッチャーズの楽曲「10月/october」と「アンニュイ」で構成。特に「アンニュイ」は本映画制作のきっかけとなったブッチャーズのアルバム「youth(青春)」に収録の曲で、原作の無い、石井監督による完全オリジナルなストーリーにおいて、重要なインスピレーションにもなった曲である。
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[bloodthirsty butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)]
パンクロックをベースとし、その圧倒的な轟音、音圧とケタ外れな独創性で無類の音像を構築するバンド。 86年札幌にて結成、90年代にはアメリカン・ハードコアの総師イアン・マッケイ率いるFugaziやRocket From The Crypt、Beck、Rage Against the Machine等々錚々たる海外バンドとの共演やアメリカツアーを敢行するなど、海外に日本のロックを広く知らしめた。また国内でもトリビュートアルバムが今まで計6枚発売されるなどバンドマンのみならず多くのクリエイターたちに影響を与え続けている。本作の制作のきっかけとなったリーダーでありVo&Gtの吉村秀樹は、惜しまれつつも2013年5月27日に急逝。享年46。
2015年5月27日(水)より、 シネマート新宿にてロードショー。全国順次追撃上映
出演:染谷将太、 水野絵梨奈、 渋川清彦、 村上淳/綾野剛
監督:石井岳龍
楽曲:bloodthirsty butchers
脚本:いながききよたか
製作:『ソレダケ / that’s it』製作委員会
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
2015年/日本/カラー/1:1.85/3ch/110分
[あらすじ]
戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真男-ダイコクサマオ-(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉-ヱビスダイキチ-(渋川清彦)のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥-ナンムアミ-(水野絵梨奈)が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦-イノガミラクヒコ-(村上淳)に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボス千手完-センジュカン-(綾野剛)による拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる。もがき苦しんでも決して抜け出すことができなかった負のループが導いた先で、大黒は、彼を束縛する宿命との対決を決意する──。
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