震災から4年経っても、あの日からまるで時が止まったままの浪江町

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2015年3月、福島県浪江町出身のシンガー牛来美佳(ごらいみか)と、浪江町から60キロ離れた小学校の仮校舎に残った21人の子供たちで、「いつかまた浪江の空を」という曲のレコーディングが行われ、震災4年目となる3月11日にミュージックビデオとHPが公開された。

◆「いつかまた浪江の空を」ミュージックビデオ映像

「いつかまた浪江の空を」は、東方神起の最新シングルやJUJU、AKB48なども手がける作曲家山本加津彦が、震災後に牛来美佳から依頼され、約2年かけて牛来美佳と共に制作したという作品だ。


▲牛来美佳

公開された映像を見ると、改めて大きな衝撃を受け胸が締め付けられる思いだ。あの痛み溢れる震災から4年…4年もの年月が経ってもなお、あの日からまるで時が止まったままの浪江町の風景と、しかしそれでも未来へ歩き出そうとする子供達の歌声と強い意思が映し出されている。全国で離ればなれになっている福島の方達の希望となって、その歌声は響く。

「今春手がけた、東方神起の「サクラミチ」では、春の旅立ちと別れ、約束と再会をテーマに、曲を作ったが、福島の子供達にも当てはまるものがたくさんあった。普段作る音楽にはファンタジーの要素も必要かもしれないが、今この現実に直面する人達に、ちゃんと届き、寄り添い、そして彼らが自分たちの言葉として歌える曲を、ここに残したいと思う。」──山本加津彦


▲山本加津彦

実は子供たちの録音は、当初のサビの追いかけ部分のみの予定だったが、レコーディング当日には全部覚えて歌える様になっていたという。もう早速、子供たちは仮設住宅を訪れ、歌い始めてくれている。

立ち上がったプロジェクトは、本来同級生になるはずだった子供達、避難中の福島の方々、また、賛同してくれる歌手の方々にもカバーをお願いし、離れていても心の通じ合った方達で歌い、そしていつかまた戻れる日が来たら、今は荒れ果てた浪江小学校の校庭で、一緒に歌おうという主旨のものだ。震災の記憶は薄れつつあるが、今もなお続く目を背けてはいけない現実に向き合った音楽を、ここで聴いてもらいたい。


◆「いつかまた波江の空を」オフィシャルサイト
◆牛来美佳オフィシャルサイト
◆山本加津彦オフィシャルサイト
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