【ライブレポート】cinema staff、POLYSICSとの対バンで自主企画ライブを完遂。「できるだけ長くやります。我々は」

cinema staffの自主企画ライブ＜two strike to(2) night～2015開幕版～＞のツアーファイナル公演が3月5日に東京・渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

◆cinema staff ＜two strike to(2) night～2015開幕版～＞画像

東名阪3ヶ所をめぐり、各日でcinema staffと縁のあるバンドとの2マンライブを行なったこのライブ。大阪公演ではアルカラ、名古屋公演ではパスピエをゲストに招き、ツアーファイナルは3月4日にKEYTALK、5日にPOLYSICSを迎えてのアクトとなった。

最終日の5日、ライブの先陣を切ったのはPOLYSICS。フロントマンのハヤシによるお馴染みの挨拶「トイス(TOISU)!!!」でウォーミングアップし、1曲目「Shout Aloud!」から爆音セットで押し寄せてくる。開幕から高すぎるテンションに観客のダイブも後を絶たない。ギター・ベース・ドラムの爆音にシンセサイザーやヴォコーダー要素がポップに絡み容赦なく飛んでくる彼らのスタイルは、ライブハウスで目の当たりにするとアドレナリンが止まらない。

一気に4曲を駆け抜けた後のMCではハヤシが「春はもうすぐだぜ渋谷！　花粉がうぜえぜ渋谷！　俺と飯田君の共通点は花粉症ぐらいしかないですけどね（笑）。あとギターボーカルっていうぐらい」とcinema staff・飯田との小ネタを交えつつ、主催のcinema staffへの感謝のコメントを寄せた。POLYSICSがcinema staffと対バンを行なうのは2年前のPOLYSICS主催対バンツアー（仙台公演）以来。当時飯田がPOLYSICSリスペクトでステージ上で行なったという「TOISU!!!」が今回も飛び出すかどうか、ハヤシも注目しているとのこと。

POLYSICSはその後、一切テンションを下げない爆走ぶりで「Buggie Technica」まで全13曲を披露。3月25日にリリースする新作ミニアルバム『HEN 愛 LET’S GO!』の告知も交え、密度の濃いパフォーマンスで会場を圧倒しステージを後にした。


そして後半、ステージに登場したのはcinema staff。ドラム、1ベース、2ギター構成の彼らが生み出す楽曲は、シンプルながらもその音の良さから“バンド”そのものへの憧れを掻きたてる類のものだ。1曲目「望郷」からボーカルの飯田が伸びやかな歌声で歌い出しを決めると、「岐阜県から来ました、cinema staffです！」とこちらもお馴染みの挨拶。2曲目には幅広い層への勝負曲となった「great escape」でさらにヒートアップ。続く「奇跡」では会場も縦ジャンプで熱気に包まれ、ギターの辻も勢いにのって飛び跳ね、寝転んでの演奏に及んだりといよいよ開放的になっていった。

序盤4曲を披露し、MCで裏声を使って会心の「ありがTOISU!!!」を決める飯田。cinema staffでは他にもドラムの久野が「高校生時代からずっと好きでPOLYSICSを聞いていた」と熱い思いを語る。「僕コンプレックスがあって、裏声が出せないんスよ。だからTOISUが言えないんです。滅茶苦茶悔しいです」という前提がありつつ、地声ながら全力で「TOISU!!!」を叫び、今回限定のコラボTシャツのキャラクターセリフにも「TOISU!!!」を入れるよう指定するこだわりようだ。


「後半戦、夢見てる場合じゃないんですけど、ついてきてくれますか。いけるか！」という飯田の煽りから、激しいドラムワークで突入する攻めのナンバー「西南西の虹」で観客とのコール＆レスポンスに入る。辻のエッジィなリフから、刻み込むようなビートに飯田の美しい歌メロがのる「白い砂漠のマーチ」、そして三島のベースとシャウトが観客の歓声とクラップに絡む「theme of us」と一気に疾走した。ここで会場から男性陣による謎の三島コール。「三島めっちゃ人気あるな」という飯田のツッコミに「けっこう俺的には見せ場の多い三曲だったからね」と渋カッコイイ台詞を放つ三島であった。ちなみに、“黄色い声”については飯田ということで女性陣からの飯田コールも発生。「うるせえやい」とカワイイ口調で返す飯田、ソツがない。

本編最後を飾ったのは三島が“僕の頭の中にある海の曲”と語った「海について」。cinema staffは先日4枚目のフルアルバム『blueprint』のリリースを発表したが、その1番目のトラックとして超先行解禁されている曲が「陸にある海」だ。このタイミングでの「海について」披露は新曲へと連なる彼らの軌跡を連想させる。力強いリフにエモーショナルなボーカルとコーラスが重なり、世界観の広がりを感じさせる締めくくりとなった。

「制作があったらツアーがあって、ツアーがあったらまた帰ってきて。僕はそこに今すごく喜びを感じてますので、できるだけ長くやります。我々は。なので、応援よろしくお願いします。」── 三島想平


cinema staffはさらにアンコール上でニューアルバム『blueprint』より、新曲「シャドウ」を披露。三島が「魂の曲です」と紹介したとおりの心揺さぶるパフォーマンスに、先行公開の歌詞だけでは決してわからない印象的な“溜め”で会場を一気に惹きつけた。会場を満たす大きな喝采の中、ライブは熱気を残して終演した。

cinema staffは今後、4月22日にフルアルバム『blueprint』をリリース。さらにアルバムにあわせたワンマンツアー＜cinema staff 4th FULL ALBUM [blueprint] release tour “land=ocean”＞を5月12日の千葉 LOOKから開催する。

Photo:Daisuke Miyashita




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