【イベントレポート】ほとばしるアニソン愛、世界最強オタクダンサーの死闘<アキバ×ストリート>
アニソンでダンスを踊りアニメ愛やダンススキルを競い合う、世界最強オタクダンサーをあぶり出す、オタクVSオタクの聖杯戦争<アキバ×ストリート>の予選大会が無事終了、ファイナルステージを迎える状況となった。世界初の「アニソンダンスバトル」全国大会、それが<アキバ×ストリート>だ。
◆<アキバ×ストリート>画像
幼女も学生も社会人も関係なく、ルールはただひとつ、1対1のソロバトルであるという点のみ。ストリートダンス、ヲタ芸、パラパラ、社交ダンスなんでもありのフリースタイルバトルで、全国でオタクダンサーが火花を散らせることとなった。
【東京予選】
2015年1月17日(土)ついに記念すべき『アキバ×ストリート』が東京予選を皮切りにスタートした。予選第一回目は秋葉原moe farreモエファーレにて開催され、開幕戦と言うこともあり、東京予選には80人弱のエントリーパフォーマー達が集まった。
ベスト16を選出するための予選ではオーディション形式でバトルが展開され、80名弱のパフォーマーから予選通過したのはわずか14名だった。見事なパフォーマンスに審査員が頭を抱えている場面が印象的だった。そして残り2名を決定するのはまさかの筆記テスト。オタクとしての知識も試されるこのアキバ×ストリート唯一のコンテンツであり、恐らくダンスバトルに置いて世界初であろう試みに、惜しくも予選を敗退してしまった参加者達は、最後の助け船にと真剣に試験を受けていた。
ベスト16からはトーナメント戦でおこなわれ、最高潮のボルテージの中、熱いバトルが展開。決勝戦、駒を進めたのはjun-G vs 超妖怪弾頭ネオたんだ。力強いブレイクダンスを武器にパワフルに見せる超妖怪弾頭ネオたんに対し、嫁と豪語する“すーぱーそに子”グッズを上手く使いこちらも見事なブレイクダンスを見せてくれたjun-G。どちらも一歩も譲らぬ熱い戦いを制したのは、最後まで肌身離さず“すーぱーそに子”グッズを大事に抱えていたjun-Gだった。彼は優勝コメントで「優勝できたのは僕一人のおかげじゃない、そに子のおかげ、東京ファイナルではそに子の魅力を伝えに行きます」とまさにオタクダンサーに相応しいコメントを残してくれた。
【大阪予選】
2015年1月24日(土)、ふたつ目となる大阪予選が開催された。全60人弱のエントリーパフォーマーたちは、全体的にダンスとしての実力の高さを見せつける者が多く、実力拮抗のバトルが数多く展開された。
そんな中にも、大阪という土地柄なのか表現/表情が豊かなアウトプットを見せてくれるバトルが多く、中でもベスト8戦で巻き起こった四月は君の嘘OP『光るなら/Goose House』で展開されたバトルでは、応援をしている仲間らも共に同じ振りを踊り、ショータイムなのか?とも思わせる突発的なシーンも生まれ、アニソンダンスバトルならではの謎の感動空間も生まれることとなった。
決勝戦は、大阪のアニメ好きヲタクダンスチーム ANISPECT FAMILYのsyu-G justice vs かーねるという一戦で、軍配が上がったのはsyu-G justiceであったが、僅差の接戦であり、共に決勝戦プレイされた『オリオンをなぞる』『Daydream Cafe』の世界観を見事に表現しあったベストバトルとなった。互いに心ぴょんぴょんしあった仲間同士、勝敗決したあとは固く抱き合い、何かを分かち合っている光景が印象的だった。
【福岡予選】
次の日に開催された予選3つ目は、福岡予選だ。大阪予選に引き続き全60人弱のエントリーパフォーマーたちが集結、その中には前日の大阪に参戦した数名のダンサーは敗戦の悔やしさからか、本気で福岡予選を勝ち取るために大阪からの急遽参戦の名乗りをあげ、九州全域からパフォーマーもあわせての参加となった。
このアキバストリートでは、パフォーマーをジャッジする際にあらかじめ5つの審査基準項目が記載されているが、その中に特殊項目、『そして、伝説へ』というコンテンツがある。まさにその名の通り技術を超越した瞬間を生み出すことができたならば、理由の如何に関わらず勝利することができる!というこのイベントならではのルールだ。
とはいえ、それほどの衝撃を与える事象はなかなか起こるものでもなく、東京予選、大阪予選でも特殊項目フラグが立つことはなかった。そんな中、今大会初の『そして、伝説へ』を生み出したパフォーマーが現れた。Mr MK・MAJIOTUだ。
予選では、人類は衰退しましたOP『リアルワールド』をフルコーラス踊りきり会場を今日一番とも言える熱狂の渦に巻き込み、激戦サークルを一番ノリで勝ち上がり、トーナメント初戦はラブライブ!『Snow halation』、続くベスト8では四月は君の嘘OP『光るなら』を独創性あふれる、でもなんだかワカルそんな世界を作り出すパフォーマンスをみせ、相対する実力派ダンサーたちを撃破してきた。惜しくもベスト4で負けてしまったが、この日のMVPは間違いなく彼だった。
このMr MK・MAJIOTUをBEST4で打ち砕いたのがざかるとPだ。東京予選でベスト8で敗退してしまった彼だが、福岡予選では前回の悔しさをバネに爆発力を見せ続け、決勝まで昇りつめた。決勝戦ではなんと同郷のNicoとの対戦となった。お互い負けられないといわんばかりの熱いバトルだったが、結果ざかるとPがファイナリストの切符を手に入れた。
【名古屋予選】
全国5ヶ所にて開催されてきた予選もはやくも4つ目、名古屋予選が2月7日に開催された。今回、集結したのは全50人弱エントリーパフォーマーたち。4ヵ所目ということもあるのか、これまでの東京・大阪・福岡に参戦したパフォーマー・ダンサーたちがこぞって参戦、他にも愛知以外の県からも多くファイナルへの切符を狙いに来たヲタクたちが勢ぞろいした。
過去の予選にもあったことだが、予選からバトルフィールドが壊れるほど盛り上がる戦いが次々と勃発し、予選の予選にも関わらず終始クライマックスなテンションで進んでいった。ベスト16が出揃った時点で、ダンススキルという意味では今まで最高レベルの面々が残ることとなった。中でも東京・大阪での敗者復活アニメ関連問題筆記テストで最高得点をみせながらベスト4、ベスト8という結果を残す文武両道の漢・K-GO(大阪/anispect family)、ブレイクダンスのバトル日本大会で最高2位の結果を残した経歴を持つB-BOY・ASHITAKA(新潟)、大阪予選では準優勝、福岡予選ではベスト4という好成績を残してきたかーねる(大阪/anispect family)など、各地方予選で活躍をみせた強者達の姿もみかけた。
そんな濃い面々の中、ベスト16で敗退はしてしまったものの、いろんな意味で凄まじい輝きを予選からみせたのがキュアビッチだ。「プリキュアが流れたら俺どうなるか、まじわかんねえっす」…そう語った彼にプリキュアが流れることはなかったが、普通に踊れるヒップホップスタイルとリュックから飛び出すグッズの数々、瞬発力で見せる高まり芸、ヲタ芸を武器にバトルもDJタイムも本大会を駆け抜けフロアをロックする存在となったのは間違いない。ジャッジのRAB(リアルアキバボーイズ)の涼宮あつき曰く「立ってるだけで存在が面白いww」と言わしめ、ある意味レジェンド的な立ち位置の片鱗を見せる結果となった。
対して、ダンス的・パフォーマンス的な意味合いで常にフロアを沸かせ続けたのは本大会の優勝を果たした、たける(東京/関東AB-BOYZ)だ。東京予選にトライしていた時はエントリーネームは“とける”であったが、優勝への決意表明とともに、今回は本名で参戦、予選~決勝戦に至るまでアニソンを身体で歌い上げるかのように表現していき、決勝では大阪文武両道の漢・K-GOとの接戦を見事に勝ち取り、3月21日の決勝戦への切符を手にしたのであった。
【北海道予選】
地方予選最後となったのが、2月14日バレンタインデーに開催された北海道予選だ。「試された大地」北海道でのエントリーは21人と、他の地域に比べ半分以下の人数となったがそのうち1/4はなんと、道外からのエントリー。それも過去の4回の予選にてベスト8以上の結果を残している猛者たちが本州から参戦し、バトルのレベル自体はかなり凝縮された高さをみせることとなった。
本予選は、人数も少なかったこともあり初戦よりフルトーナメントにて行われた。他地域に比べ、北海道のパフォーマーたちの特徴としては、自分の愛すべきアニメグッズたちの活躍が目立った点であろう。時には自分の背中を守ってもらうかのように、いわゆる嫁グッズに見守られながらバトル、ムーヴ中において嫁グッズを伴った踊りをみせるなど。様々な趣向を凝らし、バトルにおける“嫁”への表現をみせていた。時には、バトル中における夫婦喧嘩も発生することもあったが。
そんな最中、オーディエンスからもベストバトルと高い評価を得たバトルはベスト8で巻き起こった。Mega☆音(東京)vsにく(東京)の対決で、予想だにしなかったであろうベルサイユのばらOP『薔薇は美しく散る』がスピンされ、お互いジャンルを“90年代”と明記する同士、曲を熟知したパフォーマンスをみせ、まるでお互いのダンスで一つのショーケースを作り上げるかのようなバトルが展開された。結果、勝利を手にしたのはMega☆音であったが、オーディエンスからは今日一番ともいえる拍手と感嘆を得た試合となった。
決勝戦は、互いに3回目、4回目の予選参戦し、本大会ファイナルへの熱い思いが溢れんばかりの2人、KGO(大阪/anispect family)vsふみろく(熊本)の戦いとなった。バトル直前の決勝にかける意気込みを語る2人の目には、既に涙が溢れ、彼らにとって如何にこのバトルへかける想いが熱いかが、見ているオーディエンスにも伝わっていった。そんな彼らに相まって、決勝の2ムーブにチョイスされたのは化物語ED『君の知らない物語』、四月は君の嘘OP『光るなら』。感動的なこの2曲を共に全力全開で踊りあげ、互いの気持ちをぶつけ合った決勝戦であった。あまりに情熱とパフォーマンスが噛み合い、踊る2人を含め、会場全体が感動の渦に巻き込まれるほどの展開に、本予選のジャッジを務めたRAB(リアルアキバボーイズ)の涼宮あつき、マロン、ムラトミが下した判定は、今大会始まって初の延長戦の裁定が下された。闘う2人共に、涙ながらに戦った最後の延長という相当に煮詰まったシリアスな環境の中、スピンされたのはご注文はうさぎですか?OP『Daydream Cafe』だ。曲がかかった瞬間、一瞬で「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」という顔になった彼らは互いに、最後の力を振り絞ったパフォーマンスを見せつけた!もはや、どちらが優勝しても本当におかしくない感動をくれた2人の中から、選ばれたのは4度目の挑戦にしてついに栄冠を獲得した大阪より参戦したanispect familyのKGOであった。
【東京ファイナルへ】
各予選で勝ち上がったパフォーマーは3月21日新宿FACEでおこなわれる東京ファイナルの本戦出場権が与えられ、そこで世界最強オタクダンサーが決定される。また、ファイナリストへ進出できる残りの2枠を争う当日予選もおこなわれ、ますますヒートアップする戦いになることであろう。
なお、当日予選・東京ファイナル共にチケットが発売されている。
◆<アキバ×ストリート>オフィシャルサイト
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