【突撃インタビュー】クマムシの生態に迫る、ガチすぎる「あったかいんだからぁ♪」ネタの向こう側

■毎回「あったかいんだからぁ♪」を超えるクオリティを求められる

――カップリングの「あったかいんだからぁ♪ -スーパーキューティクルver.-」もいい仕上がりですね。

長谷川：はい、2曲目はアップテンポで、カラオケで歌って踊って盛り上がるような曲になってくれればなと思って。歌詞も新しく付け加えて。あの、僕…自分で言うのも何なんですけど、すごく（新宿）2丁目の方…ゲイの方にモテるんですね。なので、その方たちに歌って広めてほしいなっていう思いがありまして。

――それで「なでなで しこしこ」という歌詞が出てくるんですね。

長谷川：そうです！よく気付きましたね。


――この歌詞はどうしたもんかな……と（笑）。

佐藤：そうなんですよ。パーティソングみたいな感じだから、合コンとかの二次会で女の子に男が歌わせて「なでなで しこしこ」で盛り上がれますしね。とにかく楽しい感じで。

――誰か止める人はいなかったんですか？

長谷川：最初はもう少し柔らかな言い方だったんですけど、「もうここはストレートに行こう」ってことで。別にイヤらしい意味で作ってないですよ！「大和撫子」という意味ですからね、なでなで しこしこ（笑）。

佐藤：ここの部分はレコード会社のスタッフさんもノリノリでしたけどね。

――これからも「イエーイ！」慣れに気をつけながら楽しい歌を作ってください。

長谷川：そうですね、気をつけないと飲み込まれちゃう。「あ、やばい」ってすぐなっちゃうんで。

――もともとクマムシって、プレッシャーに弱い生物ですからね。

長谷川：はい、上からの圧力に弱い生物なので(笑)。皆さんに優しくして頂いて。

――今後いろんな曲を作って、アイドルに曲を提供するというのはどうですか？

長谷川：僕、もともとアイドルが好きなんです。モーニング娘。さんのファンクラブにも入っていたぐらいだったんで、ああいうキャピキャピした世界に憧れていたんです。なので、時が経ったときに自分でアイドルをプロデユースしたいですよねぇ。

佐藤：でもね、長谷川も相当悩んでいますよ。僕ら毎月ライブに出るんですけど、そこで毎回歌ネタを考えないといけないんですね。毎回「あったかいんだからぁ♪」を超えるクオリティを求められますから。

長谷川：うん、人の耳に残る曲を毎月作るというのは無理だと思うんですよね。それは小室哲哉さんとか天才じゃないとできない。

■「あったかいんだからぁ♪」のポイントは？

――毎月1曲で名曲を作っていったら、毎年12曲入りの傑作アルバムが出せますね。

長谷川：本当ですね。でもプレッシャーがあると曲作りが楽しくなくなっちゃうんで、だったら好きなことを自由に歌おうと思います。あと、May J.さんみたいに他のアーティストの曲も歌ってみたいなあ。「クマムシがいろんな曲を歌ってみた」みたいなね。普段、カラオケとかも男性女性問わず歌うんですよ。最近だと今井美樹さんの「PIECE OF MY WISH」とか歌ってます。やっぱ、いい歌は歌いたくなっちゃいますよね。

――ちなみに好きなアーティストは？

佐藤：僕は洋楽が好きです。オアシスが好きなので、BARKSで「リアム・ギャラガーは今、何してるんだ？」とか思って見たりしていますよ。

長谷川：僕は山下逹瑯さんが好きですね。僕、お笑い芸人をやる前に、クラブDJをやっていたんですね。当時のDJ仲間から「山下逹瑯は、音のこだわりがすごくて、あの人の曲を改めて聞くとすごく染みてくるよ」って教えてもらったんですよ。で、最初のアルバムから全部聴き直していったんですけど、やっぱり鳥肌立つぐらい良かったんですよね。

――山下逹瑯の話が出てくるなんて想定外。

佐藤：山下逹瑯さんを意識した曲もありますよ。

長谷川：鼻にかかる歌い方で、ちょっと歌い方をオマージュしたりして。ゆったりしたテンポで高音で歌ったりします。


――最後に、音楽サイトお約束の“アーティストっぽいメッセージ”をひとついただけますか？

長谷川：では皆さんに、「あったかいんだからぁ♪」をやるときのコツをお伝えします。「あったかいんだから～」と歌うときに、みなさん下を向いちゃいがちだと思うんですけど、ここは顔の表情が大事なので、ポイントは真正面を向いて歌ってください。そして、手をゆっくりたっぷり動かす。すると声も出るんですよ。

――なるほど、確かに感情移入とともに下をうつむきがちかも。

長谷川：顔は真正面です。手の動きが速い人がいるんですけど、ゆっくりです。

――そこがプロとアマチュアの違いですね。

長谷川：焦る必要はない。ゆっくりたっぷりやればいいんで。「あったかい」のときはファルセットを大事にして。

佐藤：僕からもひとつ。「イエス」を聞き逃さないでください（笑）。

　　◆　　◆　　◆

芸人なのか、もしかして本当にただのミュージシャン基質なのか、少なくともクマムシは、音楽に対してかなりストイックで真摯に取り組んでいるユニットであることは確認できた。これからもいろんなネタに意外な名曲が絡んでくることだろう。聞き方も楽しみ方も携わり方も全く自由な今の音楽だからこそ、名曲の誕生もアーティストだけの特権ではなくなったのかもしれない。クマムシ、今後も要注意ユニットである。

取材・文：BARKS編集長 烏丸哲也






◆クマムシ 「あったかいんだからぁ♪」動画応募詳細
◆クマムシ オフィシャルサイト
◆クマムシ レーベルサイト