【インタビュー】アダム・レヴィーン、映画『はじまりのうた』を語る

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キーラ・ナイトレイ主演、ジョン・カーニー監督による最新作『はじまりのうた』が2月7日(土)に日本公開となる。マルーン5のアダム・レヴィーンが登場、しかもノーギャラで出演しているという話題の作品だ。

◆アダム・レヴィーン画像

映画『はじまりのうた』は、恋愛、家族、仕事、夢…様々な悩める人々が音楽を通じて人生の新たな一歩を踏み出すきっかけを作る物語を描くもので、ニューヨークの街角がその舞台となっている。




観る人を最高にハッピーで元気にしてくれる『はじまりのうた』は、全米において当初5館の限定公開だったものの、クチコミパワーで1300館以上まで拡大、3週目には全米9位を記録する大ヒットとなった。主演のグレタ役を務める『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで一躍トップスターに仲間入りしたキーラ・ナイトレイは、ギターを奏でながら歌う姿を初披露している。そしてそんなグレタの恋人デイブ役が、アダム・レヴィーンだ。

ここでは、映画の中でも重要な位置を占めるアダム・レヴィーンは、どのような経緯で、この映画へ関わるようになったのか。ここに貴重なインタビューをお届けしよう。


──この映画に関わるようになったきっかけは何ですか?

アダム・レヴィーン:ジョン・カーニー…あの素晴らしいジョン・カーニーからアプローチされたんだ。彼に「ねえ、これに興味ある?」と言われて、僕はジョンの作品の事はよく知っていたから、彼に声をかけられただけでもすごく光栄だった。すぐにこの作品に惚れ込んでしまって、どんな犠牲を払ってでもこの作品に関わりたいと思った。僕にとって映画に出演するのは初めてのことだけど、ジョンが僕を信じてくれた事に本当にワクワクしたんだ。

──映画『はじまりのうた』はどんな物語ですか?

アダム・レヴィーン:マークが演じるダン(註:グレタの才能を見出す落ち目の音楽プロデューサーのダン役には『アベンジャーズ』などの数多くの名作に出演するマーク・ラファロが務めている)についての物語で、シンガーソングライターのグレタという女性と出会ったことから、彼の人生とキャリアに新たな活力が与えられるんだ。ダンと彼の家族との関係、グレタとデイヴの関係を描いた物語で、僕が演じるデイヴに関しては、新たに得た名声にとともにそこから生まれる苦労が描かれる。デイヴはプロとしての生活とグレタとの関係との間でバランスを失い、二人の関係は崩れていってしまうんだ。自分の人生がそんな立場にあったから、すぐに親しみを感じたし、脚本を読んですっかり心を奪われたよ。誰にでもあるようなトラブルだけど、これについては本当に似たような事を体験してきたから、まるで自分のことのようだったな。


──監督ジョン・カーニーとの仕事はいかがでしたか?

アダム・レヴィーン:このキャラクターに関して、ジョンは僕に何かを見出したみたいだけど、それがお世辞だったのかどうか、僕には未だに分からないね。(笑)。僕はこれまでもずっとミュージシャンだったから、何かしらの形でミュージシャンである僕と繋がっているものでなければ、映画をやろうなんて思いもしなかったよ。ジョンは、それを分かっていたと思う。自分にピッタリだったからね。一番最初話をした時、彼はこう言ったんだ。「君がこういうのをやらないのは知っているけど、これに興味ある?」ってね。その言葉で、僕はやろうと決めた。彼の話すトーンが大好きだし、映画『ONCE ダブリンの街角で』の大ファンでもある。彼はミュージシャンだからね、監督としての能力もあるけど音楽の才能もあるんだ。話し始めた瞬間から友達になったよ。

──共演者はいかがでしたか?


アダム・レヴィーン:実は、1~2年前にマーク・ラファロと会う機会があったんだ。彼のことをこの世で一番素晴らしい奴だと思わない人はいないんじゃないかな。彼はもの凄く感じがよくて本当に温かい人なんだよ。彼と共演したシーンはないんだけれど、もし一緒だったら楽しかっただろうな。でもこの映画に関わった人全てがいい人ばかりだった。神経質になる必要はないんだけど、有名で素晴らしい役者達に囲まれた新しい世界には圧倒された。ヘイリーは最高だしキーラも素晴らしくて、ふと「僕はここで何をしてるんだろう?」って思ったよ。でも彼らは皆、僕をくつろがせてくれたし、気楽にやらせてくれたんだ。


ピュアなハートを持つシンガーソングライター:グレタを演じるキーラ・ナイトレイは、2014年にクラクソンズのジェイムズ・ライトンと結婚して話題を呼んだばかりだが、本作ではギターを弾きながら初めてキュートな歌声を披露し、普段着のようなフレンドリーさで等身大のヒロインを好演している。そしてアダム・レヴィーンは、これまでまったく演技経験がなかったもののナチュラルな表現力はすでにスタークラスだ。ライヴシーンも含めて彼の歌も楽しむことができる。


なお、大物ラッパー役でシーロー・グリーンが、レコード会社の社長サウル役にモス・デフも顔を出す。グレタを助ける友人スティーヴ役には『ワン チャンス』でポール・ポッツを演じたジェームズ・コーデンが参加している。音楽経験のない俳優が映画のためにギターを猛特訓し、俳優が自ら音楽を奏で、ミュージシャンが演技に挑戦することで、音楽とドラマの心地よい融合が本作の大きなエネルギーとなっている。

元ザ・フレイムスのメンバーだったジョン・カーニー監督だけに、歌へのこだわりは人一倍だ。グレタの歌が重要な役割を果たしているが、そのほとんどの曲を手掛けているのは、ニュー・ラディカルズの元メンバーであり最近では作曲家/プロデューサーとして活躍しているグレッグ・アレキサンダーが務めている。


作品ではニューヨークの街角でレコーディングを重ねていくが、スタッフがロケハンした場所に対して、カーニーは「目で見て選ぶな。アルバムを録音したくなる場所を耳で選べ」と注文しており、映画撮影以前に音楽制作の観点でものづくりが進められていったようだ。音への細やかな気配りが徹底され、ミュージシャンとしての経験があればこその演出が全編で心地よい。


ニューヨークという特別な街、個性豊かなキャスト、そして、素晴らしい音楽から生まれた『はじまりのうた』は、思わずハミングしたくなるような、観る人にとって何かがはじまるハッピーなキッカケにあふれている。映画『はじまりのうた』は2月7日に全国ロードショーとなる。


映画『はじまりのうた』

ミュージシャンの彼デイブ(アダム・レヴィーン)に裏切られ、ライブハウスで歌う失意の主人公グレタ(キーラ・ナイトレイ)。偶然居合わせた落ちこぼれの音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)との出会いがデビューの話へと発展するが、録音スタジオは、なんとニューヨークの街角。路地裏、ビルの屋上、地下鉄のホームとゲリラレコーディングは実施され、この無謀な企画が小さな奇跡を起こし始める。そしてアルバムが完成したその日、誰も予想できなかった最高のはじまりが待っていた。
監督:ジョン・カーニー
出演:キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、アダム・レヴィーン(マルーン 5)
2013年/アメリカ/英語/カラー/104分/原題:BEGIN AGAIN
(C)2013 KILLIFISH PRODUCTIONS, INC.ALL RIGHTS RESERVED
配給:ポニーキャニオン
2015年2月7日(土)より、シネクイント、新宿ピカデリーほか全国公開

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