【インタビュー】LAMP IN TERREN、「“俺も素敵な景色を知ってるよ”って言いたかった」

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■期待って背負うものじゃないし、応えるものでもなくて
■自分が行きたい道を進んだ結果として、誰かの期待に応えられるのかなって

──そんな中、初めてのワンマンライブに向けて作ったっていう「緑閃光」は、自覚的に言葉を選んだ曲なのかなって。

松本:「緑閃光」で初めて3人の方向性が一致したというか、“俺たちはこっちに行くんだ”っていうことを示してくれた曲で、この曲ができた瞬間から、別の曲も同じ方向を向くようになったんです。歌詞の内容的には、ここでしか見れないものがあって、その景色を何回も見たいっていうことを歌ってます。

──その景色っていうのが、つまりは他者の存在であり、具体的に言えば、ステージから見た景色ってことだよね?

松本:はい、そういうことですね。

──“見付けられないとしても 紡いでいくしかないだろう 見付けられたとしても 満たされるわけじゃないだろう”っていう最後の2行って、最初からあった歌詞なんですか?

松本:ありました。ただ、僕としてはネガティブなことを言ってるような気がして、ライブではその前の“いつか同じ様に 何度も 何度でも見つけてみせるよ”までしか歌ってないんです。

中原:昔、一度音源にしてるんですけど、そのときもそこの歌詞はちょっと埋もれた感じにしてました。

松本:そう、もともと遠くで鳴ってるような感じにしてたんですけど、今回話し合って、前に出した方がいいんじゃないかってことになって。でも、今後もライブでは歌わないと思いますね。これは僕の中の決意表明であって、誰かに届けるものではないかなって。

──最初にも言ってたように、ライブと音源だと表現の仕方が変わるっていうことですよね。「緑閃光」っていうタイトルは、日没とか日の出の瞬間に光の屈折で見える珍しい現象のことだそうですが、なぜこの言葉をタイトルにしたんですか?

松本:歌詞の中に“あの丘に咲く花はきっと知っているだろう”って出てくるんですけど、きっとこの花は緑閃光を見てるんですよね。でも、自分たちは日々生きて、いろんなところに行ってるから、緑閃光は見れないと思う。ただ、その花にしか見れない景色があるように、僕には僕にしか見れない景色があって、それってきっと変わらないと思うんです。花が緑閃光っていう素敵な体験をしているように、僕も同じように素敵な体験をしていて、それがライブのことだっていう。

──なるほど。単純に“夕日”とかじゃなくて、“緑閃光”っていう言葉を使ってるのは、そういう意味があったんですね。

松本:僕超常現象を調べるのが好きで(笑)、“一瞬しか見れない景色があるらしい”って、すごい素敵だなって思うんですよね。でも、“俺も素敵な景色を知ってるよ”って言いたかったっていうか。

──なおかつ、“緑閃光”っていう言葉と、楽曲のスケール感がぴったりマッチしてますよね。

中原:この曲の大本は松本の弾き語りで、“バンドでやってみよう”って、それぞれ好きなようにやってみたら、すぐにバシッと合ったんです。

川口:ホントに、めっちゃすんなり行きましたね。

──パッとやって、このスケール感っていうのはすごい。

中原:確かに、奇跡的だったと思います。

川口:ごく稀に見る現象だよね……緑閃光っぽい(笑)。

──楽曲自体が緑閃光だと(笑)。では最後に、バンドの今後の展望を話してもらえますか?

松本:音楽的にはわりと新しい方向性が自分の中で開けてて、歌詞もより伝えたいことがシンプルになって来てる気がします。僕らの曲って、わりとずっと内向きな感じだったんですけど、最近はかなりポップなのもあったりして、基礎は崩さないまま、いろんなことを取り入れることができてる感じですね。

中原:僕らには“歌”っていう明確な軸があるので、いろいろ取り入れても大きく崩れることはないと思うので、そこは自信を持ってやって行きたいと思ってます。

川口:今作ってる新しい曲は、より一層歌が映えてる気がするんですよね。まだまだ歌を出せるなって思うので、そこはより意識していきたいです。

松本:ひとつ思うのは、期待って背負うものじゃないし、応えるものでもなくて、自分が行きたい道を進んだ結果として、誰かの期待に応えられるのかなって思うんですよね。なので、変にそういうことは意識しないで、このバンドがこのバンドであり続けるために、3人が信じる道を行くっていう、そこだけは崩したくなくて。なので、誰に何を言われようと、これからも自分が納得したもの以外は出さないっていう、それだけは決めてるんです。

取材・文◎金子厚武


■Major 1st Album『silver lining』

2015年1月14日発売
AZCS-1040 ¥2,000(tax out)
1.L-R
2.send me
3.クライベイベ
4.リメンバー
5.緑閃光
6.ゴールド・ルーズ
7.balloon

■LIVE情報

1.16(金) 恵比寿LIQUIDROOM / MASHROOM 2015
3.09(月) 梅田Zeela / One-Two-Three, For!! TOUR 2015
3.10(火) 名古屋ell.SIZE / One-Two-Three, For!! TOUR 2015
3.12(木) 渋谷TSUTAYA O-nest / One-Two-Three, For!! TOUR 2015
3.14(土) 熊本市内ライブサーキット / HAPPY JACK 2015
3.15(日) 長崎DRUM Be-7 / LIVE SHUFFLE! 2015
5.03(日) さいたまスーパーアリーナ / VIVA LA ROCK 2015

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