体を動かすだけで音楽を奏でられる新世代楽器アプリ「KAGURA」がリリース

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しくみデザインは、体を動かすだけで音楽を奏でられる新世代楽器アプリ「KAGURA(かぐら)」を1月14日に世界同時リリースする。同社はリリースに先駆け「KAGURA」リリース発表会を1月13日を開催、デモンストレーションを行い、その魅力をアピールした。

◆「KAGURA」~動画~

「KAGURA」は<Intel Perceptual Computing Challenge 2013>において、全世界16カ国から約2800もの応募の中からグランプリに選ばれたアプリケーション。何にも触れずに体を動かすだけで演奏が行える。演奏に使われるのは、奥行き認識機能を持ったインテルRealSense 3Dカメラ。画面上の音源(アイコン)を、カメラで撮影された手で叩いたりする(実際には何にも触れていない)ことで音が鳴る。ただ動くだけでもちゃんとした音楽となり、狙って動けば思い通りの演奏も可能。まさに新世代の楽器アプリだ。音源はパーカッション的なもののほか、音階の演奏も可能。音階はスケールに沿った配列になっており、BGMに合わせ適当に演奏しても音を外すことがないので、誰でも演奏が楽しめる。


▲画面上のアイコンにカメラに映った手などで触れると音が鳴る。左右には音階が演奏できるものも用意。リズムも音程もBGMから外れないようになっている。


カメラを使って音楽を奏でるアプリはこれまでにもいくつかあったが、「KAGURA」がおもしろいのは、奥行きを検知することでこれまでにない体験ができること。カメラから50cmのところまで手を伸ばすと、水の膜があるかのような波紋のようなエフェクトが生じ、水の中に手を入れたような状態になる。

この状態でさまざまなジェスチャー認識が可能になる。たとえば、親指を立てるとテンポアップ、下に向けるとテンポダウン。手を開いて閉じる動作で音源をつかんで移動、手を開いて画面に向けると手のひらの真ん中に新しい音源が生成される。マイクを使って録音すれば自分の声が楽器になり、既存の音源同様身振りで鳴らすことが可能になる。演奏を楽しむだけでなく、自身の声を加えることでヒューマンビートボックスのパフォーマンスに使ったり、その映像をVJに応用することもできそうだ。BGMと音源を組み合わせたサウンドセットは5種類を用意。ドラムセットをはじめ、琴や和太鼓などの和楽器、シンセのセットなどさまざまな楽器での演奏がすぐに楽しめる。ジャズのセットでアドリブ演奏ができるのを喜ぶ人も多いはず。


▲手をカメラに近づけると波紋が広がり、水の中に手をつっこんだような映像に。この状態でジェスチャーによりさまざまな機能が使えるようになる。


▲こちらもジェスチャーの例。指を立てることで、BGMのテンポをコントロールすることができる。



▲しくみデザイン代表取締役兼「KAGURA」開発者の中村俊介氏自らがデモンストレーションを披露。
発表会では、しくみデザインの代表中村俊介氏が「体を動かして、何も持たなくても演奏できる楽器」と「KAGURA」を説明。同社はカメラを使ったデジタルサイネージやイベント向けアトラクションなど参加型デジタルコンテンツを10年にわたり開発、リリースしており、これまでの実績としてお台場合衆国のワンピース体験ゲームや、SMAPやTRFなどのライブにおけるカメラ映像を利用した映像のリアルタイム生成の演出、世界中の子供達をクリエイターにするiOSアプリ「paintone」などを紹介。これまでクリエイターとしてこれらを作ってきたが、次の世代に向けて「どういうふうにしたらみんなが作る人になれるか」を考え、みんなが遊べるものとして作ったものと「KAGURA」を位置づけた。


▲インテルの戦略事業企画部ディレクター亀井慎一朗氏と中村氏が対談形式で「KAGURA」を紹介。
発表会ではインテルの戦略事業企画部ディレクター亀井慎一朗氏も登場し、「KAGURA」が<Intel Perceptual Computing Challenge 2013>を受賞した理由を紹介。パソコンに内蔵する3Dカメラの技術であるインテルRealSenseテクノロジーを使ったアプリケーションとして、手の動きをトレースする、奥行きを感知する、ジェスチャーを認識するといった機能のほぼすべてを使っており、誰もがカンタンに音楽を奏でられることが評価につながったとした。また、距離感を伝えるために水に手をつっこんだ状態を3Dで表現していることもわかりやすい点。手をカメラの50cm以内に近づけると精度が上がることを「手を近づけてください」と言わずに伝えるための手段にもなっているという。

「KAGURA」の機能をフルに楽しむためには、インテルRealSense 3Dカメラを内蔵したパソコンが必要となるが、現在国内で入手できるのは、昨年発売された富士通の1製品のみ。今後はAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、NECからもリリースされるという。とはいえ、こうした製品を購入しなくても「KAGURA」を楽しむことは可能だ。一般的なWebカメラでも画面上のアイコンにカメラに映った手などを重ねることで演奏ができる。ジェスチャーの代わりにマウスやタッチパネルを使うことで、録音やテンポ変更なども行える。演奏は映像として録画することもできるので、YouTubeへのアップロードもOK。対応OSは現在Windows 8.1(64bit)のみだが、Mac版も開発中とのこと。

「KAGURA」のダウンロードは14日から可能になる。ダウンロードは無料なので、まずはダウンロードしてこの楽しさを味わってほしい。


▲展示機はRealSense 3Dカメラを内蔵した富士通のESPRIMO WH77/S。ディスプレイの上に2Dカメラと赤外線の発光部とセンサーを備えることで奥行きの検知を可能にしている。


▲パソコンの画面を見ながらRealSense 3Dカメラに向かって体を動かすことでKAGURAを演奏する。



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